『きらめき』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝、目覚めたら
窓を開けて空を見上げる
これが僕のルーティン
最近、おひさまが登るのに時間が掛かってる
少し、秋っぽくなってきたのかな
おひさまのキラメキが柔らかくなった気がしてる。
ギラギラもいいけど
柔らかなキラメキが心地いい
梅茶々
~きらめき~
ガラスとか、プラスチックの宝石とか、きらきらしたものが大好きだったあの頃。
たとえ将来どんなお金持ちになっても、あのきらめきを忘れないでいたい。
「きらめき」とは、何だろう。
幸せな気分の時に「きらめき」という言葉が浮かぶかもしれないし、恋が上手く言った時に「きらめき」と浮かぶかもしれないし、何か夢が叶った時に「きらめき」という言葉を使うかもしれない。
「きらめき」を使う瞬間は人それぞれ違う。
だけど、前向きな瞬間、肯定的に物事を考える瞬間に使うなど、ポジティブな言葉なのは変わりない。
「きらめき」。
何度かこの言葉を心の中で呟いていたら、自分の気持ちが穏やかになった気がする。
「言霊」のように、ポジティブな言葉を発したら自分自身にもそれがブーメランのように返ってくる、そう確信した。
自分の未来が、そして皆さんの未来がより良くなるように、これからもポジティブな言葉を絶やさないように使っていこうと考えた今日だった。
きらめき
大人になることがよくわからなかった時代
機能不全家族の中で育ったあの頃に思い描いた未来
将来はきらめいたものになると信じてた
ピカッ
きらりーん
パチッ
ちろちろ
パッ
煌煌
チカチカ
キュィン
『きらめき』
学生時代が一番きらめいていたと思う。
だけど振り返ってみると、大した青春もない。恋愛だって上手く出来なかったし、友達だって多くはなかった。遊んだ記憶もわいわいとした記憶も少ない。
しかし、興味のあることを直接教えてもらえた。
興味のあることを研究できた。
社会人になってからじゃやること自体が難しい運動だって出来た。
社会人になったら興味のあることは独学。わからないことがあっても聞く先生もいない。
運動も続かないし、学生時代にできてた複数でやる競技も一人じゃ出来ない。
当時は辛いこともあった。HSP気質だとは知らずに過ごした学生時代は集団生活に馴染まなく、体調不良ばかりだった。不登校にはならなかったけれど。
でも、振り返ればあの頃が一番時間があってあの頃が一番きらめいていたと感じる。
刺激には弱いけど、刺激が一番きらめきを感じるのである。
もうあの頃のような刺激は与えられないのだろうか。
ノンフィクション 2023/09/05
(いつもは創作だけど今日は心の声)
今日は可燃ごみの日。週2日、(火)4日分(金)3日分。
火曜日はただでさえ1日多いのに
何を思ったか日曜に部屋の掃除をしたもんだから
ごみ袋は既にパンパン。
そこに各所ゴミ箱から集めたごみを更に詰め込み~~
~たいが入らない。新しい袋を追加する選択肢は無い。入れる!
これでもかとばかりに圧をかける~~~~~。
ごみが融合を起こしたのか、なんとか破裂は免れる。
しまった、袋が縛れない。
チャレンジはするものの、物理的に不可能と悟り、ガムテする。
ヤバい、時間を食い過ぎた。収集所まで急げ!
収集車はまだだった。
カラス避け網を掛けながら辛勝を省みる。
ふと顔を上げると、頭から大量に滝のような汗が滴り
朝から猛暑を誇る太陽にきらめいた。
…いや、他にないの?「きらめき」。
あなたには、きらりとするものがある
そう残してくれた先生。
長い髪の、背の高い、ちょっとハスキーな
眼鏡の似合う、先生。
みんなは、こわい。とか、暗くてつまんない。とか
言っていたけど、私は先生の授業が好きでした。
淡々と紡がれる言葉は、国語の授業にしては、妙に薄くて。文章を味わえ、感じろ、なんて野暮な横槍もなく。自由に考えられる時間でした。
時々答えを求められる問は、なかなか難しくて、みんなは、わかりません。しか言わなかったけど。四苦八苦して答える私には、いつものハスキーな声で、
当たらずとも遠からず、かな
お決まりのセリフを言ってくれました。
否定しない、ヒステリックに正解を押し付けない。
国語の無限さを、先生に教えてもらえました。
卒業アルバムに一言下さい、差し出した真っ白のページの隅に、書いてくれた言葉を
私でいいの?と、珍しく表情を変えて、サインペンを持ち直してくれた横顔を
私は忘れずに
教師になりました。
先生みたいなクールな教え方はできないけど、
私は今日も、必死に考える生徒に言うんです。
当たらずとも遠からず、かな
そして、別れゆく生徒には
あなたには
きらりとするものがある
と。
君と出会って僕の世界はフルカラーになった。
『きらめき』
「きらめき」(創作)
君を見てキラキラしているなと思った。
君はどうしてそう見えるのか。
そんなことを思う。
雨の日も晴れの日も。
君を見ているととても眩しい。
そんな君がこちらを向いて笑う。
あぁ、きらめいている。
そんなことを思う。
「防衛省運用の、防衛通信衛星ひとつの愛称。某JRの特急列車。楽曲の名前。酒の名前にも複数。
前々回の『心の灯火』で紹介した『四つの署名』、
『自分の中に秘め持つ小さな不滅の火花
(little immortal spark concealed about him』
の『spark』も『きらめき』って一応訳せるわな」
他には「命のきらめき」とか?某所在住物書きはスマホに映る、輝きの赤い輪を見つめた。
「探せば結構、色々出てくると思うんよ。だって使い勝手良いもん。頭を柔らかくすりゃあ、多分列車でも衛星でも、文学でもねぇ所からネタ出せるぜ」
問題は俺自身の頭が加齢でこのざまってハナシ。物書きはため息を吐き、ネタ探しに戻る。
――――――
相変わらずの、暑い東京のお昼。諸事情で、いつも一緒の先輩が当分いないから、ランチは外食にした。
先輩がいない理由はクソだ。
先輩が名字変えてまで縁切った失恋相手が、今更超絶粘着してきて、そこから物理的に避難するためだ。
先輩は藤森、失恋相手は加元っていう。
加元さんは先に先輩に惚れておきながら、その先輩をバチクソにディスって、心をズッタズタに壊した。
先輩は8年逃げ続けたけど、最近、加元さんに職場とグルチャのアカウントがバレた。
その加元さん、私のことまでロックオンしたらしい。
用心しておけって、先輩に避難場所提供してる宇曽野主任、先輩の親友に昨日言われた。
何を用心すれば良いんだろう。
考えながら道を歩いてたら、すぐ、それが分かった。
「わっ!?」
もうちょっとで目当てのお店、ってところで、
私はいきなり、狭い狭い小道に引き込まれた。
「静かに。安心しろ、私だ」
腕を強く、でも優しく掴まれて、肩から引き寄せられて、頭が真っ白になったと思ったら、
「早速加元さんから嫌がらせを受けているようだな」
すぐ耳に入ってきたのが、現在宇曽野主任の一軒家に絶賛避難中な筈の先輩の声だった。
え?ナニゴト?
って思ってたら、
私が今まで歩いてた道を、1人2人、すごく慌てた様子で走って、行ったり来たりして、
「見失った?」とか、「お前そっち探せ」とか。
まるで、スパイ映画か刑事ドラマのワンシーンだ。
「探偵だ。お前の行動調査だよ」
先輩が小道の奥に奥にって私を促しながら言った。
「職場の後輩のお前が、私の居場所を知っていると踏んで、加元さんが依頼を出したんだろうさ」
多分お前が昨日食ったメシも、寄ったコンビニもバレてるよ。私のせいで。
先輩は自虐的で、すごく申し訳無さそうで、
私の腕を掴みっ放しの手なんか「加元さん恐怖症」で少し震えちゃってるけど、
反対側の手に、小さな小さなきらめきを、ひとつ、強く、しっかり握ってた。
小瓶だ。私が贈った香水だ。
8月31日、先輩の心が少しでも癒えればと思って渡した、先輩の故郷の木が香るガラスのお守りだ。
「なんで、」
「先々月、7月の18日だか20日だか付近、私とお前が一緒に居たのを加元さんが見ていたんだ」
「そうじゃなくて。加元さんの狙いは私じゃなく先輩でしょ?その先輩が探偵さんの近くまで出てきちゃってどうするの」
「勝算があるからに決まっているだろう?」
私の腕を離して、小さなお守りを握りしめて、先輩は私が来た方の道に、つまり探偵さんが私を探してるだろう真っ只中に、歩いてった。
「ダメだよ、先輩、行っちゃダメ」
追いかけようと思った私に、先輩はポケットからカードケースを、その中のプラチナ色のきらめきをピッと取り出して、ゆっくりプラプラ振ってみせた。
あっ(察し)
はい、把握です(もしかして:買収)
「場合によっては、警察にもお手伝い頂く」
先輩が言った。
「悪かったな。あの日私と一緒だったばっかりに」
それから探偵さんが私に付きまとうようなことは、パッタリ無くなった。
山は良い。
自然の心地よさもさることながら登る時の疲労感が心地よい。
自然の中に少しだけ交わるきらめき。
木漏れ日。川の水の反射。雨上がりの葉っぱ。野生動物の視線。
いろんな種類の小さなきらめきがいっぱいだ!
あと忘れてはいけないのは自身の汗のきらめきだな。
『キラキラ』
今日も激務だった。
仕事から家に帰り、寝室に入ると
猫がベッドのまくらのど真ん中で
気持ち良さそうに寝ていた。
当然だが、おかえりの挨拶はない。
『いい身分だね』と皮肉を言ってみたが
全く反応はない。
お腹がすいていたので、軽く夕食を取ろうと準備をする。
すると、あれほど反応がなかった猫が
ニョキっと立ち上がり
ご飯をくれとすりよってきた。
この時だけは一丁前に甘えてくる。
『俺はまだご飯食べてねえんだよ』
と言いつつも、先に猫のご飯を作る。
ようやく夕食を食べれるかと思ったら
今度はお尻をポンポンしろと催促してきた。
『猫だから許されるんだからな。ヒゲ面でわがままで、無愛想で、甘えん坊の中年なんか。』とブツクサと言いながらもお尻をポンポンと叩く。
頭も撫でて欲しいのか、顔を向けて俺を見つめてきた。
瞳がキラキラして綺麗だった。
金色の瞳、不純物が全くない。
湧き水に砂金の粒を散りばめたような瞳。
この瞳を見ていると、自分も他人も世界も
全て綺麗なものに見えてくる。
『明日も頑張ろう』
学校の帰り道。
「あたしたち、全然青春してないよねー」と言い合っていたあの時。
確かにあたしたちは部活もなんもしていないし、彼氏がいるとか浮わついた話もない。
ただゲームして、授業受けて、放課後たいした大きなこともなく帰り道を歩いて。
もったいないなあと今なら思う。だけれども。
この瞬間、この時間は確かに青春の煌めきがあったはずなんだ。
テーマ : きらめき
そう、テーマはそうなんだけどさ
違うこと書いていいかな
書きたい事があってさ、日記風みたいな感じで書いていいかな
…書くねφ(・ω・ )
あんまりさぁ…家庭の事情なんて書かない方がいいかなって思ったんだけど
結局、僕がどこの誰かなんてわからないからいっか!
という結論に辿り着きまして
てか、僕このアプリに書き込むの何日ぶりよww
ひさしぶりすぎるわ
皆さんお元気でしたか?
僕はそれなりに元気ですよ!( •̀ᴗ•́ )
…ね、誰に言ってんだよってね
どこから書こうかな〜♪
てか、どこから書けば伝わりやすいんだ?
悩むな…
よし、順を追って書くか
まずさ、僕の母上がコロナにかかってしまったんだよね
熱も38度以上出て寝込んでたわけで
いつも半分こしてる家事が僕に全部のしかかってくるのも当たり前の事で
「まぁ、当たり前だよな」って思いながら、家事をしていたわけですよ
あ、ちなみに僕はね…コロナにかかってないよ( •̀ᴗ•́ )b
ほとんど一緒の部屋にいたのにだるくなっただけで後はピンピンしてる
免疫ヤベーって思った
そして、ここからが本題に入りますが
僕が書きたいのは父親の事です
はい…母上が寝込んでるのに心配もせず
家の事だって少しくらい手伝ってくれてもいいのに、逆に仕事を増やすばかりで
それに、母上寝込んでるのに「ご飯は?」って
は?お前、目見えてねぇの?って思ったよね
てか、母上コロナぞ?食ったら移るぞ?ってね
もう、なんなの?あいつさ
めっちゃムカついたよね
めっちゃムカついてめっちゃ諦めたよね
「どうせ、この人は僕たちには興味ないんだ」って
だって自分の親とか兄弟に何かあった時は仕事休んでまで飛んで行くのに
僕たちに関しては、仕事そのまま行っちゃうし
意味わからなくない?
自分の家族も大事なのはわかるけど、自分で作った家族は大事じゃないの?って
じゃあ、なんで作ったの?って
そしたら、僕こんな辛い思いしなくてすんだのにって
…何度思った事でしょう╮(´・ᴗ・` )╭
昔からだからさ、今更望んだって仕方ないんだけど
辛い時に助けてくれた事なんて1回もないし
そのくせ、人前に出れば保護者面して
僕の事なんにもわかってないくせにわかったような言い方してさ
僕さ、カルボナーラ食べれないんだ
甘いものだってそんなに得意じゃない
なのに、たまに機嫌がいい時は僕の苦手なもの買ってくる
…嫌がらせかなって
ただたんに僕の顔だけ見てそう判断してるだけなのかなって
周りの子が自分の父親の話をしてて、皆のお父さんはお父さんしてるのに僕は違うから会話にも入れなくて
…なんかね、もうなんだろうなって
そうだよね、結婚して子供作ればさ
自覚とか意識がなくてもその人は父親なんだから
父親なんてなれなくて肩書きがついちゃうわけだから
子供の時からって無理やり諦めて、今の大人になったけど、今回のでもう理解した
あの人、父親じゃないわ
ただの同居人だ
誰も居ないテニスコート。それもそのはずで今日は部活がオフの日だった。なのに球を打つ音がする。こっそり覗くとありえない人が居た。
「先輩……」
「お。おつかれー」
私の気配に気づいて先輩は壁打ちをやめた。散らばった球を拾ってこっちに近付いてくる。
「どうしたんですか?」
「ん?気分転換に。なんか打ちたいなーって思ってさ」
先輩たち3年生は先月の夏の大会で引退した。あれからもう新部長の新体制で部活が始まり、ちょうど今日で1ヶ月が経つ。たった1ヶ月姿を見なかっただけなのに、なんでか、コートにいる先輩がすごく懐かしく感じた。
「新しい部長はどーよ?」
「まだ、いろいろ慣れなくてテンパってます。でも、私の話とかもちゃんと聞いてくれるのでそこは信用できます」
「そっかそっか。ま、良く支えてやってくれよ、マネージャーさん」
「……先輩は」
「ん?」
先輩は、私がマネージャーで良かったですか?
前部長である先輩を、私はちゃんと支えてあげられてただろうか。全てが終わって、先輩が部を去ってからぼんやり思うこと。新しい部長の子と比べるなんておかしな話だけど、先輩の時代の時は私は何一つ困ることなくマネージャー業ができた。経験の差とか、歳上だからとか色々理由はあるけれど。見えないところで先輩は私に気を配ってくれていた。なのに先輩はそれを表に出さず、試合の時はいつものプレーをしていた。私の目にはいつも先輩がきらきらしていた。誰よりもきらめいていた。そんな先輩が、好きだった。
「……いえ。なんでもないです」
こんな質問は先輩を困らせてしまう。だから言わなかった。私がすべきことはこんなことじゃない。次の部長を精いっぱい支えることだ。先輩が私たちを引っ張ってくれたように。今度は私がそれをやるんだ。
「よろしく頼むぞ」
「はい」
はっきりした私の返事を聞いて先輩は笑顔を見せた。それは私の好きな、きらきらした、きらめいた笑顔だった。
お題:きらめき
きらめき、強風、落とし物。
ひらひら、列車、分らず屋。
ひらめき、手庇、知らぬ街。
きらめき
ある日、突然体が軽くなった。
今までずうっと暗い海の底に沈んだように、なにもかも重くてどうしようもなかったのに。今はこんなに軽やか。
なんでだろう?ううん、なんでもいいや。
動けるのって、幸せだもん。
そうだ。せっかく軽くなったんだから、君のところへ行こう。初恋の君。もうずいぶん会ってない気がするよ。
ふわりと体を浮かせて、君の家へひとっ飛び。
住宅街の端っこに、変わらず君の家はあった。
お空が赤い。夕方だね。もう帰ってるかな?
…あっ!いた!高校生みたいな服を着て、大きなリュックを背負って、女の子と一緒に歩いてる。すごくお兄さんになってるけど、君だよね?顔はそのまんま。
…あと、その子はだぁれ?新しいお友達?紹介してほしいな。
(おーい!久しぶりっ!)
大きく手を振って、君に向かって叫ぶ。
でも君は、女の子と話をやめてくれる気配はない。
(おーいっ!)
私の方には見向きもせず、女の子とこっちへ歩いてくる。どうして無視するの?
君はとうとう目も合わせず私の真ん前まで来て…。私を通り抜けてまた歩いていってしまった。まるで、私がそこにいないみたいに。
…いや、もうわかっちゃった。私、幽霊になっちゃったんだ。だから、君には見えなくなったんだね。
そして、私がいなくても楽しそうにしてるんだね。
振り返ると、君は女の子に笑いかけて、家に入っていった。
その笑顔、すごくきらきらしてるね。私には眩しいよ。
私の瞳からも、きらきらしたものが一つ、二つと落ちてくよ。これ、なんだろうね…。
「きらめき」
「キャーッ、煌木光輝(きらめきこうき)くんよーっ!!今日も輝いててまぶしいわっ!!」
「キャアア手をふってくれたわ!」
「ハワワ今日もなんてかっこいいのかしらっ……」
ボクは煌木光輝。スパークル学園高等部の二年☆組に属している、生まれながらにきらめいているキラキラ人間さ。御覧の通り、ボクは教室移動のために廊下を歩くだけでこんな歓声を浴びることができるんだ。え?疲れるんじゃないかって?そんなことないさ。ボクのきらめきに夢中になるのは当然のことだし、ボクはきらめいている人間としてみんなにきらめきを届けなくちゃいけないんだ。ボクのおかげで、この学校はきらめきに満ちているよ。素晴らしい!
「くそ、煌木のやつモテモテじゃねえか」
「あいつがいるせいで俺ら全然モテねえじゃん」
なにやら不満そうな会話が聞こえて、ボクは眉をひそめる。ボクのきらめきに当てられて、彼らのきらめきが曇ってしまったんだろうね。これは由々しき事態だ。ボクは彼らに近づいて、とっておきのきらめきスマイルを浮かべた。
「やあ、こんにちは!こんなところにいないで、ボクと一緒に理科室に行こうじゃないか!次の授業に遅れたくはないだろう?」
「いや、俺ら次国語なんだけど……」
「俺とお前クラス違うから時間割違うんだけど……」
「……これは失礼。では国語の授業を頑張ってくれよ!」
おやおや、ちょっと間違ってしまった。でもいいさ、彼らの心には小さな、しかし貴重なきらめきが戻ったはずだ。
こんなふうに、ボクは学校のきらめきを守るために日々努力しているんだよ。
そんなある日、ボクの身に大事件が起きた。その日、ボクはいつものように放課後のきらめきパトロール、略してきらパトを行っていた。そうして何気なく二年☀組の教室をのぞき込んだ時、ボクは生まれて初めて自分を上回るきらめきを見たんだ。
ボクよりきらめくその少女は、艶めく黒髪を一つにたばね、穏やかで幸せそうな笑顔を浮かべていた。聡明そうな顔つき。唇は桜色で、薄い、上品な形。体はほっそりしていながらも、制服のプリーツスカートの下に見えるふくらはぎはふくよかでやわらかそうだ。なによりその瞳!まるでぬばたまのようで、深みがあり、しかし情熱的に光っていた。吸い込まれるような美しい瞳に目を奪われる。なんというきらめき!まさか、ボクよりきらめいている人間に出会えるなんて!ぜひともお近づきになりたいものだ。しかし、いつもなら誰にでも話しかけることができるのに、彼女には話しかけることができなかった。なんということだ、ボクは緊張しているんだ。それもそうだ。ボクはこんなにきらめいている人間を見たことがないんだから。
ボクは勇気をふり絞って教室に足を踏み入れ、一人本を読んでいる彼女にきらめきスマイルを向ける。
「やあ、君、とてもきらめいているね!君のようなキラキラ人間は初めてみたよ。あの、君の名前はなんていうんだい?」
彼女は驚いてボクを見た。みるみるうちに頬がばら色に染まっていく。まるで夕焼けのようだ。なんて美しい。
「わ、私、星川月夜(ほしかわつくよ)っていうの」
「おお、なんて美しい名前なんだ!皆を静かに照らし輝く君にぴったりの名前だね。ボクは煌木光輝というんだ。よろしくね」
「ふふっ、知っているわ。みんなあなたのことを知っているわよ」
月夜さんはくすくすと笑った。その笑い声は天使の鳴らす鈴のようにボクの心に鳴り響いた。もっと、ずっと聞いていたい。次に何を言おうか考えることができない。今までこんなことなかったのに。彼女のきらめきにあてられてしまったのだろうか。
「ボ、ボクは、もっと君のことが知りたいんだ。君ほどきらめいている人に初めてであったから。もう少しおしゃべりしてもいいかな……?」
心臓がどきんどきんと音を立てる。どうしてこんなに緊張するんだろう。ボクは今まで人に断られたことがないのに、月夜さんに断られたらどうしようなんて考えてしまう。
彼女ははにかみながらほほえみ、やわらかで暖かい、ハープのような声で言った。
「私なんかでよければ。私も煌木くんとお話してみたかったの」
ボクは安心して、ほーっと息を吐く。月夜さんのようにきらめいている人と話せるなんて、なんてうれしいことだろう。きらめきについて詳しく話せるだろうか。そのうち一緒にきらパトができたりして……。考えるだけで心臓のどきどきが高まる。こんなにどきどきするのは初めてだ。
ボクは深呼吸して月夜さんの前の席の椅子に座った。いったい何を話そうか。ひとまず月夜さんが今まで一番きらめいた時のことを聞いてみようか。
わくわくとどきどきがとまらない。ボクは今、最高にきらめいているだろうな。
男が忘れていった水晶のキーホルダーは、今も洗面台の上に置きっぱなしにしてある。連絡したら、「捨てていい」とだけ返ってきて、もうこの人とやりとりする必要はないのだと悟った。
職場で倒れてからそのまま仕事をやめ、逃げるように男との同棲をはじめて、私にはもう何も残っていなかった。埃のつもった多肉植物、冷蔵庫で腐った茄子、消費期限の切れた牛乳。そういった惨めさの中にあって、私ははじめて、ただ生きることに執着してればいいのだと、ある日そう思えた。
それからときどき、捨てられなかった水晶を、窓から差し込む光に透かしてみたりなんかする。
アクリルでできた安っぽいそのきらめきが、何もかもどっちつかずで不安定な私を鮮やかに刺す。
腐ったものたちに囲まれて、泣きわめいたり、落ち込んだり。私は最初から、この薄ら透明な世界の向こう側に、ただ息をしているだけ。
こんな刹那のきらめきが、今を生きようと思えるのに充分足り得る理由になることだってあるのかもしれない。奇妙なことだけれど。