霧夜

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あの子は野菜が大好きで、あいつは野が大嫌い。

あの子ははホラーが嫌いで、あいつはホラーが好き。

あの子は勉強が出来るけど、運動が全くできない。

あいつはは勉強ができないけど、運動がすごく出来る。

そんな正反対の二人。何を決めるにも、何をするにも、必ずすれ違う。

...だけど、

あの子はあいつが大好きで、あいつもあの事が大好きなんだ。

その気持ちだけは、すれ違うこと無く交差する。

---二作目---

俺はお前が好きだけど
お前は俺の事なんか、どうとも思ってないのだろう?

---

家が近いのもあってか、俺とあいつは一緒に遊んだりする事が多かった。
外で遊んだり、小学校からは、出来る時は一緒に登下校したり、勉強会を開いたり。


お前にとっては、俺はただの昔からよく一緒にいる先輩。
名前をつけるなら、ただの幼なじみ。...そんな関係のはずなのに。

いつからか、俺はあいつに想いを寄せるようになっていた。
なんでもない事で俺ばっかりが意識してしまって、時にドキドキしてしまって。
...俺はどうしようもなくあいつが好きで好きで...大好きで。

...でもあいつは違う。
なんとも思ってない。
ただ俺が一方的な思いを寄せているだけ。
勝手に意識しているだけ。...たったそれだけ。
忘れることなんて出来ない、その厄介な恋心はまるで鎖のように身体に巻き付き、話してくれない。
忘れさせてくれない。

...片思いをしている時期が辛いとかなんとかと聞いたことがあったけれど
まさか片思いがこんなに辛くて...虚しいものだなんて。想像もしていなかったし...こんな思いしたくなんてなかった。

それにあいつにだって迷惑だ。幼なじみだった奴にいきなり好意を抱かれて。きっとあいつが俺の思いに気づいたのなら、きっと軽蔑するんだろうな。

...あぁ、こんな思いをするくらいなら、こんな思いをしてしまうくらいなら---

--俺とあいつは...出会わなければよかったのか?

#あなたとわたし
112作目

11/7/2023, 11:31:12 AM