『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
握った手を中心にくるり180度。
お互いの位置を入れ替えて、やっとわかる事もあった。
もう一度くるり。
少しだけなにかが変わって、ほぼ元通りに戻ってこれた。
手を取り歩み寄るのが怖い時もあるけれど。
まるであさっての方向に離れていくのはもっと嫌。
2
カーテンレールの上で渋滞を作る猫みたいに
柔軟さと超バランスで強引に乗り越えられたら
なにも気にせずにくっついてぬくぬくと
「すれ違い」
すれ違い
敢えてすれ違いましょう
トラブル回避
これが一番。
何をしても無駄と知っているから
人生を勿体ないものにしたくないよね
敢えてすれ違いましょう
トラブル回避
これが一番。
きっと、他の人から見たら
いいお父さんなのかもしれない
そこそこ裕福な家庭で
贅沢してるって
思われるのかもしれない
でも実際家族の立場になってみろ
そんなこと欠片も思わなくなるから。
お母さんと私しかやらない家事
本人は自覚は無いんだろうけど
俺は仕事で疲れてる
女が家事をやるんだ思考
少し掃除しただけで家事をやったと思い込んでる
でも実際は
食べたものは一生やりっ放しの癖して
弟が食後スマホをいじり始めるとすぐ怒る
自分は部屋も身の回りも片さなくせに
弟が片さなかったら怒る
私には少ししか言わないのは
知らない。
ただ今すぐにでも殺してやろうかなんて考えてる
自分に夢がない、あとは死ぬだけのしがらみなら
今。殺してた。
「老害よ。ただの老害なんだから、
スルーしなさい。貴方が牙を剥く必要は無いの」
【うちは母しか勝たん】
あの店で目が合った時はあの子に似ていると思った。でもあの子もいるから無理だと思って諦めた。けどその翌日同じ店に足を運んだ。その時はあの子はいなかった。「…もういないんだ」すれ違う運命だったんだ。落ち込んだ。なぜあの時攫わなかったのかと激しく後悔して仕事も手につかなかった。
すれ違ってしまった1週間後再び相見えるとは。気づいたら「この子を下さい!」と叫んだ。これがモルモット「小次郎」との出会いである。
言葉も出会い方も終末のすれ違った。ただそれだけの事気にもとめてなかった。間違えたな、コイツ今ミスったな、とか思ったけど特に意識もしてなかった。無自覚のすれ違いだったからだ。コイツが死んでも特に何も思わなかった、そういやこういうやつだったな、コイツらしい死に方だな、とかそれくらい。
でも自分が自分らしい死に方を走馬灯を見た時、ふとコイツが浮かんでしまった。こうすれば良かったのにな。って。
目の前で笑ってるコイツは今どう思ってるのか。そうやってまたすれ違ってしまう。
「学園一の美少女は平穏を望む」
クラスの女子たちが歓声をあげる。
校庭で男子たちがサッカーをしていて、彼がゴールを決めたのだろう。
今すぐ窓に駆け寄りたいのを堪える。
「やっぱ、王子かっこいー!」
『王子』というのは彼のあだ名だ。
生粋の日本人で庶民なのに、なぜかそう呼ばれている。
彼の活躍に湧くクラスメイトとは対照的に、自分の席に座り本を読んでいる私。
それを見て、友人はため息をついた。
「ほんと『王子』に興味ないのね。勿体無い」
そして、このあと言うことは、誰も、いつも同じ。
「二人並べば美男美女で絵になるのに」
私は図書室に行くからと席を立ち、廊下に出た。
学園一のイケメンでサッカー部のエース。性格も良く、友人も多い。しかも成績優秀で東大現役合格も夢ではない、と言われている彼。
そんな男女共に人気ナンバーワンの『王子』に、私はまったく興味がない──ということになっている。
図書室のある別館へと続く渡り廊下に出ると、ひんやりとした空気に気持ちも引き締まるような気がした。
窓から見えるのは、澄んだ青い空。
向こうから、彼が歩いてくるのが見えた。
珍しくひとりだ。
一歩、二歩、三歩……
だんだんと近づいていき、目を合わすことなくすれ違い、遠ざかっていく。
平穏な学園生活を維持するため、高校では他人のフリをする。
それが、私が彼と交わした約束だ。
────すれ違い
歯車が一つずれるだけで、噛み合わないすれ違いの日々
私の本当に伝えたいことは、私のせいでつたわらない
もどかしい思いを抱えながらも、日は上り、そして沈んでいく
私は一体、何がしたいのだろうか
自分がどんどん嫌いになっていく
すれ違いに君と目が合う
お互いに駆け寄る
今日も君に会えた
君をなでくりまわしたい
でも君は気まぐれだから
私の手をかじるから
優しくゆっくりなでるよ
もう、君の元へ帰ることはないから
安心してくれていいよ。
当てつけのように言葉を紡がなくていいよ。
『すれ違い』
あなたから見る視点と
こっちから見る視点は
別々だ
別の捉え方をして、別の感情を抱いて
すれ違いが始まる
そのすれ違いが私たちを遠ざける
『すれ違い』
私はあなたが大好きだったのに。
いつからこうなったんだろう。
わかってる。私が冷たくしたからだよね。
でも違うんだよ。好きだから素直になれなかった。
言い訳なんてもう通用しないけどね。帰ってきてよ、、
「すれ違い、スレ違い。ゴマ『すれ』って言ってるのか機密情報入りUSBスって来いって話なのか。
距離ですれ違ったか心理的にすれ違ったか、言葉の意味が違ったって『すれ違い』もあるわな」
あとはなんだ。「すれ違い通信」?某所在住物書きは去年投稿分を確認しながら、ため息をひとつ。
去年は「スーパーですれ違った職場の先輩が、後輩のためにハロウィンスイーツの下見に来ていた」の話だった。 では今年は?
「……『すれ違いの心理学』?」
突然ぽつり。物語のネタがあまりにも思い浮かばないので、本棚の所蔵タイトルに「すれ違い」をつけて遊び始めたのだ――「すれ違いの戦略図鑑」など、なんとあざとい香りのすることか。
「『すれ違いは酒のつまみ』……?」
意外と面白い。物書きは執筆そっしのけで……
――――――
「すれ違いの喫茶店」。なかなかエモい言葉です。
今回はこの「すれ違い」で、物書きがおはなしをひとつ、お届けします。
最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。某稲荷神社敷地内の一軒家に、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしており、
そのうち末っ子の子狐は、善き化け狐、偉大な御狐となるべく、絶賛修行中。
その日は昨日の暑さが嘘のように、突然気温がストンと落ちましたので、くしゅん、くしゅん!
子狐コンコン、朝は寒さで起きたのでした。
「かかさん。かかさん、さむいね」
修行で貯めた白銅貨の100円玉と、新人柴さんの1000円札をお財布に入れて、コンコン子狐、お母さん狐にペロペロ甘えます。
「かかさん、さむいから、魔女のおばちゃんの喫茶店で、あったかいスープもらってきてあげる」
こんな寒い朝に、子狐の大好きな母狐は、ごはんの準備なんかしたくないに違いありません。
コンコン子狐は純粋で尊い思いやりの心から、母狐のために美味しい美味しいスープを、テイクアウトしてくることにしたのでした。
母狐は遠い遠い北国から嫁いできたので、東京の秋くらいへっちゃら。なんともありません。
でも子狐の優しい「すれ違い」が嬉しかったので、子狐のやりたいように、させてやりました。
「車と悪い人間に気を付けて行ってくるのですよ」
子狐コンコン、人間にしっかり化けて、稲荷神社から人間の世界に出てゆきます。
子狐コンコン、かわいい狐耳も狐尻尾もぜんぶ隠して、人間の世界に出てゆきます。
人通りの少ない路地を抜けて、子狐が辿り着いたのは、去年東京に越してきた魔女のおばあさんの喫茶店。大釜で煮込む月替りスープが絶品です。
今月はカブのスープだったかしら。
「おばちゃん!おはよーございます!」
コンコン子狐、本当はお店に一番乗りしたかったのですが、その日は既に数人の、人間のお客様がご来店。子狐は15番乗りくらいでした。
「おばちゃん、あったかいカブのスープ、このお鍋にいっぱいいっぱいください!」
葉っぱじゃないお金も、ちゃんとあります。子狐はお家から持ってきた保温機能付きのお鍋をおばあちゃんに掲げて、元気いっぱい、言いました。
「あら子狐ちゃん。いらっしゃい」
ところで魔女のおばあちゃん。なんだか困った顔をしています。どうしたのでしょう。
「カブのスープは昨日で終わってしまったの」
今日からはこっち。10月31日まで限定の、パンプキンスープよ。魔女のおばあちゃん、大釜のフタを開けて、子狐にスープを見せてやりました。
「残ってたカブのスープも、ついさっき注文で出てしまったわ。ごめんなさいね」
「すれ違いデーだ!」
「『すれ違いデー』?なぁに、それ?」
「キツネ、お客さんから聞いた。おばちゃんのお店、月に1回、すれ違いデーがある」
「そんなの私、設定してないわよ」
「だって、お客さん言った」
「不思議ねぇ」
「だれか、なにか、どこか。ゼッタイすれ違うの。
きっと今日だったんだ。だからお客さん、朝からこんなにいっぱい、いっぱい居るんだ」
「うーん。不思議ねぇ……」
ウチの大金ダイスキーなジンジャーとウルシが、また何か妙なことを企んでるのかしら。
魔女のおばあちゃん、子狐より大きな手で子狐から鍋を受け取りまして、大釜からスープをたっぷり、ちょっとオマケして入れてやります。
「子狐ちゃん」
魔女のおばあちゃん、言いました。
「使い魔猫のジンジャーとウルシを見かけたら、『話がある』って伝えておいてくれる?」
あったかスープのお鍋を抱えて、幸せそうにコンコン子狐、お家に帰ってゆきました。
「すれ違い」のお題のとおり、魔女のおばあちゃんに言われた「使い魔猫」とは、ガッツリしっかり道路違いで、すれ違いましたとさ。
すれ違い
とかけまして
部屋の内装
と解きます
その心は
そこにクロスがあるでしょう
#すれ違い
すれ違い
人間関係がほとんどないからすれ違いとはあまり縁がないな。なのでこのお題でなにか書くことは難しい。
それにしても昨日は暑かった。昼間は30度で夜も割りと暑くて昼から夕方まではエアコンつけちゃったよ。
それに比べて今日はやたらと涼しいな。涼しいというかむしろ寒い。寒暖差がえぐくて風邪引きそう。
この寒さは秋じゃなくて冬を感じる。そろそろ扇風機を片付けてもいいかもな。
すれ違いって、
すごく近い距離で使う言葉
彼とすれ違うのは、
廊下の端と端
階段の端と端
教室や体育館のすみっこ
すれ違いなんて言葉も使えない距離
でも、いつでも、
探さずにはいられない
私だけの「すれ違い」
せずにはいられないの、
たった一人、彼だけは
#すれ違い
30年以上一緒にいてもたった一言だけ
ですれ違う。
夫婦なんてそんなもの。
たった一言でまだ同じ方向を歩って行
ける。
夫婦なんてその繰り返しだ。
「遠くにいても」
高校二年生の蒼(あおい)と悠真(ゆうま)は幼稚園からの幼馴染。どんな時も一緒にいて、苦しいことも楽しいことも共有してきた。お互いがいるのが当たり前の存在。しかし、高校に進学してから二人の関係に少しずつ距離が生まれ始める。蒼は陸上部で全国大会を目指し、悠真はバンド活動に夢中。二人はそれぞれの夢に向かって走り出すが、次第にすれ違い、話すことも少なくなっていく。
蒼はある日、練習中にケガをしてしまう。夢の全国大会が危うくなり、焦りや不安で心がいっぱいになる。しかし、その時一番頼りたい悠真とはほとんど連絡を取らなくなっていた。自分の弱さを見せたくない蒼は、ますます心を閉ざしてしまう。
一方、悠真はバンドのメンバーとの関係が上手くいかず、悩んでいた。バンドの夢を追う中で、仲間との衝突や音楽の方向性に迷いが生じていたが、蒼とは最近話す機会がなく、自分の悩みを相談できる相手もいないと感じていた。
そんな中、高校最後の文化祭が近づく。悠真のバンドがメインイベントとして出演することが決まったが、緊張と不安で思うように演奏ができない。蒼も文化祭での陸上部のパフォーマンスを控えていたが、ケガの影響で出場できるかどうか分からない状況だった。
文化祭当日、蒼は悩んだ末に悠真のバンド演奏を見に行くことを決心する。演奏中の悠真を見て、彼がどれだけ本気で音楽に向き合っているのかを初めて実感する。そして、悠真もまた、客席に蒼がいることに気づき、彼の存在が自分にとってどれほど大きかったのかを再認識する。
演奏後、二人はようやく言葉を交わす。これまでのすれ違いや、お互いに支え合えなかったことへの後悔を伝え合いながら、それでも友情が続いていることを確かめ合う。「夢に向かう中で、すれ違うこともあるけど、それでも友達であることは変わらない」。二人の友情がさらに深まる瞬間、読者に感動を与えるクライマックスとなる。
最後には、蒼がケガを乗り越えて陸上部の大会に出場し、悠真が音楽の夢を追い続ける姿が描かれ、二人はそれぞれの道を進むが、遠くにいても友情が続いていることが暗示されて物語は終わる。
あ 醤油だよ
い 昔からソースでしょ
あ いやいや…
い 絶対だし!
あ ふむ…
い …
あ 黄身は半熟マスト
い あ、それゆずれない!
あ …ふっ
い ふふふ
『すれ違い』
いつしか、貴方と僕はすれちがっていた。
まるで、最初から離れていたように──。
「いつか」「また今度」
今後を約束した言葉はもう叶えられない。
僕たちは、互いの描く絵に惹かれあって付き合い始めた。遊園地に行こうとか、喫茶店行こうとか。一緒に絵を描きたいね、とも言っていたっけ。
些細なことだけどやってみたいと思っていたことが、全てが泡沫のように消えていく。
「ごめんね、好きな人が出来ちゃって…」
と熱っぽい、申し訳なさ故の潤んだ目をして僕に告げた。その頃には僕は彼女の絵だけではなく、性格までも、全てが好きになっていた。
結婚式の日。彼女の隣には知らない男性が一人。
これから先、貴方以上に好きになる人はいないのにと心の中で呟きながら、いつしかのあの子と目が合ったような気がして咄嗟に含羞んだ。
すれ違い、仲直りし、次第に交わる。それが少女漫画の掟みたいなものなのに。
そう思い、僕はゆっくりと執筆し始める。いっそ誰かに呼んでもらえれば報われるような、そんな気がしていた。
僕がいくら貴方を心から愛していたということを文字に起こしたって、絵に描いたって、ただ虚しくなるだけなのに。だって、もう二度と貴方に辿り着くことは出来ないのだから。
いつかの彼女の微笑みを思い出す。
振り返っても誰もいない。貴方の付けていたムスキーノートな香りだけがほんのりと部屋に残っているだけだった。
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お題:すれ違い
続けて自己紹介をさせていただきます。
はじめまして、透月燈(すきづきあかり)と申します。
実話なのか、それとも幻想の話なのか、はたまた混合した話なのか。そんなちょっぴり不思議なお話を投稿していけたらと思っています。
学生なので拙い文章ではありますが、あたたかい目でご覧頂ければ幸いです。
“すれ違い”も愛おしかった。ちょっと言葉が伝わらないのも、不器用な君の可愛さだと思った。ちょっと頭の悪いところが、言葉の拙いところがかわいかった。
それが積りに積もり、どこか堪忍袋の尾が切れた時悟った。なぜこんなにも“すれ違い”をしているのだろうか?と。もっと的確に物事を話してくれ、もっと簡潔にまとめてくれ、私のいう意味を理解し、それに沿った対応を取ってくれ。いつのまにか、君を好きになった部分が、君を嫌う理由になってしまっていたのだ。
わたしは、君の愛に、胡座をかきすぎたのだろうか。いや、むしろもう、君からの愛なんていらない。そうすればお互いに本当の、しあわせを掴めるのだろう。
このまま“すれ違い”を迎え、さようならをしよう