愛した君に恋がしたい
信じてなかったの最初は。好きだよって言われて、嘘でしょって返すくらいには冗談だって思ってた。君の傷付いた顔を見て違うって分かったけれど。私もって咄嗟に口走ってから後悔した。あんまりにも嬉しそうだったから。親愛の情はあっても恋なんかじゃなかったのに。
私は私に嘘をついたの。君を少しでも失いたくなかったから。そこからはまぁ知っての通り順調だったよね。もともと相性は良かったし。私は君を好ましく思ってたんだから。ただ一つ困ったことがあるとすれば、君の瞳に映る熱を私は分かち合えないってこと。浮かされたような視線も、止まらない鼓動も触りたいという欲さえ私は持ち合わせていなかったから。ごめんね。愛してたよ。
恋はできなくても愛してた。最初を間違えたからかな。
平行線のままだったね。ずっとずっと願ってたのに。
これだけは叶わなかったよ。
お題【ありがとう、ごめんね】
12/8/2023, 2:59:00 PM