『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『すれ違い』
朝の訪れとともに背中合わせに眠る君に口づけを落としてから部屋を出る。眠りに落ちているのかそれとも気づいているのかわからないけれど、寝床を共にしていることを君がここを拠り所だと思っている根拠だとして、それをよすがに今日も君のことを好きでいていい理由にしている。
夜の訪れとともに目が覚めると背中合わせにやつがぐうすか寝ているのを発見する。私のどこに安心してそんなにも無防備に寝ていられるのだろう。やろうと思えばいつでもやれるそいつの鼻を少し摘んで息が乱れるのを見届けてから部屋を出る。安心して寝ていられたのはこちらもそうなのかと気づいて、ひとり笑って歩き出した。
私ちゃんとお薬飲んでたのに
こうなったの、ごめんね
想いのすれ違いで起こった、ワタシとアナタのスレチガイ。
それが何より辛いです。
言葉を交わしてるのに
目は合わない。
そんな君が嫌いだ。
メッセージを送っても
既読無視か
五文字以内の返信が基本の
君が好きじゃない。
いつも僕だけが浮かれてるような
そんな関係がいつか変わって欲しいと思う。
だってすれ違いざまに笑う君が好きだから。
─────『すれ違い』
私から言い出した朝の散歩だったけど、二人してずいぶん長いこと歩いていた。なんの予定もない休日に、何も決めずに外出する、自由でしょ。
「ノープランの逃避行…かな」
少し早めのお昼は駅の近くのパスタ屋さんに入った。座って話し始めたら、ナオが言ってきた。
「逃避行って何から逃げてるの?悪いことしてないよ」
私は反論する。
「休日だし、逃げると言ったら現実逃避でしょ」
別に逃げたい現実なんてないけどな。仕事だって楽しいし、お休みの時間もナオと一緒ならなんでもできるって思う。
「ナオは、仕事とかから逃げたいって思う?」
“とか”のニュアンスに保険を張ってしまった。
「あー、お客さんと上手くいかなかったりするとね。営業やってると、人を見て言葉遣いが変わる人とか、よく出会うし」
「あー、それわかるかも。あたしは見た目 振り切ってるから、どう見られてもしょうがないっていうか、この見た目が強みにもなるデザインの仕事やれてるけど、普通にこのカッコしてたら接客業ムリって思うもん」
誰に言われても自分のスタイルは変えたくない。そこが理解されない職場は確かにつらいかな。
「うん、カナデほど極端ではないけど、身長とか、性別とか、髪の色とか、そういうのでナメてくる大人はいるんだよね」
「そんなの自分じゃどうしようもないじゃん」
「そう、でもね、そういう偏見って必ず自分にもあるの」
そんなことない、って思いたい。
「例えば、街ですれ違った人が、『あっ、この人キレイ』とか『いい男だなぁ』とか思うのも、ベクトルは違うけど偏見なんだよ」
うー、そう言われると…。
「でもそういう美意識ってカナデのデザインの中には必ず表れてくるわけ。だから、それは必要なんだよ」
そう、なの、か。でもそれじゃ、
「でもそれじゃ、ナオはそのつらさから解放されないじゃん」
そう言ったタイミングで二人が頼んだパスタが運ばれてきた。
「そ。だからそういうときは…」
ナオはジェノベーゼをフォークに絡める。
「おいしいパスタを食べるのです」
たった一つのすれ違いで糸が切れてしまう世界をなんと呼べばいいのだろう。
一つや二つ、たった一桁のすれ違いなのに。
大切な人や何気ない日常を無くしてしまう人もいる。
「すれ違い」というものは、簡単なことで難しいことでもあるのだろうか。
起こしたくなくても起こってしまうものなのだろうか。
やはりこの世界を名前で呼ぶには、難しすぎる。
風見鶏が北を向いた
カラカラと鳴いた夜
時の悪戯キラキラと
星の瞬きまたいつか
会えるよと揺れる月
魔法は解けたはるか
彼方にあるサヨナラ
きっとねきっとだよ
『すれ違い』
人の怖さ
この世で1番怖いのは人だ人は簡単に生き物を殺す友達は親に3日ご飯が食べれなかった
地球を汚しまくり、また、食い散らかしている人間は、死んだら、全員、地獄行きだ!
『嗚呼!リリィベル!聖王カサブランカに対するその侮蔑!万死に値するだろう!』
『オーガスタ様…!いいえ、誓って!わたくしではありません!この白百合の紋章に誓って…決して!』
プラチナブロンドを振り乱しながら男の前に傅く女に、その男—オーガスタ卿は迷いのある声色で告げる。
『やはり”ブルーローズ”の言は誠であったか…』
その言葉に女—リリィはハッと顔を上げた。
『…オーガスタ様!会ったのですか?あの星読の娘と…!』
『リリィ…我が麗しの白百合よ。其方と見えるのは今日が終いとなろう』
その氷のような言葉に、リリィは顔を覆い嘆いた。
(嗚呼なんということ!あの娘に謀られた…!卿はわたくしの言葉など瑣末なものだと思うのね…)
バイオリンの旋律が最高潮に達し、彼女はその場に頽れ慟哭する—…。
「いや、どう考えたってこの女はシロだって分かるだろ」
少し温くなった発泡酒を片手に俺はぼやく。
「もう!静かにして!本当空気読めないな」
クッションを抱き抱えハラハラ行く末を見守っていた—怜が俺をギロリと睨んだ。
「つーかこの二人先週もウダウダしてなかったか?男の方が…」
「オーガスタ卿は、リリィとの身分の差に葛藤してるの!」
画面の向こう側では、惚れた腫れたと二人が押し問答を繰り広げている。
男は女からの愛の告白を聞き、何故か狼狽えている。先週あれだけ言い寄っていたにも関わらずだ。
「いや、どう見たって惚れてんだろこの女。男の方が偉いんだからさ、権力使って…」
分かってないなぁ!と怜は大袈裟に溜息をつき俺を小馬鹿にする。
「ヒロはさぁ、すぐくっ付いて”はい、めでたしめでたし”ってなるの、見たい?つまんないでしょ?彼女たちは真実の愛を手に入れようと頑張ってるの!それに、こういうのはすれ違えばすれ違うほど良いんだから!」
うっとりと能書を垂れる怜に俺は嘲笑混じりに告げる。
「どうでも良いけどさ、なんか頼もうや。腹減ってきた」
俺の呑気な提案に、怜とテレビの中の女—リリィが同時に叫んだ。
「『もう!朴念仁!』」
≪すれ違い≫
擬態するハッピーエンド
表面上は美しいもんだから
周りはその嘘に気づかない
だけどね
ほんとはね
ほつれた形ばかりのおままごと
この心が解離をはじめた今
私はあなたを捨てるわ
さっさと捨ててやるわ
あなたみたいに腐りきる前にね
すれ違い
もう2時間も待ち合わせ場所である
オブジェの前で待っている。
電話を掛けても繋がらない
彼女に何かあったのだろうか....
もう2時間も待ち合わせ場所で待ってるのに
彼が来ない 電話を掛けても話し中で
繋がらない もう私とのデートの日に
一体誰と話してるのよ!!
女友達とかだったら許さないからと
私は、頬を膨らませもう一度彼に電話を
掛ける。
僕は、彼女が心配でもう一度電話を掛ける
(やっぱり繋がらない....)
私は、僕は、ため息を吐く
この時 彼と彼女は、同じ所に居た
正確には、振り返れば すぐ側に....
オブジェの右側と左側
オブジェの前と後ろ
全く同じタイミングで電話を掛ける
気の合うカップル
気が合い過ぎて 何の神様の悪戯か
さっきからお互いがお互いに全く同じ
タイミングで電話を掛けているせいで
ずっと話し中のアナウンスが鳴り止まないのだ....
お二人さん あともうちょっとだよ!
ほら 電話にばかり気を取られてないで
お互い後ろを振り返って!!
気が合い過ぎて 中々出会えず
すれ違ってばかり居る残念なカップル
二人が出会えたのは、この30分後だったと言う....
ある意味 仲が良すぎるカップルだった...。
いいか、チャンスは一瞬だ。失敗は許されない
あいつのカバンに温泉まんじゅうを入れるのだ!
最近、鬱陶しいことがある。
「よ!元気か?あの人も」
「まぁ、な」
「最近は季節の変わり目だから、心配でさ。なんかか弱そうだろ」
「そう弱い人じゃない」
彼女との価値観のすれ違い、別れを告げたくない。
10年20年、俺が先に死ぬまで一生一緒にいたい。
たとえ喧嘩したり辛いことがあっても2人で乗り
越えていけばいい。お互い心の底から信頼してい
れば幸せの糧となる。
すれ違い
とある王国。国の面積は広大でそこに住む人々は裕福ではないが、畑を耕していれば食べる物には困らないくらいの生活ができる国でした。そんな王国の王妃さまが初めての出産を控えていたため、国中はどこかソワソワとして落ちつかない日々が続いていた春の日、王妃さまは可愛らしいお子様をお産みになった。
「オギャ〜。オギャ」
「オギャ。オギャ〜」
「2人なのか!」
王妃さまがお産みなられた赤ちゃんは双子でした。この国では双子は不幸の証とされ、忌み嫌われており、王様はさぞ驚き悲しみました。
「1人は殺してしまえ。私の子供は先に産まれた子供だけた。」
「あ、あなた。そんな!どちらも私たち子供です。殺すなんてしないで下さい。」
「黙れ!お前が双子など産むからだ。いいか、お前は1人しか産まなかった。国王としてこれは命令だ!もう1人はいない。」
王妃さまはどうしても2番に産まれた子供を殺すことができず、信頼できる古くからの自分の召使いに2番目の子供を預けることにしました。召使いは2番目の子供を自分の孫夫婦に託しました。孫夫婦は、長いこと旅をして、城下町から遠く遠く離れた小さな村に住むことにしたのです。
それから15年の時が流れました。王室に残った1番目の子供はたくましく、優しい性格の王子さまに育ちました。召使いの孫夫婦に預けられた子供は朗らかな笑顔の少女に成長しました。そう、2番目の子供は女の子だったのです。王室で育てば美しいドレスを着て、きらびやかで華やかな王女となったことでしよう。でも、田舎育ちの少女はどんな辛いことにも立ち向かえるくらいのたくましさを持ち、誰に対しても優しく慈悲深い人となったのです。
今日は王子さまのお誕生日。城下町では、王子さまのお誕生日パレードがあり、式典が開かれる日です。たくさんの人々が成長した王子さまを一目見ようと集まってきています。
あの少女は、今まで一度もパレードを観たことがありません。養父母に「城下町へは絶対に行ってはいけない」と言われていたからです。でも、16歳となる今日はこの国では成人の仲間入りとなる日です。少女は、自分の意思で幼馴染たちと初めて城下町にやって来たのです。
「へぇ〜。人が多いな〜」
「そうだね。にぎやか。」
「あっちにもお店があるよ。」
パーン。パカパーン。パーン。
ラッパの音が鳴りパレードが始まります。
早駆け足の馬を先頭に2頭立ての馬車が少女たちの前を通りかかろうとした時、強い風が吹き、少女の幼馴染の帽子が風に舞い上がります。少女は慌てて帽子を拾おうと道を歩き出し馬車の横に屈みます。馬車の窓から王子さまが少女を見ましたが、すぐに目線を上げました。少女は帽子に気を取られ馬車の中の王子さまを見ることはありませんでした。
双子とはいえ男と女、似ていない2人。
産まれた時以来会ったことのない2人。
馬車の中と外ですれ違った2人。
産まれたときは一緒。でも今は赤の他人。
2人が真実を知るのはまだ先のこと。その時に2人の本当の姿が見えるのかもしれません。どちらも優しいお子様方です。されど、魔物が住むと言われる王宮、何が起こるかは誰も知らないのです。
この国では双子は…。
すれ違い
ほんの些細なすれ違いで終わってしまう友情は本当の友情ではないのかもしれない。
(すれ違い)
聖書、キリスト教、多くの人が読み伝えあっています。言ったいわない、誤解、共感。一人を神とする。信じ合う。彼、彼ら。すれ違い。見つめ合い、キリストさんの伝えたかったことを探しているようす。
秋晴れの空の下
たまごのような真っ白な雲がふわり
ぼくらはすれ違い
言葉の殻を割ることなく
ただ静かに歩き去った
#すれ違い
容姿も性格も何もかも
私とあなたが同じ人間で
全く違う人だから
ほんの一瞬目を奪われた
『すれ違い』