『こんな夢を見た』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
こんな夢を見た、
君「ねぇ起きてよっ!学校遅れる!」
俺「うぅ起きたくない...先行ってていーよ、」
君「ダメ!起きて!」
俺「分かったよぉ起きる、、ん?」
君「ん?」
俺「え、え?は?何で君ここいるん?」
君「いや何回チャイムならしても出てこないからさ、」
俺「いやいやいやいや、そういうときは先行ってていいんだよ?」
君「...一緒に登校したかったから、」
あーそういうことねーうん
俺「じゃぁすぐ準備するから外で待っててくれん?部屋が散らかり放題だから」
そこで目を覚ました
布団からおきあがっても誰もいない、(あたりまえ)
こんな夢を見た()
こんな夢を見た。
太陽がさんさん照って、あっつくて、汗びっしょびしょになりながら友達とだべって、アイス食べてた。こんなに暑いのに、外で友達みんなと一緒にお喋りして。これはまるで魔法みたいで、あっという間にアイスも食べ終わっちゃってた。
部活終わり。昼下がり。夏のこの時間帯が何気にいちばん好きな気もする。
友達とそのまま遊び行くとか迷ったけど、シャワー浴びたくてね。家に帰った。
玄関のドアを開ければ全身を撫でた冷気に、あ、お母さん、エアコンつけてから仕事行ってくれたんだなあって思った。
身体中の汗を流して、風呂をあがれば、独特の空気感が身を包んだ。髪の毛の水気をある程度切って、体ひとつ分まるまる覆うくらい大きいバスタオルを巻く。中学校時代の体操服の短パンを履いて、一昨年使っていたクラスTに袖を通す。三年間使い古したおかげで程よく体に馴染んだ短パン、そして、1-Bと書かれたクラスTは、動きやすくてお気に入りなの。
鼻歌交じりにドライヤーをコンセントにセットして、温風をかける。まだ湿ったセミロングが靡く姿を鏡越しに見ていた。スマホ片手にドライヤーをかけていれば、友達から「三時集合ね」のメッセージ。市営プールに行く約束の話だ。慣れた手つきで「了解!」と打てば、洗面台の傍らにスマホを置いて、髪を乾かすことに専念した。
時刻は二時。まだ家を出るには早かったから、リビングでスマホを弄っていた。ソファに寝そべって、ごろごろ。ちょっと、うとうとする。
なんだか、気配を感じた。ウチは玄関扉の横に磨りガラスの窓があるおうちなんだけどさ、そこで揺らめく影が見えたの。なんだか、その影に見覚えがあった。
宮川けい。近所にある孤児院のような施設出身の、四つ上の男の子。年端もいかないうちはふたりで遊んだり、他の子も混じえて遊んでたりした。まあ所謂、幼馴染だ。つんつんしてて素直じゃないけど、根はとても優しい人だった。年が上がるにつれて…私が中学生になってすぐくらいだったかな、二人してあまり顔合わせ無くなっちゃって、それから彼はどこかに行ってしまったけど。
…………本当は好きだった。彼のことが。好きだったと言うより今も好きだ。かっこよくて、ぶっきらぼうな言い方するけどでも言葉の端々に優しさが滲んでいて。大好きだった。
そんな彼のような影が…、というより、彼の影だ。彼の面影が数メートル先に見えている。よく目立つ金髪のツンツンヘアー。ポケットに乱雑に手を突っ込んでいるが、それも彼の癖だった。
朧気に映る影が、この上なく愛おしい。儚げで、すぐに消えてしまいそうな気がした。影が動く。去ってしまいそうな様子。居なくなってしまいそうな、もう二度と会えないような気がした。
会いたかったよ、会いたかった。どこにいたの、ほんとにさ、連絡先のひとつでも聞いとけばよかったよ。会いたかったんだよ待って。
靴も履かずに、裸足のまま駆け出す。陽の光に晒された地面は当たり前にあつい。外と家の中とで温度が違うせいで外に出た瞬間に感じた、もわっとした生ぬるさが体に浸透していく。それも気にならなかった。少し遠くに見えた彼の背。やっぱり彼だ、けいちゃんだ。少し大きくなった背、私はそっと抱きついた。
「けいちゃん」
昔はよく抱きついたりしていた。大好きだから〜なんて言って。今ではもう前のような可愛らしい理由じゃきかない。だってこうやって会話を交わすには久しぶりすぎる。私、来年から大学生なのに。彼なんてもう、成人しているのに。けれども、彼にどう思われようと、離してはいけない気がしたの。
彼は何も言わない。でも振り払わないということは、拒絶の意は彼にはない。少しの安堵と、やっぱりあの頃のガキンチョと寸分も変わらないだとか思われてるのかなっていう少しの不安と、やっぱり女とは思われていないのかなって悔しさを感じた。
無音の時がしばらく続く。彼の背にまわされた私の腕に、肌に、そっとなにかが触れたような気がした。あたたかい。外気温は高く窮屈さを感じる。そこに更に加わったあつさのはずなのに、嫌では無いあたたかさ。彼の手だった。その手は少し汗ばんでいて、そこにけいちゃんが居るんだという事実を実感させる。けいちゃんは、彼の根がそうであるように、まるで壊れ物でも扱うかのように、優しく、私の腕に触れていた。
「おう」
あの頃より少し低くなった声が聞こえた。相変わらずぶっきらぼうで、乱暴な感じの言い方だけど、やはり端々に優しさが溢れていた。思いが溢れる。止まらない、多分止められない。
「けいちゃん……私、けいちゃんの事ね、」
だいすき。
目を覚ます。寝てしまっていたみたい。寝惚け眼で手元のスマホを開けば、時刻は午後二時半。あれ、いつから寝てたんだろ……。
メッセージアプリの通知が届く。プールの約束をしていた友達からだった。あーそうだ、そうだった、あー…もう、こんな時間か……。
まだ開ききっていない目を擦り、重い体を起こす。ほんのちょっと頭がくらくらした。
…あーあ…夢じゃなくて本当に会えたならどれほど……。
うーん、だめだめ。どこにいるかも今じゃ分からない初恋の人を想う気持ちはさっさと胸の奥に秘めて、とにかく友達との予定を、楽しまなきゃ。頭をぽりぽり搔いて、着替えをしに自室に向かう為に立ち上がった。
「こんな夢を見た」
もう、いるはずのない君と
くたくたになるまで遊んだよ
君がずっとやりたがってたことも
沢山したんだよ。
夢だって分かってた
だから、覚めて欲しくなかった
いつも目が覚めて1番最初に考えるのは
君のことだったよ。
もし、貴方とまた会えるなら
2人が出会ったあの場所で、、、
「こんな夢を見た」
わたしは猫で、陽だまりでぬくぬくひなたぼっこ。
お気に入りのお散歩コースをとことこ歩くと、見知った顔のおばあちゃんがおやつをくれる。おばあちゃんがくれるおやつはいつも美味しいから、おやつのお礼になでなでさせてあげる。
それからまたとことこ歩いていつもの公園へ。
広い公園の片隅で、お友だちの猫とおしゃべりしてそれから一緒に遊ぶんだ。
【こんな夢を見た】猫になった夢
こんな夢を見たんだ。
脱稿して、書きたいものを全て書きあげて、嬉しくて、嬉しくて。
でも、その嬉しさの先に何があるのか知るのが怖い気がする。
「正夢になるのが怖くて」
大体正夢になるのは、見たことを忘れた夢。
その現状になってはっと思い出すことが多い。
「待ってこの状況、夢で見た」
「また〜??笑笑君よくそれ言うよね笑」
「だって!本当のことなんだもん〜!」
正夢になれと願ったことは正夢にはならなくて、
逆に正夢になるなと願ったことは正夢になる。
夢とは不思議なものだ。
この先どんな未来になるかなんて分からない。
まさか自分が道を踏み外すとは思ってもみなかった。
それに、また飛行機に乗ることももうないと思っていた
未来なんて不確定要素でしかないのだ
夢とは不思議なものだと思う。
その不確定な未来を確定なものにするために私たちに誰かが見せているのかそうでないのか分からないけれど
君と歩く。隣に君がいて、私はホッとして、落ち着いた。
幸せ。だけど、目が覚めると終わってしまった。
こんな夢だった。
昔の友人と再会する夢。でも会ったからといって、特別懐かしむわけでもない。夢の中ではごく日常的な感じで、自分も学生服を着ているから過去を振り返ってるだけだったり?
巨大な一輪車を漕いでいる夢。車輪がとてつもなく大きくて、街一帯を見下ろせるくらいの高さ。まるで展望台からの視点。だから下を見ると途端に怖くなってバランスが取れなくなる((゚□゚;))
以前に勤めた仕事に就いている夢。営業で住宅地を回っているんだけど、決まって天気が荒れている。雷で空がピカピカ光って、高い建物のそばに寄ろうとしている。
皆で海岸から海を見ている夢。何人かと一緒に眺めているのだけど、誰一人知らない。なぜ赤の他人と仲良く一緒にいるのかも不明。海岸の土は赤茶けていて、空もピンク色で夕焼けとも違う異様な色。
たいていの夢は記憶には残っておらず、覚えている範囲でこれくらいですf(^_^;
こんな夢を見た
君がどこかへ行ってしまう夢。
何気ない会話の中、君はふらりと飛び出して。
追いかけても、追いかけても、追いつけなくて。
そのまま、どこかへ消えてしまう夢。
お願いだから、どうか、行かないで。
テーマ:『こんな夢を見た』
黒の下地にこれでもかとカラフルな塗装を施したハイカラな建物には、大きな看板にこれまたサイケデリックな配色で“DREAM☆STORE”とデカデカと書かれている。
中に入ると打って変わって、白を基調とした清潔な空間が広がる。そのレイアウトは郵便局や役所に近く、カウンター越しに店員が接客をしている。カウンターの奥では電話対応や書類の確認などをしている従業員が見受けられる。
受付を済ませ窓口まで行くと、店員は丁寧にお辞儀をしたあとにこう言うのだ。
「いらっしゃいませ。ドリームストアヘようこそ。本日は夢をお売りになられますか。それともお買い求めですか」
ここは夢を売り買いできる場所。“ドリームストア”
世間ではドリストという略称で知れ渡っている。
ここで扱う夢というのは寝ている間に見る夢のことで、その内容を買い取り、提供するサービスを行っている。
気になるのは、果たして人が見た夢を買う者がいるのかというところだが、意外にもかなりの需要があるらしい。
代表的なのは小説家、美術や音楽などのアーティスト。その他アニメ制作会社やテレビ業界などで買われている。
もちろん、夢を売る側にとっても魅力的なサービスであるのに違いない。誰でも簡単にお金を増やせるのだから、正しく夢のようなお店なのだ。
件のドリストは組織の急成長に伴い、WEB上での夢の売買のサービスを開始した。これにより勢いを増して世間に浸透し、今では知らぬ者などいない程の大企業となった。
そんなドリストで、私は試してみたいことがあった。
「夢、売りに来ました」
窓口でそう伝えると店員は慣れた手付きで書類を準備し始める。売った夢の使用許諾に関するものや、今後のサービス向上のためのアンケート用紙。
そして、売る夢の内容を記入する用紙。
店員が各書類の説明をする。この欄をご記入くださいだとか、記入前にこちらをご確認くださいだとか言うのだが、決まって最後にこう付け加える。
「お売りになる夢の内容には、付け加えや改変のないようにご注意ください。鮮明に覚えていない際はその旨をお書きください」
曖昧な表現―――確かこうだった、こうだったかもしれない等―――で書く分にはいいが、嘘や誇張など意図的に夢の内容とは異なることを書くのは禁じるというのだ。
妄想や空想なんかの作り話は論外なのだそう。
私はこれに疑問を抱いていた。どうして純粋な夢である必要があるのか。また、実際の夢とは違うものを書いた場合にどのようにしてそれを検知するというのだろうか。
私の試したいことというのは、実際に偽りの夢を売ってみること。そうすれば今の疑問も少しは解消するかもしれない。
夢の内容を記入する際に、どうせならと完全な作り話を書いて提出してみた。
店員がそれを受け取り、他の書類とまとめて奥の方へ持っていく。内容の確認だろうか、何か特別な機械に通したりするのだろうか。
ドキドキしながら待っていると店員が戻ってきた。
「ではこちらが、今回買い取り致します夢の金額でございます。この金額でお売りになりますか?」
予想外にも売ることができてしまった。拍子抜けだが、結構いい金額だったこともあり、そのまま買い取ってもらった。
疑問は残るが、別に本当に見た夢でなくともいいことが判明したので、これからは適当な作り話でも売りに行こうと思っていた。
―――出口の自動ドアが開かない。
あれ、と思った次の瞬間。けたたましい警報と目を刺すような赤いランプが店内を飽和させる。
いつの間にか店内の壁はシャッターが降ろされ、警備員がどこからともなく湧き出て私を囲う。
警備員の一人が私の名を呼び、こう告げる。
「売却された夢の内容に嘘偽り、もとい作り話が書かれたことを確認しました」
乱暴に私の手を掴み、カシャリと手錠をかける。
「あなたを逮捕します」
―――というところで目が覚めた。
貴女と二人星空の下
手をつなぎ歩いた
足を止め
見つめ合い
恥ずかしそうにする貴女の
美しい瞳は
少し潤んでいた
吸い込まれそうな
美しい瞳
貴女と過ごす
こんな夢を見た…
・
・
・
ことは一度もないのです
残念です
笑
✨
(。・_・。)ノ
こんな夢を見た
多くの人に囲まれて楽しく話していた。
たわいもない話で笑っていた。
僕は人気者で大好きな君とよく一緒にいじられる。
君と付き合っているのはみんなに隠していて、
早く付き合えよって茶化される。
笑いながら君の方を見ると、
少し赤くなってる、可愛い。
先生からも先輩からも後輩からも慕われて、
部活でもレギュラー。
生徒会長になって学校の顔となる。
まあそんな話、
所詮夢にしか過ぎなかった。
こんな夢を見た。
どんな夢、?
1人で泣いている夢。
私は1人で怒鳴り声を聞いて端っこに寄って静かに耐えてる夢なんです。
心臓の音はどんどん大きくなっていくんです。
頑張って、って言われてその声は遠いのにその人はあたかも見たかのように私にそう言うんです。
呆れた声で、はぁ、って言われたんです。
背後から聞こえてくる色んな声が包丁みたいに刺さって
私の目を殺してくるんです。
そんな夢です。
大丈夫、、守ってあげれるようにするから。
そんな夢見なくて済むようにしてあげるから。
だから、今はここにいてもいいからね。
なんて、夢を私は見たいのに。
見れないのはなんで?
さっき道を歩いていたら、
「すみません」と声をかけられた。
イヤホンをしていて早歩きで歩いていたから全然気づかなかったが、
目の前に立って呼び止められたので、めんどくさいと思いながらも、イヤホンを外して話を聞く。
すると、某不動産会社で働いているということで、
「女性が働きやすい会社を目指していて…」
などありきたりな事を言ってきた。
ひたすらどうやって話を終わらせようか頭をフル回転させていたら、
「ぜひ強い女性の意見を聞きたいので、3分ほど時間を宜しいでしょうか?」と来た。
そんな私は、この直前にメンタルクリニックで適応障害を治すため定期診察をしてきた帰り。
そんな私が、「強い女性」?
どこをみて強い女性と思ったのか。
ふざけんなと思うと同時に、不思議でならない。
やっぱり見かけで判断するんだな、浅はかだな。
真っ暗真っ暗。何も見えない。
カツン、カツン、コツ、コツ――――そんな音が導になっていて、何の苦もなく歩いている。
そうしたら急に身体を引かれて「あぶないよ」って。色々と経験から危ないものを想像して次の言葉を待つ。
「車がね」と。
なるほど、確かに走行中の車からは音を立てられない。立ったらよほど狭い道か、引かれる寸前。
お礼を言ったらくすぐったそうな声。
「ちゃんと腕に絡ませておいて」
ちょっと叱責。
お小言。
「わっ」
「動いたら逃げるからね、じっとして」
座っている。膝の上に何かが、何かの重みが。
四つの……足? ふにふに、ぐいぐい、と太腿の肉を潰してこねて。何かが動くたびにさわさわと、ふわふわなものが床を掃除するみたいにすべって。
手を誘導されたら不思議。
やわらかくて硬い丸い形状。その奥にあたたかさ――人肌よりも高い温度。それがぐりぐりと掌を触ってくる。まるで、いつもみたいに頭を撫でている感覚。それよりもうんと小さいけれど。
驚いていると掌に何かのせられた。
これは……何? ころころ小さい粒でざらざら。弾力があるけれど指の腹で挟んで力を入れてしまえば、どうやら脆いみたい。
それが何個もぼろぼろとのってくる。
「ひゃっ⁉」
膝の上を占領していた何かが、掌の粒を……たべている? 咀嚼音。ぴちゃぴちゃ、ぺろぺろ、と掌を舐められているみたいで。
「こ、これは?」
「かわいい子犬。ごはん食べてるよ」
「このざらざらを?」
「そ。舌ですくって、ぺろり、むしゃむしゃ。人間がつくった犬のごはん。見た目は……うーん、食べるものに困ったらたべる……かなぁ」
え、そんなものを食べさせているのかと思わず絶句してしまう。
シートに腰かけて。ぐ、ぐ、とお尻を落とし込む。声の誘導を頼りに手を伸ばせば、ツルっとしているようでそうでもない円形のもの。くるりと手を這わせて、真ん中に続く線が延びていて。
辿って凹凸。
押し込んでみて、もう少し力を、
プ〜〜〜〜ッッ‼‼
「⁉」
耳をつんざく音。
キーンと耳奥でいつまでも残響して。身体が強張っているのに頭はクラクラ。
でも、いつも聞いている音。
そう言えば、「いつもじゃないよ。危ない車がいるときだけ」と言うから、危ない車だらけの道なのかと。
「みんな、車乗ると性格変わっちゃう。ほんと、困っちゃうんだから」
なんてまるで他人事。
身体をシートに強く捕まえられて。ガタタタ、と音を立てながら重力に逆らってゆく感じ。となりに座って大声。「怖かったら手、つないでいいんだからねッ‼」って、そっちからつないできて。
まわりからもざわざわと落ち着かない声色。
何の隔たりもない風がビュービューと頬を打って髪をさらって、声を一瞬で奪って。
ガタタタタ――――、ガッチャン。
停まった。
不思議に思っていれば、「落ちるよ! ゔぁ、落ちるからね‼」「え」と言いかけた瞬間――――重力に下へ下へ落とされてゆく!
悲鳴、悲鳴、悲鳴!
叫んでいれば口が乾いて、けれど口を噤んではいられない。
お腹の奥の奥、浮遊感に何とも言えない縮こまり方をしている。不思議って思うほどの余裕もない。
乱暴な父親に上に投げられて、やさしく受け止められたあの感覚に近い。
ビクンッ‼――身体が竦んだ。
いつの間にか目を瞑っていたみたい。視界は45度傾いていた。見慣れた視界。すべてのものが定位置に、そんなきれいな片付いたお部屋。
もぞ、と横になっていることに気づいたの。
「おや、起きましたか?」
「……ん」
かけてくれていた毛布。起き上がってベッドの端に座れば、横にきみがいた。
膝の上に本を乗せて、指を滑らせて。
でもお顔はこっちに向いている。
閉じられた瞼。ふる、とたまに睫毛が震えているけれど、それだけで表情がつくられてゆく。
「あなたったら、わたくしのベッドを占領するんですから。気持ち良さそうにして」
「んふ、実際気持ちよかった」
「落ちている夢でも見ましたか? ビクッとしていましたよ」
「んー、最後はそうだったかも」
「どんな夢でした?」
思い返せば不思議。
よくよく思い出せない。でも、これだけは覚えていたの。
「きみの夢」
とってもすてきな夢だった。
#こんな夢を見た
『こんな夢を見た』
お姫様になる夢を見た。
少女漫画みたいな恋をして、
好きな人と結ばれる夢を見た。
魔法使いになる夢を見た。
探偵になる夢を見た。
小説家になる夢を見た。
二次元へトリップする夢を見た。
どこかに自分の分身が存在している夢を見た。
実況者になる夢を見た。
小説家になる夢を見た。
いつか誰かが救ってくれる夢を見た。
ニートになる夢を見た。
自分が考えた作品が世に出る夢を見た。
小説家になる夢を見た。
推しに終わらせてもらう夢を見た。
もの好きな愛好家に飼われる夢を見た。
楽に生きていく夢を見た。
夢を見る夢を見た。
夢を見る夢を見た。
小説家になる夢を見た。
こんな夢を見た
妙にリアルで飛び起きてもまだ心の臓まで凍りつきそうだった
恐怖の黒が頭を支配している
二度と見たくないのにもう一度みたい
どんな夢かって?
それはね………
あれ?ドンナユメダッタ?
#こんな夢を見た
ゆるゆるの頬を抑えて君は朝からご満悦。
「朝から頬っぺたが落ちそうだね?」
美味しいものを食べた訳ではない。だって朝食はこれからだ。
「良い夢を見まして」
話しかけても夢を思い出しているらしく、手はそのまま首を左右に振って照れていた。あまりみない行動を可愛らしく思うも、疑問が浮かぶ。
…君が照れる夢ってなんだ?良い夢で照れる。小動物に囲まれるとか?もふもふした生き物に囲まれるのが前に夢だって言ってたし…。
「取り合いをされる夢だったの。引っ張られて、えへへ。」
君を取り合う?
「待って。俺じゃない誰かを気に入ってるってこと?」
聞き捨てならない、一体誰が君の夢に入り込む許可を得たのか。君が思って夢に見てしまう程のそいつは、例え犬だろうと俺の敵だ。
「夢とおんなじことしてる」
両の手を握られた君は動けず顔を見ていた。俺は君の夢を見てないからわからないが
「俺、いたの?」
「分裂してたくさんね。」
「分裂。」
「かわいかったり、かっこ良かったり、真面目だったり、料理好きだったり、猫耳がついてたり…」
目を閉じ、どんな俺がいたのか紹介される。アメーバなのだろうか…。最後の方なんて君の趣味を垣間見た気がする。猫好きだと今知った。
見てた夢とは俺がたくさんいる夢らしい。君が好きって気持ちは、誰にも負けないし、喜んでくれるなら越したことはないが、いくらなんでも
「俺多すぎない?」
「大好きが集まりすぎて楽園だったよ。それで『どの俺が好き?』って聞かれて答えられなくて」
思いの外、混沌としている空間のようだった。だが君の話の先が読めた。夢の中でも俺は俺だ。
「乱闘が始まったんだ?」
「始まる寸前。で目が覚めて考えてみたんだけど…」
一呼吸ついた君がまっすぐ見つめるから続きを待った。
「私が知らない部分もまだあるでしょ?それも含めて、全部まとめたあなたがいいなって。」
「欲張りだねぇ。俺も君がいい。君だけがいいんだ。」
さて朝食にしようか。「料理上手な俺」が君のリクエストになんでも応えてあげるよ。
『こんな夢を見た』
#こんな夢を見た
こんな夢を見た
私はいつものように目覚ましを止め、部屋に転がる自分の死体を見つめる、
制服に着替え押入れに私だった物を詰める。
日常生活で私は私を演じる
笑い 喋り 歩く 私は私を見ていた。
学校の帰り、私は私の後ろを歩く。
玄関前、私は制服の紐で私を絞め殺す。
部屋に私を運び、日常に戻る
勉強を終わらせ、お風呂に入る
再び私は眠りにつく。
目覚めた私はいつものように目覚ましを止め、部屋に転がる私を見つめる。
_こんな夢を見た_
規律的なアラーム音で起こされる朝。
いつも通りの学校
部活が終わり、電車の揺れに身体を任せて眠りについた…19時半、頃
夢の中、一人の少女の存在
その少女は、大きく…眩しいもので
「________私、歌手になる!」
テレビの前で目を輝かせる一人の少女
-それは、かつての自分だというのに-
大きなステージで歌い、目の前いっぱいのライトに照らされながら…
…幸せそうな人の顔を見たかった。
「私の歌で、皆を笑顔にする」
そんな景色を… -夢見ていた-
「ガタン」と電車が揺れ、
夢の旅は終わりを告げる
その時…ヒラリと一枚の紙が膝元に落ち
開けたままのカバンに気付き、肩を落とした
「…進路希望、調査」
ふと、その紙きれに目をやり…小さな声で呟いた
「…歌⸺いや、A大…に進学…」
その夢…歌手という泡沫は、
本当に、泡のように儚く消える…
いつから…こんな紙きれに囚われる人生になってしまったのだろうか、
私はずっと… -夢を見ていた-