『この場所で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの日この場所で約束したこと
君は覚えてるかな
僕は絶対に嘘はつかないからね
君も僕を待っててね
陽に照らされて立ち止まる
休憩か、好奇心か
この場所で暮らすのは
それくらいの理由で十分だった
/ この場所で
あの頃君はこの場所で
UFOを見ようとしてた
双眼鏡で空を覗き込む
君の顔ばかり僕は見てた
大きくなってもこの場所に
集まって二人でUFOを
いつまでも待ち続けるんだと
君と一緒にいられるんだと
小さいながらに思ってた
宇宙人を信じる君を
小馬鹿に思う時もあった
自分だってありもしない
永遠を信じてたくせに
「この場所で」
この場所に落とされた時
ソレは己が運命を呪った
見渡すばかりの広大な岩砂漠
木々や動物は愚か
微生物(現在はそう名付けられている)すら住まわぬ死の大地
為す術もないソレは
ただ岩場の破れ目に身を置き
悠久の眠りにつくことにした
爆音が鳴り響き
天はまさに生物静脈から流れる
赤黒い血のような色に染まった
(ソレは体内に血を流さないが)
大地は灼熱に燃え上がり
粘っこい溶岩が岩場を舐める
ソレは震えながら岩場の破れ目で息を潜めていた
遠雷が聞こえた
ここではない何処かの大陸が
鉛色の積乱雲に覆われている
最初の雷鳴から程なくして
ソレの潜む岩場に嵐が招来した
永劫に続く落雷と降雨は岩場を砕き
天からの命の欠片を降らした
ソレは、何かに導かれるように芽吹き
天高くそびえる積乱雲に向かって
一心不乱に手を伸ばした
瞬く間に
(それは私達からすれば永遠にも近い年月だが)
生成された大樹は根を伸ばし
ソレが産み落とされた星に根の海を作った
***
親愛なる、私の子ども達へ
届くことのない、ちっぽけな追想録
−岩場の破れ目から
「−この場所で−」
【待ち合わせ】
この場所で、「私」は彼が来るのを待っている。
待ち合わせの理由は忘れてしまったけれど、
ずっと彼が来るのを待っている。
待ち始めて
ひと月ほど経っただろうか...
彼がやってきた。
嬉しくて駆け寄りたいのに
私はなぜかこの場所を離れられない
.....
彼は私の前に来るとしゃがみ込み
私の足元に持っていた白い花束を置いて
静かに祈り始めた。
とても悲しそうな背中
慰めたくて触れようとした「私」の手が
すうっと通り抜ける
あぁそうだ....
思い出した
あの日、この場所で、
彼と待ち合わせをしていた私は
大きな事故に巻き込まれてしまったのだ。
悲しそうな背中のまま去って行く彼を
「私」は寂しい気持ちで見送った。
.......
それからも「私」はずっとこの場所で縛られている。
時折この場所に来る彼を待っていなくては...。
そして、この場所に通い続ける彼も
突然居なくなってしまった「私」にずっと縛られている___
この先、私たちをほどくものがあるとすれば
それはきっと「長い時間」
お題「この場所で」
君とラムネを飲んだ
君と明日の話をした
君は笑った
君と空を見上げた
君と歩いた
君と昔の話をした
君は泣いた
この場所で
僕はラムネを飲んだ
僕は空を見上げた
僕は歩いた
君のいない、この場所で。
#この場所で
俺たちは約束した。また、この場所で会おう、と。
私は信じてる。彼は必ずここに来ることを。
俺たちは、この場所で会えるまで、いつまでも待ち続ける。でも、会えることはなかった。
私たちはお互い、諦めようとしていた。でも、諦めることは出来なかった。
なぜ、諦められなかったのか、それは今でも分からない。
今日はあれから、1年がたった日です。
あなたはあの時ここで
死んでしまおうかなんて言っていましたね。
でも、死ななくてよかったって、
思いっきり泣き笑いしてください。
これからは、死にたいなんて絶対に思わせない
最高の人生にできるように、
あなたの人生の傍らに、
私を置いてくれませんか?
お題〈この場所で〉
「この場所」
この場所が
自分の夢への再スタート
夢への道は
真っ直ぐじゃない事は分かってる
険しく大変な事も分かってる
でも生きてきた時間も
人生半世紀過ぎた
ならばやりたい事をやろう
足掻くだけ足掻こう
ただ自分らしく生きていこう
この場所で歌う歌がさ
誰かに届け
大切な人に届け
夢への架け橋渡れる様に
私はただ我武者羅に駆けてくよ
2023年 25
そこは世界からも見捨てられたような、うらびれた土地だった。固く乾いた地面はひび割れて、花どころか草木も生えていない。
そんな土地にある日ひとりの旅人がやって来た。旅人はみすぼらしいテントを一つ建てると、そこに住み始めた。
長い年月が過ぎ去った。それまで色んなことがあった。最初に住んだ旅人が呼び水になったのか、次第にその場へ人が集まり始めた。人が集まることによって渇いた大地は耕され、畑ができて、井戸ができて、家ができた。
そうすると土地はどんどん活気に溢れ、そこはいつの間にか賑やかな街となった。
そして、いま。
この場所には無数の墓標が建っていた。
再び長い長い年月が過ぎ去り、人は争いを起こして互いの命を奪い合った。
その土地はまた世界から忘れ去られていた。
かつての賑わいはどこにもなく、墓標の他には建物の残骸がそこかしこに転がっているだけ。
そこにまた何も知らぬひとりの旅人がやって来た。旅人はかつて街であったこの場所を奥へ奥へと進んで行き、あの無数の墓標たちの前に立った。
この場所で眠るかつての先人たちに、旅人は深く頭を垂れる。
旅人は訳あってひとりぼっちだった。帰る家を持たないまま各地を転々としていたが、いいかげん羽を休める場所が欲しかったのだ。
旅人はみすぼらしいテントをひとつ建てた。
この場所でまず生きてみようと、旅人は心に決めた。
【この場所で】
外出嫌い
対人への恐怖心
外の世界に恐怖を抱いていた頃、
私は進学先を考えなければならない時期でもあった。
自分の気持ちだけ考えると
このままこの場所で
実家を中心とした世界で過ごしていきたい。
外の世界で一人で生きていくには
精神的負担があまりに大きかった。
だが、真面目に自分の人生を考えたとき
ふと気づいた。
このままここにいたら
親が死んでしまった時
私は自分でなにも出来ず
この場所でさえ生きていけないぞ…と。
両親は実家から通える大学を願った。
金銭的な面、田畑の手伝い等もあってのことだろう。
私は簡単には実家に帰れない場所を選定した。
実家から離れたからといって、簡単に帰れるところを選んでは、すぐ帰ってきてしまうかも知れないからだ。
可愛い子には旅をさせよとはいうが、
私はこの機会に、自分自身にしっかり旅させることを選択した。
大学ごときで何が旅だ!と思うかもしれない
でも、外の世界が恐怖の塊である内はしっかり旅なんだ。
人それぞれ立ち向かう恐怖や不安は異なる。
人がどう思おうと、自分が抱える恐怖や不安に立ち向かおうと行動に移すことは、その人にとっての旅なのだと思う。
自分の将来という、更なる恐怖を克服すべく
強い意思・覚悟をもって
目の前の恐怖と対峙した当時の私を
今現在の私は強く讃え、誇りに思う。
ありがとう。
よくやったぞ!
あなたと出会ったこの場所で
あなたと別れたこの場所で
今日もたくさんの人達が
泣き、笑い、生まれ、死んでゆく
始まりと終わりが交差するこの場所で
『この場所で』
街灯の灯りを蹴散らして
水溜りの中を跳ねる様に
君が踊る
ここに君と僕以外いないとして
それでも恥ずかしくて
僕は踊れない
スカートの裾を濡らして
君は楽しそうだ
僕は靴が汚れるのを気にしていた
水の粒が輝いて
暗澹とした街の中に
君を浮き立たせた
この場所で今
この世で一番尊いものを
眺めていた
汚れても美しいもの
粗野な無邪気さ
真夜中の水溜りに映る月
『この場所で』
#28 『この場所で』
「この場所で間違いないのよね」
「はい」
「大事な話があるって言うから、の割には人が多くない」
私は仕事帰りに卓也からの伝言だという若い男に案内されて、橋の真ん中まで連れてこられた。
「…」
若い男が何も答えず黙っていると、どこからともなく音楽が流れてきた。
それを合図に配達員に扮装した男が踊り出し、それに呼応したかのように通行人のフリをした人たちが次々踊り出す。
…あぁ…、フラッシュモブだ。
卓也のヤツ、プロボーズするつもりなのか。
関係ない人たちがこっちを立ち止まって見ている。
…死ぬほど恥ずかしい。
川に飛び込んでしまいたい。
そんなことを一切気にもとめずに笑顔で踊るダンサーたち。
…さて、どうしたものか、正直、卓也と結婚するつもりはさらさらない。
といっても、ここで断るのは鬼だ。
職場の近くだし、誰に見られているかわからない。
思案していると緊張した面持ちの卓也が踊りながらダンサーたちの合間を縫って現れた。
…こういう価値観だから結婚したくないんだよな。
私がこんな衆目にさらされるのが好きだと思っているの?
すると、とうとう音楽が止まり、卓也が指輪を差し出し、プロボーズをしだした。
「…」
どう断るかばかり考えていて、何も耳に入ってこない。
「…キミに出会ったこの場所で、告白します。僕と…」
!
「卓也、ちょっと待って」
「?」
「私たちが出会ったのは、もう1本向こうの橋よ」
「え?」
「…そんな大事な思い出を覚えていない人とは結婚できない!」
私は泣くマネと顔をニヤつくのを隠すため顔を手で覆った。
「サヨウナラ!」
と言い終わると、私はこの場所から駆け出して行った。
…転職するか。
いつかまたこの場所で会おう
ドラマ、アニメ、小説
ロマンチックな物語には付き物の台詞
でも現実は甘くない
いつかなんてものは来ることは無い
なんて最初から諦めていた
だけど
なーに泣いてんだよ
と、聞き覚えのある声が
わたしの心をギュッと握りしめてきた
どうして居るのだろうか
もう、とっくに忘れていると思っていた
連絡もよこさなかった
住所も知らなかった
だけど
わたしの大好きな人は
いつか
を覚えていた
そして
この場所
を覚えていた
悪ぃな。待たせちまって
忘れてたわけじゃねぇんだ
お前にちゃんとこの姿で会いたかった
あぁ。そうか
そんな事まで覚えていたとは
俺、ちゃんとお前を幸せにできるまで帰ってこない
社長になれるまで待ってて欲しい
いつかまたこの場所で会おう
と言って彼はアメリカに飛んで行ったのだ
私ずっと待ってたんだよ
かっこよくなりすぎ
わたしはそう言って彼に飛び乗った
この場所で
深く考えすぎて
戻って来れないことがある。
ここがどこで
目の前にいるのは誰で
自分は何者で
この体は何か。
こんなことなら
何も考えずに生きていこう。
すべてに気づいた時の方が
死ぬよりよっぽど怖いから。
この場所で
自分は生まれてこの方、近場で過ごしてきた
大学も生まれた家から通い、
社会人になってもそれは続いた
結婚して家から離れたが、隣駅に家を借りて住んでいる
自分はこの場所で暮らしていこうと思う
この場所が好きだ
【この場所で】
この場所は、僕の天国です。
夜に親に怒鳴られることもなく、朝に家族が散らかした部屋の片付けをすることもなく、朝昼晩のご飯の用意をしなくてもいい。
本当に、いい場所。
…まぁ、その、橋の下なんだけどね。
家?は、ダンボールで出来た家。
服やお金、は少ないけど持ってきた。
貴重品も持ってきた。大切なものだから。
お金も全然ないから節約生活しなきゃね。
僕、お仕事してないし。
よし、いつものように、その辺に生えてる草を食べよ。
夜中になったら、お巡りさんが来るからお昼の時間にいっぱい集めないと。
そう思いながら、橋の下から出て気になる人を見つけた。
虚ろな目して座ってる
人の心配なんてしてる場合じゃないけど…大丈夫なのかな?
まるで……
グーーー
僕の、お腹がなった。
あの人と目が合った気がする。
僕は、慌てて隠れる。
「見つかった…かな?まぁ、大丈夫だよね!」
空耳か…みたいな感じでどこかに行ってくれるよね!
『誰だ?』
……見つかった。
恥ずかしい。
今、顔、真っ赤だよ。泣きそう。
『腹減ったの?もしかして、お前の家あれ?ホームレス?』
そう言って、男性はダンボールハウスを指さす。
「はい…あっでも、心配しなくても大丈夫です!ダンボールでも、生きていけます!」
そう早口気味に言い終わると、またお腹がなる。それもさっきより大きな音。
……あぁ、恥ずかしすぎて、涙目になってきた。
男性はため息をして、待ってろ。って言ってどこかに行った。
どこ行ったのかな…お巡りさんの所だったら、嫌だなぁ…あの家に帰りたくない。
何分たったかな…男性が色々な物が入ってるビニール袋を持って帰ってきた。
『お前が何が好きなのかわかんないから、適当に買ってきた。食えよ。グーグーなってうるさいからな。』
……男性は、神様でした。
えっ、でも、いいのかな。
裏がありそうで、逆に怖いんだけど
『それに』
「へ?」
『……なんでもねえ。はやく食えよ。何も要求なんてしないから。』
それから、僕は、男性が買ってきてくれたものをありがたく食べました。
とてもとても美味しいです。
何か話さないとって思いながら、食べながら、僕は家庭の事で家出をしてきたこと、ダンボールで2週間住んでること、その辺の草を食べて生活してきたことを簡単に話した。
…なんだか、この人には、自然と色々と話してしまった。
不思議な人だなぁ。
『じゃあ、俺帰るから。お前もさっさと寝ろよ。』
周りを見渡すと夕暮れになってた。そりゃあ、帰るよね…でも、この人になにかしてあげたい。どうしようって考えてたけど……うん。やっぱり、僕に出来ることはこれしかない!
「あの…もし良かったら……じゃなくて、あの!僕、家事全般出来るからなんでも出来るから家について行ってもいいですか?!あ、これが身分証明書です!未成年じゃないから大丈夫ですよね!?」
って……あ、やっちゃった。
めちゃくちゃ早口で、しかも絶対、変な人認定された。
沈黙。辛い。
チラッと、男性の顔を見る。
うわぁぁぁ、呆れた顔してる。
もう、無理ですよね。本当に、ごめ
『いいよ。家具も必要最低限しかないし、崩れそうなぐらいボロボロな家だ。それでもいいなら。あぁ、そうだ。後は、出ていきたいなら、俺に言わずに勝手に出ていってもいいからな。』
「本当ですか!?やったー!今から支度して貴方について行きます!」
これが、兄さんと僕の出会い。
懐かしいなぁ。
『りお。』
「兄さん?どうしたの?」
『仕事行くから。』
「わかったよ!お弁当作ってるからね!」
『いつもいつも……作るの、めんどくさいだろ。』
「いやいや!全然大丈夫だよ!台所に行こう!」
この場所が、今の僕の天国。
すごくいい場所で大好きな場所。
今日も、この場所で……この大好きな場所で、家事頑張るぞー!
「この場所に星のカケラを埋めたの」
彼女は土にざくざくとスコップを刺しながら言った。
「星のカケラ?」
「そう、星のカケラ。…あっ!」
彼女はしゃがみ込んで穴に向かって手を伸ばした。
どうやら見つかったらしい。
彼女は土の中から小さなお菓子の缶を掬い出した。
満足そうに笑い、僕に向かって手招きする。
僕が寄っていくと彼女はバコッと大きな音を立てて缶の蓋を開けた。
覗き込むとそこに入っていたのは封の中に入った金平糖だけだった。
僕はなんだか力が抜ける思いがした。
「…星のカケラって、…金平糖じゃん。」
僕が彼女を振り向くと、彼女は残念そうな表情を浮かべていた。
「何らかの化学変異が起こって本当に星のカケラになってないかなって期待してたのに」
きっと小さな頃の彼女はそれを願って金平糖を埋めたのだろう。きっとこの事実を知ると大いにがっかりする事だ。けれど大きくなった彼女もまた、心から落胆している。
僕は思わず顔を綻ばした。なんていうか、僕の彼女は本当に可愛い。
そんな僕を尻目に彼女はポケットから玩具の指輪を二つ取り出した。金平糖の横にその二つを新たに入れ、蓋を閉じる。
「今度は何に変身させようとしてるの?」
彼女は僕を見てニッコリ笑って答えた。
「星のカケラのペアリング!」
星のカケラのペアリングってのがあんまり気に入らなかったけどそれ以外思いつかなかった…。
- この場所で -
待っている
あなたと出逢った このセカイで
あなたと誓った あのセカイで
あなたと契った まえのセカイで
あなたと叶えた つぎのセカイで
今まだひとり
この場所で
待っている。。。