『あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
分かり合えないものが
絶対にあって
分かり合えることも
絶対にあって
会って合ってあって。
愛し合って、
違うことも同じことも
まるでこの世が
二人きりの世界になって
何言ってるのかわからないって?
それくらい君が好き
–あなたとわたし–
あなたはあなた
わたしはわたし
わかっているのにわからない
”あなたとわたし”の切り離し方
あなたとわたし
右利きと左利き
男 と 女
文系 と 理系
泣き虫と暴れ者
辛党 と 甘党
きのことたけのこ
凸凹コンビ
あなたは いつも うつろなめで こくうをみている
わたしのことなんて みてくれない
わたしのことをすてたあなただけど わたしは あなたをすてないよ
あなたが わたしをみてくれなくても そのぶん わたしがあなたをみつめるから
あなたはわたしで わたしはあなた
もともとはおなじもの
いつかはきっと きえると わかっているけれど
そのときくらいはわたしをみてほしいな
20231107 あなたとわたし
あなたとわたし。
ずっと一緒にいたよね。
でも今は違うね。
世界が変な目で見るからわたしは僕になって、
あなたはあなたのままだ。
僕は相変わらず優柔不断で芸術に身を捧げたいと思ってる。
あなたは相変わらず明るくて芸術を愛してる。
共依存してたあの頃にはもう戻れないのかな。
でももう遅いね。
きっとこれから少しずつ僕らは連絡も取り合わなくなって
自然に縁が切れる。
あなたはもう友達もいるしきっと大丈夫だよね。
僕もそろそろ決断しなきゃね。
あなたを一番に考えてた頃とは違うんだもんね。
ばいばい。
楽しくもない話をするあなた
わたしは「あはは」と相槌を打つ
楽しかった話をするわたし
あなたは「あはは」と相槌を打った
~あなたとわたし~
「あなた、本当にわたしとそっくりね!」
部屋の前に立っていた人物は、容姿や髪型、服装や趣味までもわたしと同じだった。
「そう?世界には自分と同じ顔の人が3人いるっていうし、今会えたのは奇跡かもね。」
不思議なことに彼女が言ったことは、まさにわたしが話そうとしていた内容だった。
「へへ、そうかも。実はわたしも同じ事考えてたんだ。ねえ、友だちにならない?」
「それはちょっと、私には難しいかな。」
「理由を聞いても?」
「それはね。」
「あなたが失敗作だから。」
わたしは、銃で頭を撃ち抜かれた。
そして私は、血溜まりの床を眺める。
「ごめんね。いくらあなたが"私"のクローンと言っても…私に似すぎているのは困るんだ。」
あの子は野菜が大好きで、あいつは野が大嫌い。
あの子ははホラーが嫌いで、あいつはホラーが好き。
あの子は勉強が出来るけど、運動が全くできない。
あいつはは勉強ができないけど、運動がすごく出来る。
そんな正反対の二人。何を決めるにも、何をするにも、必ずすれ違う。
...だけど、
あの子はあいつが大好きで、あいつもあの事が大好きなんだ。
その気持ちだけは、すれ違うこと無く交差する。
---二作目---
俺はお前が好きだけど
お前は俺の事なんか、どうとも思ってないのだろう?
---
家が近いのもあってか、俺とあいつは一緒に遊んだりする事が多かった。
外で遊んだり、小学校からは、出来る時は一緒に登下校したり、勉強会を開いたり。
お前にとっては、俺はただの昔からよく一緒にいる先輩。
名前をつけるなら、ただの幼なじみ。...そんな関係のはずなのに。
いつからか、俺はあいつに想いを寄せるようになっていた。
なんでもない事で俺ばっかりが意識してしまって、時にドキドキしてしまって。
...俺はどうしようもなくあいつが好きで好きで...大好きで。
...でもあいつは違う。
なんとも思ってない。
ただ俺が一方的な思いを寄せているだけ。
勝手に意識しているだけ。...たったそれだけ。
忘れることなんて出来ない、その厄介な恋心はまるで鎖のように身体に巻き付き、話してくれない。
忘れさせてくれない。
...片思いをしている時期が辛いとかなんとかと聞いたことがあったけれど
まさか片思いがこんなに辛くて...虚しいものだなんて。想像もしていなかったし...こんな思いしたくなんてなかった。
それにあいつにだって迷惑だ。幼なじみだった奴にいきなり好意を抱かれて。きっとあいつが俺の思いに気づいたのなら、きっと軽蔑するんだろうな。
...あぁ、こんな思いをするくらいなら、こんな思いをしてしまうくらいなら---
--俺とあいつは...出会わなければよかったのか?
#あなたとわたし
112作目
あなたとわたしは
違う生き物。
どれだけ一緒に居ても
同じには なれない。
だけど、違うからこそ
愛おしく感じる
わたしではないから
大切にしたいと 思える。
感謝の気持ちや
嬉しいよ って言葉を
使うと わたしたちはきっと
ずっと一緒に 居られるのかな。
【お題:あなたとわたし】
他者とは何か。
ある人は言う、それは自己を写す鏡だと。
ある人は言う、それは共に助け合う者だと。
ある人は言う、それは他の人に過ぎないと。
ある人は、言う。
確かに、比較という行為を通じてしか得られない情報はある。身長の高低、力の強弱、優劣とかいうものもその1つだろう。
故に、他者とは自己を写す鏡だとは言えるだろう。事実として鏡像なければ私たちは手足腹部ほどしか見られないのだから。
また、私たちは1つの脳に1つの身体、1つの精神を持つ生きものである。学術的な諸説と1部の例外は黙認して頂きたい。故に、なにか重たい物を持つならば1人よりも2人、2人よりも3人の方がいくらか楽だ。当然、物体が許す限り大勢で持ち上げた方が、1人あたりの負担はずっと軽くなる。それもまた他者のあり方の1つと言えるだろう。
とは言え、他者は他者だろう。脳を、身体を魂を共有するでもない他者は、確実に自身とは切り離された存在であり、それを完全に理解することは不可能だ。そして、なにかしら大きな力を加えてそれを従えようとする行為もまた不純である。
あなたにとって他者とは何か。憎むべき敵か。公害と揶揄すべき悪か。仲間か。同じ食卓を囲う友か。共に授業を受けるだけの他人か。あるいはその全てか。他者、ないしはあらゆる事象を文章に落とし込む行為はある種、暴力的だ。事象を可読な文章に変換する上で、AはBであるという文型に落とし込まなければならない。つまり、視覚、聴覚などの五感で感じ取っている事象を、文章という情報へと次元を下げて折りたたんでいるからだ。
あなたが人間である以上、好きだとか嫌いだとかを感じるのは自由だ。だが、それを文章という形で発言するなら、それ相応の責任を負う必要がある。あなたは発言の過程で、他者の肉を削ぎ、骨を折り、事前に用意しておいた文脈に無理やり折りたたんだからだ。私は、最近見受けられるコミュニケーションの大半が詭弁を弄していて、不健全だと思っている。玉石混交の世界に惑わされずに自分自身の言葉を使って欲しいと切に願う。
これは糾弾であると共に自戒でもある。時折、発言に伴う責任を無視し、他者を傷つけてしまうことがある。別に、他者を傷つけることを悪だと言いたいのでは無い。理由を伴い他者に殺意を抱く時、そしてそれが法を上回る時、人が人の命を奪おうともそれは必然の様にも感じている。しかし、その理由というものに自身がなるという事は大変恥ずべき事だとも感じるからだ。自身の無責任が自身を滅ぼしうることこそ愚鈍に他ならない。
#あなたとわたし
あなたは違う
わたしとは違う
血筋も 家族も お金も 家も 地頭も
全部違う
あなたと何もかも違う
だけどこれは同じ
わたしたちは永遠に独りぼっちだった
でもそれももう変わる
わたしたちが出会ったんだから
お題『あなたとわたし』
テーマ:あなたとわたし #357
「あなたとわたしどっちのほうがつよいとおもう?」
急に下の方から声がした。
見ると小さい5歳くらいの子がこちらを見上げている。
何だ?
何かの謎掛けか?
「お嬢ちゃん。お兄さんたち忙しいんだ」
同僚がそう言ってその子を追い払おうとする。
その子はじっと俺を見ていた。
そう、彼女はじっと『俺だけ』を見ていたんだ。
「は……?」
急に同僚が吹き飛ばされた。
彼女に触れようとした瞬間だった。
1メートル……いや、2メートルは軽々とんだ。
「お嬢ちゃん、何者?」
俺は冷静に聞く。
「ねぇ、おにいさん。どっち?」
大きく見開かれた2つの目は俺を見ていた。
まるで『逃さない』と言っているかのようだった。
冷や汗が流れるのを感じる。
視線の向こうでは飛ばされ、
気絶している同僚が目に入る。
「お嬢ちゃんのほうが強い」
その子は少しの間俺を見て、
「おにいさんはわからないのね」
何事もなかったかのようにその子はその場を去った。
俺も吹き飛ばされるかと思ったが、
幸いにも彼女に吹き飛ばされることはなかった。
同僚よりも近い距離を彼女が通り過ぎたのに。
あなたとあたし さくらんぼ
-大塚 愛-
なんとなく、料理してる時や風呂入ってる時などで、無意識に歌ってしまう。
文字にしてみれば、たった3語くらいのものだが
音楽に乗せるとキャッチーなのだろう。
【貴方と私】
⚠️ガールズラブ要素が入ります
ガララ
教室の扉を開け、騒がしい室内に足を踏み入れる。
私が入って来ても誰も気づかないほどに存在を消し、そそくさと自分の席へと座る。
カバンを下ろしたところで初めて息が休まる。
『ふぅ、、』
ガラララッ
『おはよ〜!!!』
突然の元気な声に肩が跳ねる。
入り口には彼女の挨拶に気づいたクラスメイトがわらわらと彼女を囲う。
彼女は人気者でいつも人に囲まれているせいか、一度も顔を見たことがない。
『あゆみ元気〜?やっば寝不足?今日保体だよ!大丈夫?』
聞こえるのはワントーン高い鈴の様な声。
きっと、純潔で聡明で頭がいい子なんだろう。
誰とでも仲良くできて、先生とも気軽に話せる。
『いいなぁ。』
ボソリと呟く。
教室の騒ぎに呑まれて、私の声は消え失せた。
ーーー
キーンコーンカーンコーン
『みんなじゃあね〜!』
今日もやっぱり、声だけしか聞けない。
『、、、あ、今日図書係だ。』
放課後の図書室のお世話をする係になっている私は時間に遅れない様教科書をカバンに詰めて図書室へと向かった。
カララ、、
控えめに扉を開け、顔だけ覗かせて図書室の見回す。
『、、いない。』
誰もいない。私はこの静かな図書室が大好きだ。
それに人がいないと来たらもう、、最高だ。
『よし。』
人がいない時は、本の返却場所に溜まっている本を元の場所に戻す仕事をしている。
司書の先生はやらなくていいよ。と言ってくれるが、正直言ってこの仕事が1番好きだ。
あるべき場所に本達を直して行く。
スッキリして楽しい。
『♪〜♪〜』
ついつい鼻歌を歌いながら夢中になっていて気づいていなかった。
後ろに人がいたことに。
『えぇっと、、あの、』
突然声をかけられ驚き振り返り本棚に張り付く。
この声に、聞き覚えがあったから。
いつも、羨ましくて嫉妬さえしていた人物。
自分もこうなりたいと密かに思っていた人。
『、、、歌、上手だね。』
予想とは、随分と違った。
純潔とは言い難いバチバチのピアス。
派手に染めているショートヘアー。
目元に光に反射してキラキラとアイシャドウが光る。
その容姿に似合わぬしっかり着こなした制服。
『よ、、良妻、麻里奈さん、、。』
絞り出す様に声を出せば、んー?と首を傾げ、しげしげと見つめられる。
『あ〜!由麻美玲ちゃん!』
思い出した様に手をポンと叩く良妻さん。
『どうも、、。』
『と、図書の係、、なんだね。』
イメージとは違った。けど、悪い方には転がらなかった。
赤面して、目を泳がせている良妻さんが、とても愛らしかったから。
『あのぉ、、あがり症なんですか?』
核心を突くと、ギクッという効果音がつきそうなくらいに肩を跳ねさせる良妻さん。
『こ、このことは、、』
『さ、さっき歌ってたのは、、』
『『秘密で。』』
2人一緒に人差し指を唇に当て、その後笑い合った。
ーー
『ごめん、遅れて、、』
カフェに入って来た麻里奈に手を振り、席に招く。
『いいよ。昔の思い出蘇らせてたから退屈しなかった。』
笑いながらそう言えば、ポッと顔を染める麻里奈。
それがとんでもなく可愛く、揶揄ってやりたくなる。
『麻里奈、最初のイメージと違って驚いたもんなぁ。私とは正反対!住む世界が違うって思ってた。』
『、、正反対とか、住む世界が違うとか、ダメ!私は美玲がいないと生きていけない。』
私の手に自分の手を重ね、ギュッと指を絡める。
『私と、美玲は、支え合っているんだよ。私が美玲を支えて、美玲は私を支えてる。だから、そんな事言わないで?』
私の手を自分の唇に近づけ、薬指についている銀のリングに優しい口付けを落とした麻里奈。
『うん。ありがとう。麻里奈。』
私もだらしなく笑い、麻里奈の薬指についている誓いのリングにそっと、口付けをした。
あなたとわたしは違う。
そう思っていても無意識に比べてしまうものだ。
そうしてまた辛くなる。嫌なサイクル。
比べなくても人それぞれなんだよ。
【あなたとわたし】38 kogi
あの人はわたしと散歩にでかけるのが好き。
あなたとは家のなかで遊んでばかり。
あの人がわたしの名前を呼ぶから、わたしはなあに?って返事をするの。
あなたは何度呼ばれても窓の外に夢中。
待てって言われたら、美味しいご飯が目の前にあっても我慢するけど、あなたはなーんにも聞こえないフリして一人だけお腹いっぱいになってる。
ボール投げてもらうのが大好き。時々あなたに盗られるけど、あの人が慰めてくれて、噛むおもちゃをくれるから別にいいの。
あなた、わたしと全然違う。
でもあの人がいないと寂しいのは一緒みたい。
わたしが大好きなあの人の匂いのするベッドで寝てると、あなたがお腹のところにくっついてくるの、わたし知ってるの。
あの人がお仕事から帰ってくるまで二匹で留守番、頑張りましょう。
別の生き物のように
腹の中は分からなくとも
積み上げたことで繋がっていよう
(あなたとわたし)
〚あなたとわたし〛
あなたとわたし、それぞれ歩んできた人生がある
だからこそ、どんな見た目か、どんな性格か、どこが優れているか、どこが劣っているか
自分の中で勝手に審査してしまう
でも、結局はみんな同じ人間、所詮、みんな人間
あなたとわたしは違うもの
どれだけ時間を共にしても
どれだけ触れ合っていても
どれだけ愛する気持ちがあっても
ひとつにはならない
ふたつに分かれているから
違う温度を楽しめる
(あなたとわたし)
300字小説
贄の身代わり
「貴女様と私はそっくりですもの。私が身代わりになりますわ」
遠い昔に退治されたという山の魔物の生贄の矢が村長の家の屋根に刺さった。村長の娘は私一人。それに姉やが身代わりを申し出、山へと上がっていった。
今でも、あの出来事はよく覚えている。姉やはそのまま行方不明となり、若い男が一人、村から消えた。
あのとき、私には婚礼の話があり、姉やは私に付いて、今の嫁ぎ先の下女になる予定だった。
「……もしかしたら……」
あの矢は後で調べたところ、飾りを付けて染めただけの普通の矢だったらしい。
芝居小屋の帰り。のんびり茶店でお茶を飲む。
通りの向こうを私によく似た女性が、彼女によく似た子供を連れて、楽しげに歩いていった。
お題「あなたとわたし」