『ずっとこのまま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
それなりに通じる不思議
あれそれこれの
二人の会話
そりゃやっぱりライブ最高
コロナ明け
ブルーノートで東京に酔う
高祖父も参っただろう神田明神
晴れ上がる空が大きい
高祖父の縁を辿る東京路
青空の下5万2千歩
高祖父の
所縁を辿る江戸巡り
晴れ上がる青空が眩しい
コロナあけ ライブ最高
息子と共にブルーノートで東京に酔う
言い違いや聞き間違い
成り立つのが不思議な
二人の会話
今日も今日とて、制服のエプロンを身につけコーヒーを淹れる。
意外と僕はお客様に人気のある店員らしく、店内には女性客の姿がちらほらと確認できた。
カランカランとドアベルが鳴り、少し冷えた風が入ってくる。やって来たのは2階に住んでいる我が師匠の娘さんに、居候の男の子。男の子の方は少々油断ならないところがあるが、彼女と共に来店してきたということは今日のお昼はここで済ませるつもりらしい。先生はどこかへお出かけなのだろう。
彼らは僕ともう1人の先輩店員に対してとても気さくに話してくれる。今日も、昨日学校であったことや友人の面白い話などをして皆で盛り上がっている。僕は時々口を挟みながらその様子を眺めていた。
彼らが笑っている姿はとても微笑ましく、穢れなんて知らない美しさを感じた。
この日常だけは、何としてでも守ってみせる。
僕は改めてそう誓った。
#ずっとこのまま
朝はやくから愛犬がご飯の催促で起こしてくる
猫はトイレの掃除を早くしてとアピールしてくる
急いでそれらの事をし、
家の掃除に取り掛かり、
終われば仕事を夕方までし、
また、犬と猫にご飯をあげ
夕飯の支度をし
主人が帰ってくるのをまつ
ごくごく普通の事だが
私には贅沢な毎日でいつかバチが当たるのではと思ってしまう
ブランド物や、金品はいらない
ただこの毎日がずっとこのまま続いてほしい
学生でいると、ずっとこのまま日々が続けばいいのに、と思う。僕は中学二年生で、今年は受験をひかえている。一応、どこの高校に行きたいかはある。けれど僕の頭で行ける自信がない。いつまでも中2でいられれば、いい。ずっとこのまま、学生という毎日を続けていたい。そんな叶わない夢を抱く。そんな中2は、二十歳となった。いざ大人になってしまえば、ずっとこのままがいいなんて思わない。
学生諸君、今ある日々はずっと続かない。その青春を大事に抱け。
大人達よ、ずっとこのままがいいと思うほど、大切な時間を見つけろ。
それが、僕からのお節介な助言だ。
叶わぬと知っているからこそ願う
あなたと二人 ずっとこのまま
【ずっとこのまま】
穏やかな薫風が髪を撫でる。
白樺の木の家が良く似合う丘の片隅で眠る。
とても小さな小屋だけど、安心感は何よりも大きいこの小屋で、心休まる安らぎの時間を過ごす。
嗚呼、ずっとこのままがいいのになぁ。
子供たちの燥ぐ声と大人の抑止の声が薄らと聞こえるので、どれだけ燥いでいるかが良く分かる。
元気なら良いのだ。きっと。
もう少しでお昼になる。
ご飯つくらなくちゃいけないなぁ。
#ずっとこのまま
おはよう、と微笑みながら彼女がこちらを見ている。彼女に朝の挨拶を返すと、彼女はふっと真顔になってシーツを被り、目元しか見えなくしてしまう。
「どうした」
何かやってしまったか、とは思うものの、心当たりはない。こちらはたった四文字のことばを発しただけなのだ。彼女とオレとは、定型文すら気軽に言えない仲ではなかったはずなのだが──。
「……どうしたってほどのことじゃないんだけど」
彼女はどこか決まりが悪そうな声色で、オレが彼女に何か悪いことをしたわけでは決してない、というようなことを柔らかく説明した後で、小さく零した。
「……なんか、そんな……昨日は何もなかったです、みたいな表情見たら、急にこっちが恥ずかしくなってきちゃって……」
具体的にそれはどんな表情か、と彼女に尋ねれば律儀な彼女は口元までシーツを下げ、考えながら口を開いた。
「……こう、淡々とした表情っていうか……とにかく、いつも通りなんだもん……朝、同じベッドで起きて、顔見て、どきどきしちゃったのは私だけみたいな気持ちになって……」
「そうか」
「そう」
ごめんね、とささやく彼女を抱き寄せる。
「確かにオレはお前と同じことは考えていなかった」
話を続けるものの、意識の大部分は吸い込むとどこか胸が高鳴る心持ちにさせられる彼女の髪の香りに占められる。
「……だが、今しばらくはこうして怠惰に過ごしたいと思ってはいる」
「……そうなの?」
「そうだ」
「じゃあ、もうちょっとだらだらしよっか」
「ああ」
それから、二人でシーツに包まりながら、他愛もない話をして過ごす。二人して空腹が限界になれば流石に動くだろうが、それはまだ先の話だ。
「髪、指でくるくるするの好きなの?」
「嫌か」
「ううん、いつもするな、って」
「指通りがいいから飽きがこない」
「そっか。ふふ……」
「そちらもよく頬を指でつついてくるが」
「柔らかくてクセになるんだもん」
「そうか……そうか?」
こうして、どことなく気怠げな朝の彼女を独占できる日々が続けばいい──ずっとこのまま。
「ずっとこのまま」
そういられたら
どんなに良いか
しかしすぐ
崖に落ちるかもしれない
私はいつも怯えている
すぐそばにいるあなたの
服の裾をギュッと握って
離さない
それが私のささやかな抵抗
【ずっとこのまま】
ずっとこのまま貴方の香りに沈んでいたい
貴方の記憶として居たい
膝の上に乗っている君の頭をナデナデ。
丸まったお尻もサスサス。
プニプニの肉球をモミモミ。
はあ、癒やされる〜。
大きく上下した腹に顔を埋めて、顔面に当る毛を楽しむ。
ワシャワシャだあ〜。
刹那、君の強烈な蹴りが、こめかみに直撃。
テーマ「ずっとこのまま」
気づいてた。
もうキミは、あたしのことに興味ないんだってこと。分かってても知らないフリしてたの。だってあたしは今でもキミのこと好きだから。
あたしの気持ちを知ってか知らずか分からないけど、近頃キミはあの子とよく一緒にいるようになった。その現場をよく見かける。細くて綺麗で髪が長いあの子。正直、あたしなんかよりもずっとお似合いだと思うよ。きっと周りの誰もがそう思ってる。ここまで詰められたらもう、あたしがお別れを言うしかないじゃない。もしかしてキミはそうなるように仕組んでたの?ほんとはもっとずっと前から、あたしからバイバイしたかった?知りたいけど、聞く勇気がない。さよならをする決心で残ってたちっぽけな勇気を使い果たしてしまったから。
それでも情けない話まだ揺らいでる。キミをここへ呼び出して、待つ今この時間も心はぐらぐらしっぱなし。私がさよなら言わなければずっとこのままなのに。でもそれじゃダメだっていう気持ちと、キミがもう一度あたしのことを見つめてくれないかっていうものすごい低い確率の展開を願う気持ちがせめぎ合ってる。苦しいよ、この気持ち。楽になるにはどうしたらいいの。別れをとるしか、道はないの?
席替えで奇跡が起こった。
大好きな貴方が私の前の席。
名前も知らない私に話しかけてくれた。
そんな優しい貴方が大好きです。
他の誰でもなく、貴方だから。嬉しかったんです。
都合の良い勘違いをしてしまうから、これ以上は優しくしないで。なんて思ったりして。
でもすごく幸せな時間だった。
出来ることならずっとこのままがいい。
「ずっとこのまま一緒にいたい、だって!照れちゃうよね」
隣に座った妹がドラマを見ながらそんなことを言う。
今まさに、主演の男が女の子に思いを伝える見せ場が放映されている。
この2人はすれ違いを経てこの場面にいきついたらしい。
抱きしめあって、もう離れたくないんだ、なんて。
ずっとこのまま一緒にいたい
こんなに不明瞭な言葉が告白でいいのか。
ずっとって何年?もしかして死ぬまで?
このままって状態が変わらないこと?抱きしめあったままってこと?
一緒にいるって具体的に何?結婚?3組に1組が離婚を選択する制度に重きを置きすぎじゃない?
明日どちらかが死ぬかもしれないのに。
もちろんこんな言葉は楽しそうにドラマを見ている妹には伝えない。
久しぶりに帰国して、最初は俺を特別扱いしてたのに、2日も経てば俺がいることが日常になり、洗面所の取り合いをしたかと思えば、
「一緒にドラマ見よ〜、感想言い合いたいの〜」
なんて可愛い提案をしてきた妹の気分を損ねたくなんかない。
「こんな風に言葉にしてくれるのっていいよね。言われるのってどんな気持ちなんだろ」
無邪気な妹が俺には眩しい。
でも、お前も知ってるはずだろ?死は案外身近にあるものだって。
〝このまま〟なんて。
変わらない日常なんてなくて、変化は突然やってくるものだって。
だから、俺は未来の約束はしたくない。希望を込めた思いほど、簡単に言葉にするのは恐い。
同じ悲痛を味わったはずなのに妹はどうして未来の約束を好意的に捉えられるのか。
「お前は前向きだよな」
しまった。もっと明るく言うはずだったのに、妬ましげな声音になってしまった。
ちらりと妹を見ると、にんまりと笑ってこちらを見ている。
「お兄ちゃんは可愛いなー。私だって変わらないものがあるなんて、思ってないよ。」
今度はどこか得意げに言う。
相変わらず表情が豊かだ。
「可愛いって。それはお前だろ。楽しそうにドラマ見てて、そんなふうに見てもらえたらドラマつくった人も喜ぶだろうよ。」
なんとなく、自分が考えていたことを悟られたような気がしてあえてずれた回答をしてみる。
「わかってるよ。ずっとこのままがいきなり終わることがあるって。どうしようもないことってあるもんね。
でも、それでもため込んだ思いが溢れて言葉にするしかない、伝えたいってのがステキなんじゃん!」
驚いた。
俺が考えていたようなことを妹も考えつつも、そんなところへ着地するなんて。
「お前は本当にすごいな。思いが溢れるっていい言葉だな」
「そうだよー。言葉にするのって恐いときもあるけど、やっぱり言わなきゃ伝わらないもんね。だから言うよ、お兄ちゃんとドラマ見れて私は嬉しいよ」
楽しそうに可愛い妹が言ってくる。
こんな言葉なら、いくらだって言ってもらいたい。
俺にも言葉で相手を嬉しい気持ちにさせることができるだろうか。
手始めにお前は俺にとってずっと変わらず可愛い妹だと伝えてみようか。
【ずっとこのまま】
窓の向こうでザアザアと音を立てて雨が降っている。放課後の教室、傘がないからなんて言って君と二人きり雨が止むのを待っていた。
会話なんてまともに続かないけれど、君がすぐ隣にいる、ただそれだけで僕の心臓はうるさいくらいに鳴り響く。ああ、ずっとこのまま、雨なんて止まなければいいのに。
通学カバンの一番底に隠し込んだ折り畳み傘をギュッと握りしめて、そんなことを祈った。
#ずっとこのまま
「ずっとこのままでいられたらいいなー」
高校の屋上で、みんなに見つからないように手を繋ぎながら彼は私を見つめた。
「バッカじゃないの。手を繋いで帰ったら付き合ってるってバレるじゃない」
「はは…いや、そう言うことじゃなくてさ」
高校二年の時、彼ーー陽輝と付き合い始めた。『不純異性交遊禁止』の校則があり、私は彼との付き合いを隠しながら高校生活を送ったが、それでも二人の時間は楽しかった。
実は私もこの時、ずっとこのままでいられたらいいな、とは思ったけどそんなことは恥ずかしくて言えない。
代わりに『恥ずかしいことを平然と言うやつだよね、陽輝は』と言い返すのが精一杯だった。同級生なのにいつも彼は落ち着いていて私より大人びている。
精神年齢は女子の方が上のはずなのに、といつも余裕な陽輝を少し恨めしく思ったりもした。
それから、15年が過ぎた。
「陽輝邪魔っ!」
「痛っ! 蹴るなよ~」
「朝は戦いなのよ。文句あるならあなた保育園送ってく?」
「ごめん、それは時間的に無理…」
「じゃあどきなさいっ」
母強し。その例に漏れず、私は強くなった。陽輝との関係も昔のように甘酸っぱいものから、同じミッションをこなす戦友へ。
時々あの屋上の言葉を思い出す。でも、時間が経てば関係も変わって当然だ。『ずっとこのままで』あるはずがない。それがいいとも今は思わない。
けど、陽輝は少し違うかもしれない、と時々思うことがある。
仕事の終わりが大体同じくらいになったときは、一緒に夜の買い物をしてからお迎えにいく(買い物袋は保育園の手前で隠す)のが我が家の日課なのだが、時々陽輝はこんなことを言うのだ。
「手、繋ぐ?」
「スマホ持てないからパス」
「ですよねー」
手を繋ぐその先のことも殆ど致さなくなって随分経つ。けど彼は未だに手なんか繋ごうとする。
陽輝、私たちもう夫婦なんだよ、しかも10年ぐらい経過したベテランの。
少し残念そうにする陽輝の横顔を見ながら、面白いやつと結婚したなと私は笑った。
それから更に50年が経過した。
「まあ、いつかはこうなるよね。平均寿命だって、私の方が長いんだし」
陽輝が入院するベッドの横で、私は外を見ながら、先ほど医者が言ったことを反芻していた。
まあなんだ、パッとまとめると、陽輝はもう助からない。間質性肺炎というのはそういう病気だそうだ。
酸素マスクを付けて、苦しそうに呼吸をしているが、まだ意識のある陽輝が目を覚ましてこちらへ手を伸ばす。
「手…繋がない?」
「意外と元気じゃない」
仕方ないなと私が手をとると、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「高校の頃の願い、叶ったな」
「どういうこと?」
多分あの屋上の日のことを指しているのだろう。朦朧としていて過去の夢でもみているのかしら。
ずっとこのままでいることは出来ない。甘酸っぱいあの頃の二人はもういない。
子育ての戦友から、終わりを待つ日々を過ごす同士、そして今は送る者と送られる者の二人だ。
「…だってずっと君のそばにいること、できただろう」
「そっちの意味だったのね」
「?」
陽輝は一瞬不思議そうな顔をしたあと、また満足そうな微笑みに戻って目を閉じた。
ずっとこのまま
今、私は、愛する彼氏兼未来の旦那様と同棲をしている。毎日が幸せで、楽しくて、嬉しくて、ワクワクドキドキして…貴方は、私にとってかけがえのないたった一人の運命の人。貴方は、私と長く一緒にいるから、私が例え、何も言わなくても、私が今何が欲しのか、どんな言葉が欲しいのか、何をして欲しいのかとか、全て把握してくれてる。だから、例え、私が無言になってても、貴方は、私が何を求めてるのかを察して、実践してくれる。人生100年とも言われるこの時代に、私は、この先も、ずっとこのまま、貴方の隣にいたいのです。貴方が約束してくれた今年の結婚も、早くしたくて仕方無いのです。この先も、ずっとこのまま、貴方だけが私の恋人兼未来の旦那様です。一生愛し続けます♡だから、これからも末永く、二人の軌跡を残しましょう。
必要のなさそうなリニューアルをする商品をちょくちょく見かける。
例えば洗濯用洗剤。
現状で満足の固定ユーザーがいるのに、成分や香りをリニューアルしたという名目で定期的にパッケージや名前をちょこっと変えてくる。
結局、汚れ落ちは誤差の範囲であることが多く、香りが変わったことにショックを受けた人の口コミが並んでいたりする。
香りも例えば、洗いたてのシーツの日向の香り、とか、朝露を含んだ白百合の香り、みたいなひねった名前になっていて字面からは想像もできない。
それでいて好みではない匂いだとがっかりくる。
全然詳しくないが、あれはマーケティング戦略なのだろうか。
新発売の広告で新規ユーザーを獲得して、その人たちが慣れたころにまた変えるとか。新しいボトルを買ってもらうためとか(詰め替え用だけ買って古い容器に入れる人もいそうだが)。
賢い人たちの考えることはよく分からない。
『ずっとこのまま』
遠くない景色を見たのです
青く光る残像の その先の景色を
手を伸ばせば届きそうなのに どうしても
僕たちはずっとここから
足が竦んで
胸が傷んで
苦しんで
きっとあの人にはどうでもいいことで
僕達はずっと ずっと
ずっと前から分かっていたことなのに
僕はずっと ここから動けないのです
ずっとこのまま_17
ある時 私は教授になった。
ある時 俺は優等生になった。
ある時 僕は虫になった。
恋をして 青春を謳歌して 空を飛んだ。
苦しくて 辛くて 楽しくて
気持ち良くて 嬉しくて たまらなかった。
だが それも表面的なものであることには
変わりなかった。
あの世界に入り込んでいる時だけ
その時だけは 何にも縛られずに済んだ。
時間だけは止まらずに進む現実。
それが余計に私を苦しめた。
だから ずっとこのまま
本の中に閉じこもって
現実から目を背けていたい。
【ずっとこのまま】
永遠に同じ時間が続くのって、たとえ楽しい時間であっても絶対キツい
それを分かっていても、《ずっとこのまま》を願ってしまう
人間っておかしい