『ありがとう、ごめんね』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ありがとう、ごめんね。
ごめんね、のところだけ頭の中で呟いた。
きっともっともっと素敵な人が君の人生に現れる。
わたしのことは、なるべく早く忘れてくれていいよ。
さよならの代わりに笑顔の記憶をあげる。
だから、ごめんね。
君はなんにも知らないままでいい。
たとえわたしの最後の君の思い出が、後ろ姿だとしても。
聖人君子に見えているのなら
私と一緒になってはいけない
(ありがとう、ごめんね)
ありがとう、ごめんね
が言い合える関係は理想的
でも難しいね
特に一緒にいる時間が長くなるほど
もっと素直に
自分の心に正直に
プライドなんて関係ない
いつまでいれるか分からないよ
明日後悔しないために
いつもありがとう
今すぐ伝えないと
どうせフラれるって、分かってた。
それでも、やるしかないんだ。今日は卒業式だから。
今日しか、もう想いを伝えることができないから。
なけなしの勇気を振り絞って、卒業式終わりにそっと彼に声を掛けた。
誰もいない廊下。少し肌寒くて、上着の袖をぎゅっと引っ張りながら、口を開いた。
その間、こわくて彼の顔を見ることはできなかった。
けれど、
「―ありがとう、ごめんね」
そう優しい声色で告げた彼の表情が気になり、思わず顔を上げた。
今まで見たことない、儚げで慈しむような優しい微笑みを向けられていた。
途端に、涙が溢れて視界が滲む。うれしいのか、かなしいのか、もうわからない。
ただ、今日のことは何があっても絶対に忘れないと、そう思った。
明日私は、違う名字になる。
新しい家は、母と暮らした家からは県を二つ跨いだところにある。
明日から母はあの家でひとりで暮らすのだ。
新しい家はとても楽しみだけれど、大事なものを置いていくような、心細くて落ち着かない気持ちがいつまでも離れない。
ありがとう。おかげさまで楽しかったわ。
私が変な顔をして黙っていると、母が私の頭をぽんぽん、と撫でて微笑んだ。
わたしのほうこそ、いままでありがとう。
ひとりにしてごめんね。
途中から声が震える。視界がぼやけて見えなくなる。
そんなのいいよ。元気でやんなさいよ。
やわらかな母の声に、また涙があふれる。
お母さんの娘でよかった。
ありがとう。
今日も一日頑張りましたね
心臓も休みなく動いてます
ご飯も美味しく胃腸も元気
大切な人を想う機能も万全
忙しい時無理してませんか
どんなときも支えてくれる
自分自身に伝えてください
『ありがとう、ごめんね』
「ありがとう、ごめんね」
正反対な言葉だね。
正反対の人間って感じ?
正反対でも仲良くできるのかな?
正反対でも、それを分け合えば最高だよね。
だから、全然違う言葉でもどっちも使えるといいねって話しだよ。
ありがとう、ごめんね
小学生の高学年のころだったと思う
家族で参加中の町内会の体育祭
テント内は土足厳禁
靴を脱いだら靴下に染みができていた
靴の中でしんでいるのはカマドウマ?
どうしようどうしようもうこの靴履きたくないこわすぎる
おかあさん靴こうかんしてくれない?
(ちょうどサイズも同じくらいで)
理由は言えない言えないまんま
けれども交換してくれた母に
心から
ありがとう、ごめんね
(大人になってからもう一度きちんと謝りました)
あなたの期待に応えられない
【ありがとう、ごめんね】
世界一素直に言うのが難しい言葉。
でも、世界一美しい言葉。
━━━━━━━━━━━━━━━ありがとう、ごめんね
愛した君に恋がしたい
信じてなかったの最初は。好きだよって言われて、嘘でしょって返すくらいには冗談だって思ってた。君の傷付いた顔を見て違うって分かったけれど。私もって咄嗟に口走ってから後悔した。あんまりにも嬉しそうだったから。親愛の情はあっても恋なんかじゃなかったのに。
私は私に嘘をついたの。君を少しでも失いたくなかったから。そこからはまぁ知っての通り順調だったよね。もともと相性は良かったし。私は君を好ましく思ってたんだから。ただ一つ困ったことがあるとすれば、君の瞳に映る熱を私は分かち合えないってこと。浮かされたような視線も、止まらない鼓動も触りたいという欲さえ私は持ち合わせていなかったから。ごめんね。愛してたよ。
恋はできなくても愛してた。最初を間違えたからかな。
平行線のままだったね。ずっとずっと願ってたのに。
これだけは叶わなかったよ。
お題【ありがとう、ごめんね】
ひときわの山嶺のみの光る夕・敬慕を敬慕とする「起立・礼」
その日は朝から雨が降っていた。
バケツをひっくり返したような酷い雨が窓に打ち付けられ、バチバチと音を鳴らす。もう午前9時を過ぎているというのに窓越しに見える景色は薄暗く、そしてひどく濁った空だった。
傑は無表情で窓際に佇み、静かにそれを見つめていた。
いつもならこんな休みの日は部屋に篭り、何をするでもなく鬱々と一日を過ごしていただろう。悟も休みが合えば当たり前のように部屋を訪れ、桃鉄をやるのがお決まりだった。
悟は今日は任務だっけ。
ふと、時計を見ると10時30分を回っていた。
傑は徐に上着を取り部屋から出ると、外出届も出さぬまま、高専の外に歩き始めた。
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「あら、珍しい。来るなら連絡をくれたら良かったのに。雨で濡れてるじゃない。ほら、早く入って。」
実家の玄関先で母が笑顔で、おかえり、と出迎えてくれた。
最近は立て続けに任務が入り、実家に立ち寄る事も電話をかける事も滅多になかった。そんな息子が訪れたのだ。母はとても嬉しそうだった。
「今日はお父さんもいるのよ。タイミングが良かったわね。」
「そうなんだ。それは嬉しいな。会いたかったんだ。」
そう言うと母はふふっと笑って傑の肩をポンと叩く。
玄関をくぐると懐かしい匂いがした。
リビングのソファに座り新聞を読んでいた父も息子の帰宅に気付き思わず顔が綻ぶ。
「何食べたい?急に来るから大したものは作れないけど。」
母は冷蔵庫の中を覗き込み、ガサガサと食材を見繕っている。
オムライスなんてどう?と言うと傑はいいね、と答えた。
どこにでもあるような幸せな家族の姿がそこにはあった。他愛もない話をして、どこからでもなく引っ張り出してきた中学の卒業アルバムや小さい頃の写真を見て会話に花が咲いた。
本当にこの2人から貰った愛情は計り知れない。傑が変なものが見えると打ち明けた時も、疑うこともせずただ信じてくれた。本当に心から大好きで大切な存在だった。
…これからもずっと。
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「ご馳走様。すごい美味しかったよ。やっぱり母さんの料理、好きだな。」
「あら、そんな褒めても何も出ないわよ。」
母はにこにこと笑う。
「母さんがこんな笑ってるの久々に見たよ。傑が帰ってきて嬉しいんだろう。これからはもっと帰ってきなさい。」
傑は父の優しい物言いが好きだった。低いトーンの落ち着いた声もとても心地よかった。
傑はさっと立ち上がり母と父の前に立ち深くお辞儀をする。
「父さん、母さん、ここまで育ててくれて本当にありがとう。」
傑がそう言うと不思議そうな顔でこちらを見つめてくる2人に、聞こえぬ程の小さな声で
「ごめんね。」と呟いた。
「あらやだ。急に何?そんなに改まっ…………」
母が言い終わらぬうちに呪霊を顕現させ母の首を噛みちぎらせた。
「傑!!」
「お前…なんてこと…ぐはっ………」
父の言葉も遮った。
傑はあたり一面の惨状を無表情でただ見つめていた。
もう元には戻れないのだ。非術師は皆殺しにしなければならない。それが愛している両親であっても。
返り血を浴びて着ていた白いシャツが紅く染まる。
顔に付いた血を手で拭えば、拭いきれなかった血が口の中に流れ込み、酸っぱくて苦い鉄の味がした。
両親を手にかけても不思議と何も感じなかった。後悔も悔恨も何もなかった。最後にこの2人を殺すのが自分であった事に安堵すらした。
「さて…。」
そう言うと汚れたシャツを脱ぎ捨て、新しいシャツに着替えると、なんの戸惑いもなくその場を立ち去った。
術師だけの新しい世界を作るんだ。
そう思いながら軽い足取りで玄関をくぐると、あんなにひどかった雨はすっかり止んでおり、空には綺麗な七色の虹が出ていた。
ありがとう、ごめんね
何時でも、一緒だったね…中学生のあの日、桜の花びらが風に舞っていた午後の図書室の窓辺から、ぼんやり校庭を見ていた…その時に、君から声を掛けられて…其れからずっと、毎日のように、同じ時間を過ごしていたね…君の優しい瞳に、いつの間にか、片想いしていた…誕生日のプレゼントや、お土産だの、時折些細ながら、贈りあったこともあったね…君のその素敵な心遣い、本当に、本当にありがとう…そして、それなのに、ごめんね…こんな、事になるなんて…もっと君の側にいて、ずっと護っていくって誓ったのに…ごめんね、ごめんね…
19.ありがとう、ごめんね
僕はいじめにあっていた。みんなはいじめる理由とか覚えてないと思うけど、僕ははっきりと覚えている。
中学一年の頃だったか、僕の口癖が「ごめん」だったことから目をつけられた。
「おい、早くパン買ってこいよ。」
一番僕を乱暴に扱う君。乱暴だけど君はとても
綺麗で、美しい顔をしている。見惚れていると君は
恥ずかしそうに目を逸らし「早く行くぞ。」っと
そう言って僕の手を引いて歩く。
その手は優しくて温かい…君の真っ赤な耳が見えて
ニヤニヤが止まらないでいた。
そんな時間が小さな幸せだった。
でも日に日にいじめはエスカレートしていった。
教室にいるだけでも辛かった。
ボーッとしながら帰っていたら突然、
視界が真っ赤になった。身体中が痛い。
あちこちの骨が折れていることがわかった。
事故ったんだ。そばには僕を乱暴に扱っていた君が、
泣いていた。顔を真っ赤にしながら…
(泣かないで。笑顔でお別れしようよ。)
僕は最後の力を振り絞って君に言った。
「ごめんね。ありがとう…君が好きでした。」
そう言って僕は旅立った。
君は声が枯れてしまうくらい泣いていた。
【133,お題:ありがとう、ごめんね】
淹れたばかりのコーヒーを片手に、ある部屋の一室へ向かう
ノックし、「入るよ」と声をかけながらドアを開けると、その音に反応したのか
ビクリと肩を揺らしてこちらを振り返る少年の姿があった
「驚かせてしまったかな?すまないね、もう身体は平気かい?」
「...いえ......なんか、すんません...俺、凄い迷惑かけてて...」
少年の身体は、全身包帯で覆われていて痛々しい
どこか物憂げな瞳の奥には、怯えるような光が反射していた
「子供は迷惑かけるのが仕事だろう?なにも謝ることないさ」
コーヒーを1口飲み、少し苦くしすぎたな、と顔をしかめる
その間、突き刺すような視線がじっと向けられていたのは気にしないで置こう、殺意があるわけじゃないんだ
ごほん、とわざとらしく咳払いをすると、またビクリと肩を揺らし少年が怯えたように視線を彷徨わせた
「まあ、希死念慮 自傷癖 脱走癖はちょっと困るけど」
「...!......」
少年がいる部屋は、病室のようなベットが1つ
その他は恐ろしいほどなにもない、窓は板材で塞がれ、壁は全てまっさらな灰色
まるで牢獄のような部屋だ、まあ、こうなったのにも訳がある
この保護した少年が、希死念慮 自傷癖 脱走癖を持っており
少し目を離すと、窓から飛び降りる 腕を咬み裂こうとする 血まみれになって暴れるのだ
少年とは思えない程の馬鹿力で、落ち着かせるのに何度苦労したことか
「なにか、君のことに関係があるのかな?」
「ッ......」
ちょっとデリケートな話題だったか、急に踏み込んでいい内容じゃなかったかもな
分かりやすく動揺した少年は、悲しみとも嬉しさとも嫌悪ともつかない曖昧な表情で
しばらく視線を彷徨わせ、それからぽそっと口にした
「俺は......生きてちゃ駄目なんだ」
「......どうしてそう考えるんだい?」
両腕で身体を抱き抱えるようにしながら、少年は細々と話す
「俺は......人を殺した、......1人じゃない、大勢の人が俺のせいで死んだ。俺が...殺したんだよ」
「......それは、君が悪い訳じゃない」
「...いや俺だよ、......あんた達には感謝してる。ありがとう、でもごめん」
俺は死にたい、その言葉からは到底少年が背負うには重すぎる過去の責任が見て取れた
何もかも受け入れてしまったかのような、死んだ泉のような静かな目
その目の奥には、彼が押し殺した、弱い少年が膝を抱えて泣いている
「死にたがるのは別にいい、でもそれは君の本心かい?」
「......。」
「そうか、君の力は人を救うことだって出来るのに、かい?」
「えっ...」
小さく顔を上げる、それはようやく少年らしい表情だった
「君の力で救われる人がいるかもしれない、そしてそれは君にしか出来ないことかもしれない
......強い力も受け入れてしまえばただの個性さ、力の使い方を学ぼう、死ぬのは別にそれからで構わないだろう」
戸惑ったような顔でこっちを見てくる少年
それはいまにも泣き出してしまいそうな、迷子の子供のような顔で......なんだ、全然普通の子供じゃないか
こういうとき何て言ったらいいのか分からないのか、言葉にならない空気の塊を何度か吐き出して
ようやく喉を震わせた
「......あり...がとう、ございます...迷惑かけてすみません」
「...ごめんなさいは要らないかな」
「...ありがとう...ッ」
「うん、大丈夫だよ」
ありがとう、ごめんね
亡くなった友から伝えられた。
「ありがとう、ごめんね」
亡くなった祖母から伝えられた。
「ありがとう、ごめんね」
次はみんなに私が言います。
「ありがとう。ごめんね」
ただの自己満足な言葉。
それでも、
どういたしまして、いいよ
の一言で優しさが返ってくる、罪の意識が消える言葉に変わる。
お題:ありがとう、ごめんね
いつもいつも怒ってばっかだった母さん。
俺小さい頃はなんでいつも怒るの?って疑問だったよ
それが俺のためだったなんて気付けるのは
到底先なわけで
家族を持った今ならわかるよ
母さんの気持ち
あの時は反抗的な態度で
ごめん、でもありがとう
むかし、わたしが小学生の頃。
ませていたわたしには大好きな子がいたんだ。
物知りな彼がわたしの世界だった。
彼の中の広い世界はわたしの世界をも広くしてくれる。
そんな彼が大好きだった。
彼からの好意には気付いていた。
臆病なわたしは気付かないふりをしたんだ。
でもね、本当に大好きだったんだよ。
好きな人には1番幸せでいて欲しいから。
わたしじゃ幸せにできないと思ったんだ。
あれから5年が経った今、彼は何を思って、、、
何を思ってわたしに連絡をくれたのだろう。
わたしは彼に会うことができるのだろうか。
彼に会って何を言えばいいのか。
「あのときはありがとう。今更、、ごめんね。
大好きだったよ。」
いまも、、言いかけた言葉は胸にしまい、目の前の彼に精一杯の笑顔を向けた。
「じゃあね。」
次に会えるのは何年後かな。