わをん

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『すれ違い』

朝の訪れとともに背中合わせに眠る君に口づけを落としてから部屋を出る。眠りに落ちているのかそれとも気づいているのかわからないけれど、寝床を共にしていることを君がここを拠り所だと思っている根拠だとして、それをよすがに今日も君のことを好きでいていい理由にしている。
夜の訪れとともに目が覚めると背中合わせにやつがぐうすか寝ているのを発見する。私のどこに安心してそんなにも無防備に寝ていられるのだろう。やろうと思えばいつでもやれるそいつの鼻を少し摘んで息が乱れるのを見届けてから部屋を出る。安心して寝ていられたのはこちらもそうなのかと気づいて、ひとり笑って歩き出した。

10/20/2024, 1:12:10 AM