『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
太鼓の音が聞こえる。
赤と白の提灯に、ぼんやりと照らされた道を進む。
下駄がカランカランと鳴った。
さぁ、夏祭りのはじまりだ!
人々のざわめきと、香ばしいにおい。
色とりどりの浴衣は、まるで景色の一部だ。
ここにいるだけでドキドキする。
お祭りって楽しいな♪
狐のお面をつける。
かき氷を買った。冷たくておいしい。
水風船をとるのは難しいなぁ。一個だけだ…
射的でおもちゃをとった。水鉄砲だぜ!
盆踊りの輪の中にまざって踊る。
その中に、同じお面のやつがいた。
「あ」
「ん? …お前!」
どうやら気付かれた。
「なんでひとりなんだよ?! ダメだろ!バレたら怒られるぞ!」
「君もだよね」
「あー!そうだった。とにかく俺とは会ってないし、お前も来てないことにしろよ?」
「わかったから、一緒に遊ぼうよ」
「えー、まぁいいけど…
ヒトビトに気付かれてないだろうな?」
「これがあるから大丈夫だよ」お面に触れた。
人混みに紛れた人間ではないものたち。
お祭りにはたくさんやってくる。
ナナホシ学園そこは人間界と異世界を繋がっている
摩訶不思議な学園であり夏になると掲示板にあるあるポスターが生徒や教員たちが目に止まり群がっていた。
それは…
チャンスも人生も一度きり夏に楽しむなら一発祭り
っと大きく書かれ屋台や食べ物の写真がのったポスターを群がる生徒や教員たちの遠く離れた所で見ていた少年が憧れつつも諦めて張り付いた笑みで
「俺は出られそうに無いな」
とため息まじりにつぶやきその場から立ち去さり職員室の隣りにある部室に戻り入ると何やら部員達で揉めていた何があったのか聞くと
夏に行くなら海か山で揉めているらしく今にも殺し合いが始まる寸前の所で少年が止めに入った部員達は驚きた
「部長いつからそこにいたんですか?!」よくある質問に
少年はさっき戻ってきたっていつも通りの笑顔で答えた
その後ろにこの状態を何一つ理解出来ずいた後輩が口を開く
「あの…入部希望で来た田中タロウですが…」
気まずくなりながらも軽い自己紹介をしたその後に
少年が口を開らき自己紹介した
「俺は幽霊部の部長で学園の大黒柱のタクトよろしくね」
と笑顔で自己紹介をした後に色々な説明をしたが覚える事が多くて追いつけていないタロウは分かりやすく手短にタクトにお願いしタクトは願いに答えるように紙芝居を出し軽く部活の説明をしたのだった
「この部活は娯楽をする場所だよ更に分かりやすく言うとここでは色んなゲームを部員達や部員以外の人や人外
楽しく気がれる部活なんだ~さっきは修羅場寸前だったけどね」
タロウはタクトの紙芝居付きの説明でようやく納得したのはつかの間だったなぜなら部室にはゲーム機以外にもキッチンやベットなど娯楽(ゲーム)とは関係無いものが置いてあったからだ何故おいてあるのか聞こうとした時
眠そうにしている部員がタロウや部員達に
「一発祭り皆は行くの〜?」
とゆったり口調で質問を投げかけ部長以外は行くと答えタロウは一発祭りに行くと答えたがどこか不安げだった他の部員がタロウに聞くと
「クラスの皆にも声掛けたけど誰も誘え無くて寂しくて一人で行くと毎回迷子になるし…」
肩をすくめ落ち込んでいるタロウを見た部員達やタクトは励まそうと一発祭りのパンフレットを持ち出し地図を円卓に広げ囲むように部員達が群がって屋台を回る順番を賑わいながら決めている所とは別に少し離れた場所で他の部員達が作戦会議をしていたようだったそして当時学園の一発祭りを知らせる雷と火を轟音が学園内に鳴り響きそれと同時に歓声が湧き上がり出した洋楽ともに
祭りは賑わい出したそんな光景に目を輝かせ眺めていると肩を軽く叩かれ振り向くと片手にみたらし団子と巾着袋を持っている書生さんの格好をしたタクトの姿に硬直したタロウが
「どうしたの!?その格好…というか一発祭り行けそうにないとか言ってたのに」
驚きのあまり敬語を忘れてタメ口になってしまい隠すかのように慌ててふたたび質問し直しタクトは答えた
「タメ口で良いよむしろそのほうが落ち着くからこの
格好は俺の私服だよ似合ってる?」
と聞かれてタロウ似合ってると答えタクトは続けて言う
「一発祭りの話をしていた部員達は別に他の部員達が俺がこの祭りに参加出来るように先生達や学園長にお願いして学園の清掃や学食作りを手伝ってくれてね」
あまりの嬉しさに話さ止まらなくなっているタクトを話
を止めるようかのように屋台を回ろうと慌てて誘い連れ
出したのはいいものの忘れてしまいさらに慌てふためくタロウを落ち着かせるかのようにお祭りでお馴染みの
金魚すくいならぬ水龍すくいをオススメされ参加したが
一匹も取れなっかったおまけに全身水浸しになったので
風魔法陣の上に乗り乾かし射的や巨大イカ焼きなど色々な屋台を周り気がつけば一発祭りも終わり時計塔の鐘がなり響き先生達や屋台を出してる生徒達は魔法や異能力で片付け去っていく生徒や先生達はどこか寂しそうに
学園へ戻って穏やかな非日常に戻って行ったと思いきや
また掲示板に新しくポスターが貼られてた
夏だ!海だ!ゴミ狩りだ!青く輝く人魚の泡沫
夏だ!山だ!サバゲーだ!緑にくすみ轟くだいだらぼっち
という海と人魚、山とだいだらぼっちが描かれた派手なポスターが貼られてる横に禍々しい字で
血祭りの宴 戦いと血と闇に溺れし者たちよ集え!!
と書かれ背景は黒く一色に塗られて見る者を不安と悪寒を走らせるポスターを見てタクトは
「これからが忙しくなりそうだ」
そうつぶやき部室に向かうのだった
色とりどりの飴屋が並ぶ
面を被った店主が おいでおいでと手招きをした
ゆらゆらと昇りゆく
一面を埋め尽くす提灯たちが照らし出すのは
空を泳ぐ巨大な黒い鯨
ビードロを吹きながらはしゃぐ童たちの上を
ボゥーと、低い鳴き声をあげて
ゆっくりと凪がれていく
どこかで見たような
何か大切なものを忘れてしまっているような
そんな郷愁が、一陣の風となって
夜市を裸足で駆け抜けていった
お祭り
浴衣姿の二人のカップル
土手で花火を見ていたら
花火と同時に
[○○○しよう]と
彼氏が言ったが花火の音で聞こえなかった
お祭り終了後彼女が
[さっき、花火と同時になんて言ったの?]
[ん?あっ。……][
[ねぇ、なんて言ったの][
[セックスしようって言った]
[スケベ…でも。いいよ]
[えっ!いいの?]
その後二人はホテル街に行ったみたいだ
親戚が大勢集まって、
みんなで馬鹿騒ぎしていたあの頃。
「お祭りに、参加するハナシかお祭り自体の関係者か、そういうのを準備する立場からのハナシか、なんなら露店視点のハナシも、書けるっちゃ書けるか」
最近は真夏日猛暑日の報道ばかりだから、ぶっちゃけ俺は夏祭り行けてねぇけどさ。某所在住物書きは今回分の題目を見ながら、最後に祭りで飲食したのは何年前だったろうと回想した。
「あと、祭りであれば良いワケだから、春の花見だろうと冬の雪祭りだろうと」
そういや某雪まつり、2024年の雪像のラインナップ、どうなるんだろうな。物書きは暑さの逃避として、遠い約半年後の祭りを思い、アイスをかじった。
――――――
最近最近の都内某所は、相変わらずの最高気温。
雪国出身という、人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者は、外出すれば秒で溶けてしまう。
よってもっぱら某アパートの己の部屋で、防音防振の静寂を享受しながら、ひとり来週の仕事の整理と準備をしていた。
『今日花火大会だって!』
ピロン。そんな捻くれ者のスマホに、グループチャットアプリでメッセージを寄せる者があった。
『19時から!花火!クレープ!たこ焼き!』
捻くれ者の知らぬアニメキャラのスタンプが、ハイテンションで連打して添えられている。
長い付き合いであるところの、職場の後輩である。
メッセージを読み、思案に短く息を吸い、吐いて、
画面を変え17時から21時近辺の天気予測と気温を確認して、小さく首を横に振った。
16時で35℃の予測である。
大会開始時点で31℃である。
後輩は無事であっても、捻くれ者は確実に途中でダウンしてしまうだろう。
『私などと一緒に行っても楽しくないだろう』
遠回りな表現でお断りの返信をして、捻くれ者が資料の作成に戻ろうとすると、
『行くんじゃないの。見るの』
ピロン。すぐスタンプとメッセージが返ってきた。
『先輩の部屋静かじゃん。涼しいじゃん。そこそこの高層階だから、焼きそばとかチキンとか、チョコバナナとか持ち込んでお祭りごっこ、みたいな』
そうくるか。
捻くれ者の目は秒で点になった。
『見えるかどうか、保証できない』
『ケバブと焼き鳥があれば雰囲気は出る(断言)』
『それはただの飲み会だ』
『じゃあ例の稲荷神社のおみくじと御札買って、お祭り要素追加しとくから。あとアイスとかき氷』
『何かあったのか。やけ食いのように、食べ物の名前がポンポン出てくるようだが』
『昨日ゴマスリ係長に捕まって不要不急のサビ残と上司接待させられた』
『了解。把握した』
要するに、花火や祭り云々より、心の緊急デトックスが本音本題らしい。
後輩の言う「サビ残と上司接待」を用意に想像できる捻くれ者は、少しの同情を寄せ、ため息をひとつ。
延々無駄な話を聞かされ、ぐずぐず己の管轄外を、書類なり掃除なり整理なり、やらされたに違いない。
『串焼き程度は用意できる。他に食いたいものがあれば、手間だろうが自分で買ってきてくれ』
冷蔵庫の中の肉と野菜を確認して、捻くれ者が降参のメッセージを送信すると、
『りょ!宇曽野主任も行くってさ。先輩の親友の』
「は?」
すぐに返信が来て、その文面は、再度捻くれ者の目を点にさせた。
最近ここのおかげでほぼ毎日何かを考えて書くようになった。
言うて数日だけれども、なにかを書いて残しておくことをするのが久しぶりなので楽しい。
TwitterもわりとROM専になりがちで、毎日1ツイートはするぞと決めても、リプライが来たら会話しないといけないのが面倒でツイートしなくなってしまう。
リプ返しないのに日常ツイートができないから、日常ツイートする為にリプ返する。
LINEも返信が面倒。1人でいる時くらい1人を満喫させてくれと思ってしまう。そんなこと言えないけれど。
でも本格的に一人ぼっちになったら、他の人に頼ってしまうんだろう。都合のいい奴だと思う。だから、一応頑張って返信している。頑張るって何だ。
SNS向いてない。重く考えすぎ。じゃあオフラインで日記書けばいいと思うけど、それだとなぜか続かない。
こだわり強すぎ、めんどくさすぎ。
そんな私がゆるく毎日書けるところがあるのが嬉しい。繋がりもなくて楽。でも誰かが読んでくれているのが分かって嬉しい。
最近めっきり創作物も書けなかったけど、投稿の度に文章を完結するようになったからか、ふと書けるようになってきた。要リハビリ。
いつもとは全然違うことを書くので普通に気分転換になっている。
書くのって楽しい。
ここはお祭り会場みたいだ。いろんな出店があって、色々まわれる。そして自分も出店側ができる。
ただまわってるだけで楽しい。
いつまでいれるか分からないが、たくさん楽しみたい。
―お祭り―
浴衣に袖を通して
帯もしっかり結んで
髪の毛も綺麗にまとめて
足袋の上から下駄を履いて
扉を開ければ遠くに見えるは
光を放つ提灯と連なる屋台
聞こえてくるのは
お祭りの音
気にしてるだけじゃつまらない
今度は私の番でしょう?
リョウくんとケンカした。となりの席の男の子。いつも勝手にわたしのペンケースからペンを抜き取ったり、教科書に変な絵を落書きしてくる。今日も勝手にわたしのペンを使おうとしている。やめてよ、と言っても聞いてくれたことはない。でも、何も言わないでいても変わらないのでせいいっぱい声をはり上げてやめてよ、と言った。リョウくんは「うるせーな」と言っただけでにやにやしている。毎日毎日こんなふうにいじわるされて、もうガマンできなかった。だからリョウくんに向かって思いきり消しゴムを投げた。リョウくんはもう笑うのをやめてびっくりした顔を見せた。その後、何も言わずに盗もうとしたわたしのペンを机の上においてきた。
その日からもう、リョウくんはわたしにいじわるしてくることはなかった。
昨日で学校は終わり。今日から夏休み。友達といっしょに自由研究をやろうね、と約束した。だから、学校は休みでも今日も明日も明後日も会うことになっている。でもリョウくんとは会わない。友達じゃないから。なのに、家を出たすぐのところにリョウくんが寄りかかっていた。わたしと目が合うとこっちにやって来る。
「ん」
にぎった手をわたしに向かってつき出してきた。なんだろう。よく分かんなくてぼーっとしてたら、手を出せ、と言われた。わたしの手のひらに何かが乗せられた。それは消しゴムだった。
「……なに、これ」
「おまえがこないだオレに投げてきた時にわれただろ。新しいの、買ってきた」
リョウくんはこまったような顔をしていた。こんな顔を見たことがなかった。いつもわたしには、ふざけていじわるな笑いばっかりしてくるのに。
「ありがとう」
もらっていいみたいなので、その消しゴムを受けとった。われちゃった時はたしかに凹んだけど、そこまでショックではなかった。それよりも、リョウくんがこのために家の前まで来てくれたことにびっくりしている。
「あのさ、」
まだ、何かわたしに用事があるみたいで。さっきから口をもごもごさせている。今日のリョウくんはなんか、変だ。いつものえらそうなふんいきが全然見えない。
「今日の夕方お祭りあるの、知ってるか」
「お祭り?知らない」
「それに、行こうぜ」
「え?」
何を言われてるんだかすぐに分からなかった。もう1回言って。そう言おうとしたのにリョウくんはぷいっと向こうを向いている。耳しか見えなくて、その耳は赤くなっていた。お祭りに、行こうって。わたしに言ったんだよね、今。
「いいよ」
答えたら、リョウくんはもう一度こっちを見た。やっぱり耳だけじゃなくて顔ごとゆでダコみたいに真っ赤だった。
「消しゴムなげてごめんね」
わたしがあやまると、リョウくんは別に、と言って、そしてまた顔を向こうに向けてしまった。でも別におこってないことは分かってる。じゃなきゃわたしをお祭りになんてさそってこない。
楽しみだな、お祭り。リョウくんと行くお祭り、楽しみ。
【お祭り】
ざわざわと騒々しい人々の声と、祭囃子の音色が重なり合う。吊り下げられた橙色の提灯が、並んだ屋台を鮮やかに照らしていた。夏祭りの夜は熱気に溢れ、いつも以上に蒸し暑い。屋台で買い込んだ食事を詰め込んだビニール袋を揺らしながら、僕は慣れない下駄で人並みを掻き分けた。
森の奥へと続く脇道へと抜ければ、一気に人の気配がなくなる。木々が運ぶ風は清涼で、いつしか喧騒もすっかり遠ざかり僅かな祭囃子の音色と僕自身の足音だけが、ゆったりと鼓膜を揺らしていた。
「来たよ、久しぶり」
朽ちかけた祠の前で声を張り上げる。そうすると祠の影から人影が覗いた。昔は随分と大人に見えていた姿は、今ではあどけない子供のそれにしか見えない。その事実が少しだけ寂しかった。僕に流れる時間と君に流れる時間は異なるのだと、改めて眼前へと突きつけれているようで。
「やあ、久しぶり。今年も飽きずに来たんだね」
柔らかく微笑んだ君へと、ビニール袋を差し出した。焼きそば、たこ焼き、フランクフルト。一人で食べるには多いけれど、二人で食べるにはちょうど良い。
君がどういう生き物なのか、厳密には僕は知らない。お祭りの夜にしか姿を見せない、僕の人ならざる友人。幼い頃にこの祠の前へと迷い込んでから毎年、こうして君のもとを訪れては、横並びで地面に座り込み言葉を交わす。それだけで僕には十分だ。
遠く響く和太鼓と笛の音に耳を澄ませながら、僕は一年に一度だけの君と過ごすひとときに身を委ねた。
お祭り。
いいですよね、コロナでここ数年出来ていませんでしたが、今年出来てよかったですね。
私は、知らない女の子と仲良くなりました。
本当に謎です。その子は小5の子で私が通っていた小学校の子でした。
私が知っていた先生も、ほとんどいなくなっていたという事実を知って悲しんでいるこの頃です。
皆さんは、祭りで楽しい思い出を作れましたか?
これからの方はぜひ、楽しんでください
お祭りと言えば何?
花火?浴衣?金魚すくい?
私にとってお祭りと言えば、綿あめ
美味しいよね
【お祭り】
『お祭り』
コロナで中止だったお祭りが、今年はアチコチで開催する情報を耳にし、嬉しい限りです。
近所の子どもたちが練習している祭囃子のメロディが日常に戻ってきて、「あぁ、夏だなあ。」と、感慨深くもあり、懐かしくもあります。
と、いうことで、俳句にしてみます。
・暑い空祭囃子と蝉の声
・かき氷浴衣に似合ういちご味
・カランコロン下駄が鳴る鳴る祭りの夜
祭囃子が聞こえる。
だんだんと近づいてくる。
半分夢の中でも必死に考える。
いつ寝落ちしたのだろう…
傍に落ちたスマホの充電はカラだった。
ケーブルに繋いで、生き返った画面を見たら、一気に目が覚めた。
彼女の愚痴を聞いている最中だった。
LINEの最後には一言。
『大嫌い』
〝別れる〟じゃなくて〝大嫌い〟
そんな事で少し安心する。
電話をかけ直しても出てはくれない。
ま、想定内。
『花火を見に行こう』
と、LINEをしてみたら既読スルー。
ま、想定内。
さ、シャワーを浴びて、迎えに行くか。
子供の頃から、花火は一緒に行っていた。
約束する事もなく、なんとなくいつも。
慌てて大事な物を忘れないように…
スマホと一緒に置く。
もう代わりなんて考えられないから。
【お祭り】
服が肌に張り付くようなジメッとした暑さ。周りには人、人、人。
暑さも人混みも嫌いなはずなのに、なんでこんなに心が踊るんだろう。
焼きそば、焼き鳥、かき氷、わたあめ…
焼きそばや焼き鳥なんて普段でも食べれるのに、なぜこんなにおいしく感じるんだろう。
たぶんそれは、隣に君がいるから。浴衣を着て、いつもは結ばない髪をアップにして。普段は見えないうなじがとてもキレイで触れたくなった。
下駄を履いてるからか、いつもより小さな歩幅にあわせて歩く。いつもは少しでも近づきたいというかわいい理由でヒールが高い靴を履く君が、下駄を履くことでいつもより小さく見える。
もう全てがかわいくて、そんな君が隣にいるのなら嫌いな夏も悪くない。
お祭り
今年こそ彼氏と行きたかった私である
#非リア
子供の頃、近所の広場で自治会主催の納涼祭が行われていた。
数日前にポストに祭りの案内が投げ入れられる。
それにはジュースの引換券が付いていた。
当日、暗くなるとすぐ祭りに赴き、他屋台に目もくれず
なかなかの長蛇の列に並ぶ。
係りの人が勝手に選んだジュースと引き換えたら
学校の輩に会わぬよう、とっとと帰るのだ。
家で見たこともないパッケージのジュースを飲む。
毎年お決まりの納涼祭。
今もまだやってるのかな。
ジュース引換券付き案内が来たら行ってみるか。
そして蚊に食われぬよう、とっとと帰るのだ。
8月31日。夏休み最終日に、地域にある比較的大きい神社で祭りが開催される。そこには出店が出てきたり、この地域独特の踊りを踊る。老若男女、誰もがこの楽しい祭りを楽しみにしている。私だってその1人だ。
そして、夏祭り当日。私は家の用事で少し遅れて祭りに参加した。今年もいつも通り人で賑わっていた。もう踊りも開催されているようで、子供や若者、他にお年寄りのおじいさんおばあさんも踊っていた。見てる人達もニコニコしていて、誰もが楽しげだった。その風景を見ていた私もいても立っても居られなくなり、すぐに踊りの輪に入った。うろ覚えで下手な踊りでさえ、誰も気にせず踊る。そんな雰囲気が私は大好きだった。
少しして、私は少し疲れ、出店で何か買おうとした。りんご飴、射的、焼きそば、金魚すくい、イカ焼き。美味しそうな物と楽しそうな物がズラッと並んでいる。私はりんご飴を買い、コンクリートの上に腰を下ろした。甘くて大きいりんご飴は、この祭りの中で1番人気だ。私はそれを頬張っていると、1人の男の子の声が耳に入る。
「あぁー!!お金がー!!!」
そういいながら男の子は本殿の横にある、森に繋がっている薄暗い道に入ろうとする。どうやら、お金がその道に転がっていってしまったようだ。そこを見ていた私は、その男の子に声をかける。
「ちょ、ちょっと待って!そこの僕!」
男の子は振り返る。その目には涙を浮かべていた。
「な、何....?お姉ちゃん、僕早く行かなきゃ....」
「僕、さっきお金落としてたでしょ?でも、こんな真っ暗のとこって怖くない?」
「そ、そりゃ怖いけど.....でも、それじゃお金が.....」
「それじゃ、お姉ちゃんが代わりに探してきてあげるよ。こんなとこ、行かせたくないしね。」
おそらく幼稚園児頃の年である子に、こんな所行かせるのは可哀想だと思った私は、男の子にこう声をかけた。
「え.....い、いいの.....?」
「うん、いいよ。だから僕は待ってて。すぐに探して戻ってくるからさ!」
「あ、ありがとう!お姉ちゃんいい人だね!」
「ふふ、ありがとう。じゃ、待っててね。」
「うん!」
よし。じゃあ早く見つけてあの子に渡してあげよう。そして、私は隅々まで探した。けど、中々見つからず、遂に行き止まりまで来てしまった。だが、そこには小さな祠とおそらく男の子のものであろう五百円玉がおちていた。
やっと見つけた。そう思い、私はその五百円玉を拾い、この不気味な森から出ていこうとした。が、しかし、その時に石につまづき、祠に手がつく。すぐに体制を戻し、私はすぐにその森から逃げた。.....手が触れた瞬間、何故か寒気がして、不気味に感じたからだ。そうして、私は元の場所へ戻った。
.....だが、そこはさっきまでと全く違った。あの時の騒がしさも、人も、勿論あの男の子もいなかったのだ。.....だが、その代わりに、1人の男が立っていた。それも奇妙な姿をしており、狐耳、しっぽ、真っ赤な目、真っ白な髪色。この世の者ではないみたいだ。
(え.....誰?っていうか、みんなは....?)
戸惑っていると、男がこちらを振り向き口を開く。
「.....迷い子?珍しい。あぁ、今日は縁日だったか。」
迷い子?私が?状況が読めずにいると....
「.....可哀想に。善行を行ったというのに、俺みたいなのに出会うなんて。」
「え.....?」
「まぁ、いいか。」
男は微笑み、次にこう言う。
「ようこそ。こっちの世界へ。」
祭りの出囃子が窓越しに聞こえてくる。
今日お祭りだったっけ、そう思って窓の外を見た。
乱立する屋台、ひしめき合う浴衣の男女たち。屋形船。
最近見てなかったから、何だか楽しそうだなという気持ちはある。
しかし、いつから私は行かなくなったのだろうか。
カップルで行く常套手段だったのに、電車が混むだとか、トイレ探すのに地獄をみただとかでいつしか私はお祭りには行かなくなってしまったな。
やっぱり家でいいや、そう言って私はテレビの花火を眺める。
静まる夜。
部屋には私の呼吸の音のみが響く。
誰もいない部屋で、
私のために呼吸を殺す。
眩しい朝。
部屋には私の活動の音のみが響く。
誰もいない部屋で、
私のために足音を消す。
そしてまた夜。
部屋には私の呼吸の音は響かない。
誰もいない部屋で、
遠くの大勢の人を感じて、
私は私を隠す。
「お祭り」