『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『ひねくれてる』
知ってた?あじさいって
酸性の土だと青色に咲いて、
アルカリ性の土だと赤色に咲くんだって。
ひねくれものだよねぇ~。
なんちゃって。
あじさいを見ると、梅雨が来たなぁって凄く思います。
お題:《あじさい》
雨の季節のお楽しみ
ちょっとそこまでのお散歩で
万華鏡の世界に入れるの
あお、むらさき、ぴんく、しろ…
みどりから咲きこぼれるのは
『 カ ラ フ ル 』
日ごとに表情を変えるから
何度だって会いに行く
庭先の紫陽花の葉をもいで
水たまりに浸けた人差し指で葉をなぞる
すぐに砂をかければ
文字が浮かび上がる
ぼんやりと
くっきりと
乾いてしまう前に
それとも
乾いて消えて
わからなくなるように
歩いたり立ち止まったり
あなたに渡した紫陽花の葉は
雨の中で泳いでいる
くっついていた砂も想いも流されて
跡形もなく流れていく
「あじさい」
前住んでいた街に
紫陽花が綺麗に咲く
道があった。
あの時は
青や紫の花が多かった。
今年も
綺麗に咲いてるのかな?
引っ越してきた街にも
紫陽花が綺麗に咲く
公園があった。
青も紫もあったけど
赤や白の花もたくさんあった。
紫陽花は
土によって
花の色が
変わるらしい。
さて
わたしは
この街で
どんな色に染まるのかな?
#あじさい
お題 あじさい
僕の知り合いには、花好きな人がいる。
彼の庭には、季節ごとに沢山の花が植えられていて、近所でもちょっとした名物になるほどの美しさらしい。
春には桜、夏に月下美人、秋に彼岸花、冬には椿。
何度か彼のお宅にお邪魔させて貰ったが、なるほど噂に違わぬ素晴らしさ。
いつからか、季節の変わり目には必ず彼の家を訪ねるようになっていた。
「紫陽花、今年は咲くのが遅いね。」
それは、例年通り彼の庭を訪ねた時の事だった。
陰鬱な雨の続く水無月の中で、彼の庭を見て心を落ち着かせようと思ったのだが、
「実は最近、庭の調子が悪くてね。」
申し訳なさそうな顔の彼の後ろには、鮮やかな緑葉を茂らせた紫陽花の生垣。
その光景を見て最初に思ったことは、純粋な驚きだった。
毎日の手入れを怠ったことのない彼が間違えるなんて、珍しいと思ったのだ。
「悪いけど、また来週来てくれ。来週中には咲くはずだから。」
その言葉を信じ、私はひとまず家へ戻った。
それから約一週間後、彼は逮捕された。
殺人と、死体遺棄の罪だそうな。
ふと、あの紫陽花は何色に咲いたのだろうと考えた。
窓には水滴が流れ落ちた。
梅雨の時期に入り、雨が降る日が続いた。
私は、6月のこの時期になると、必ず行くところがある。
私は、傘をさして歩いた。
歩いた先は、公園だ。
ここの、公園は6月の時期になると、名前通りの公園になる。私は、歩いて、公園の中央までたどり着いた。
ドーム城のような、形に盛り上がったところ見た。
そこには、なん万本と連なるある。「あじさい」がある。
私は、この目の前に広がる、あじさいを見るのが好きで好きでたまらなかった。
上から落ちてくる、雨粒が大きく開いたあじさいの花に当たり、葉、茎と流れ地面にたどり着く。
私は、耳を澄ました。雨音とあじさいたちが奏でる音に。
最後に深呼吸をして、私は歩きだした。
公園の名は「あじさい公園」安直だが、地元民しか知らない。公園だ
#019 『一度だけの理由』
紫陽花が咲く頃になると、そろそろ実家に顔を出さなきゃと思う。
実家は居心地のいい場所ではなかったから、お盆や年末年始でさえ、理由をつけて帰省しないことの方が多かった。年に一度も顔を出せば十分だよという姉の言葉と距離に甘えて、今年はまだ一度も帰省していない。
夫と娘の都合を聞いて、姉の都合を聞いて、それから駅前の和菓子屋の営業日を確認した。今年も取り扱いの始まった紫陽花のお菓子の画像をうっとり眺め、帰省という儀式の後の唯一のお楽しみに想いを馳せる。
アレルギーで洋菓子が食べられないわたしにとって、そのお店のお菓子は洋菓子にも負けないくらいキラキラして見えた。私が子供の頃は全然そんなじゃなかったけど、キラキラの路線に足を踏み入れてからは、昔ながらの定番のお菓子と並行して、色鮮やかで華やかなお菓子展開を継続しているらしい。
中でもわたしが一等お気に入りなのは、淡く色づけた寒天を細かく刻み、白餡を包んだお菓子だった。洋菓子店のショーウィンドウに張り付いてたわたしがアレルギー持ちと知った和菓子屋のご主人が特別に作ってくれたものだった。
駅前に降り、梅雨の合間のじっとり重い空の下からお店に入れば、色鮮やかな練り切りをはじめとしたお菓子ぎ所狭しと並んでいる。
「いらっしゃーい、……あら! 久しぶりやね」
年に一度しか顔を出さないのに、女将さんは今も顔を覚えてくれていた。
「紫陽花のお菓子、今年もいただきに来ました。自宅用に六個と、それからお土産でこっちの……」
この時期にしか立ち寄らない事情を聞きもせず、女将さんは愛想よくお菓子を包んでくれる。
「いつもありがとうね。またご贔屓にね」
紙袋を手に店を出ると、来た時には視界から外れていた駅舎の横で色鮮やかな紫陽花がさざめいていた。
お題/あじさい
2023.06.13 こどー
雨の中に咲く紫陽花のように
あなたが憂鬱な時は
私があなたの花になる
今日のテーマ
《あじさい》
梅雨も本番を迎え、雨の日も多くなってきている。
通学路の途中にある寺では、今年も見事な紫陽花がこの鬱陶しい季節に鮮やかな彩りを加えている。
青や紫、ピンクなど場所によって違う色の花を咲かせているのは、ここの住職が凝り性で土壌の成分を区画ごとに変えているからだという。
そんな話をしながらも、目はしっかり紫陽花に注がれている。
どうやら彼女はこの花が相当お気に入りのようで、花を眺める眼差しはいつになく和やかだ。
「紫陽花、好きなんだ?」
「うん、大好き」
「でもたしか、毒があるんじゃなかったっけ?」
「そうなの?」
「よく知らないけど、何かでそんな話を見た覚えがある」
「ふうん。そういえばスズランにも毒があるんじゃなかったっけ。可愛い花には毒があるんだねえ」
「それを言うなら『綺麗な花には棘がある』だろ」
納得顔でうんうん頷くのに突っ込めば、彼女は照れ隠しのように笑う。
そんな風に茶化した雰囲気も可愛く思えてしまうのは惚れた欲目なのだろうか。
紫陽花の花を背景に笑顔で佇む姿はこっそり写真を撮って待ち受けにしたいくらいだ。
「でも、紫陽花、美味しそうだよねえ」
「食うなよ?」
「花そのものは食べないよ」
「葉っぱも食うなよ」
「食べないったら! そうじゃなくて、この時期になると、和菓子屋さんに紫陽花のお菓子が並んでるんだよね。上生菓子って言うんだっけ、ちょっと良いお菓子。お店によって練りきりのだったり寒天のだったりするんだけど、どれも美味しくて大好きで。毎年ここの紫陽花を見る度に食べたくなるんだ」
そんな説明をしながら紫陽花を眺める眼差しや表情は、言われてみれば花を愛でるというより美味しいものを前にした時のそれで。
いかにも甘いものに目がない彼女らしいと、思わず笑いが込み上げてしまう。
「色気より食い気かって言いたいんでしょ」
「そういうところも可愛いなと思っただけ」
「食い気だけじゃなくて、紫陽花が好きなのは本当だもん」
ぷくっと頬を膨らませて彼女が言う。
上目遣いでそんな顔をされても可愛いだけなのだが、今それを言ったら拗ねさせてしまうかもしれない。
空気を読んでそれ以上の軽口を控えた俺に満足したのか、彼女は再び紫陽花を眺めて微笑んだ。
「紫陽花の花言葉っていうと『移り気』とか『浮気』とかが有名なんだけどね、花言葉も本当は花の色によっていろいろ種類があるんだよ」
「そうなんだ?」
「うん。昔ね、お父さんがお母さんに白い紫陽花をプレゼントしたんだって。お母さんは最初悪い意味の花言葉を思い浮かべて、でもお父さんは男の人だからそういうの知らないでくれたんだろうなって思ってたんだって」
花言葉か。
薔薇の花言葉が『愛してる』だという程度の知識くらいはあるけど、確かにあまり意識したことはない。
話を聞きながら、もし自分が贈るような時にはそういうのもちゃんと注意しようとしっかり心に書き留める。
彼女の父親も似たようなものだったんだろうと、内心で共感すら覚えた。
「でもね、後になって調べたら、白い紫陽花の花言葉は『一途な愛情』で。お母さんがまさかと思ってお父さんに聞いたら、真っ赤になって知らなかったってとぼけたんだって。でもその顔で嘘ついてるのはバレバレでしょ。お母さんも照れくさくなっちゃって追及はできなかったらしいんだけど、それ以来お母さんが一番好きなのは紫陽花になったんだって」
微笑ましそうに、そしてどこか羨ましそうに彼女が話す。
きっと彼女の両親は普段からとても仲睦まじいんだろう。
娘に堂々と惚気る母親も母親なら、そのエピソードをニコニコしながら恋人に話す娘も娘だ。
まさにこの親にしてこの子あり。
でも、そんな夫婦に憧れるのも事実で。
「ほら、そろそろ行くぞ。あんまり道草食ってると課題やる時間がなくなるだろ」
「ほんとだ。図書館の自習室、まだ席空いてるかな」
話を切り上げるよう促して再び並んで歩き出す。
話題は自然に課題の内容などに移り、彼女はもうすっかり紫陽花のことも和菓子のことも頭から抜けてしまっているようだとホッとする。
たしか図書館の近くには少し大きめの和菓子屋があった。
彼女の両親の話にあやかって、途中で抜け出してこっそりダッシュでその紫陽花の和菓子とやらを買ってこよう。
白い紫陽花を贈るのはすぐには無理だけど、和菓子くらいならプレゼントできる。
口実は、苦手な科目の課題を頑張る可愛い彼女へのご褒美として。
そしてそれを受け取った時に見せてくれるであろう彼女の笑顔は俺自身へのご褒美に。
放課後のこの時間だから残っているかは定かではないが、どうか残っててくれますようにと密かに祈る俺なのだった。
あじさいの花はとても綺麗だ。
雨に打たれてるのに、こんなにも綺麗に輝いている。
だけど、あじさいもいつかは散る。
私はその日を待ってる。
綺麗なものが壊れていく瞬間が一番楽しいから。
あじさい
青いあじさいの花言葉は「冷淡」
決して振り向いてくれない貴方の背中みたい
白いあじさいの花言葉は「一途な愛情」
私の知らない誰かを見つめる貴方の瞳みたい
色の移ろうあじさいのように
貴方の心が変わってほしい
~乗り遅れ~~
好き嫌い
好き嫌い
好き嫌い
好き嫌い
わりと好き すこし嫌い
すごく好き ちょっぴり嫌い
とても好き たまに嫌い
あじさい
今のあじさいはたくさん色があるみたいだ。
あじさい畑というものを観に行ってみたいとおもっている。
あじさいと聞くと小学生の頃思い出される。
まず、最初に育てるのがあじさい。
うまく咲いた覚えはない笑
#あじさい
桜の樹の下には死体が埋まっている。とよく言うけどさ、それなら紫陽花の下にも埋まっていてもおかしくないよね。
ほら君の後ろの紫陽花もとても綺麗な青色をしている。
もしかしたら、その紫陽花の下には、、、。
なんてね、冗談だよ冗談。本気にしないでよ。
ははっ、それにしても君のビビり癖は治らないね昔から。
いやいや、バカになんてしてないさ。
ただ君の純真さが少し眩しいなと思ってね。
、、大丈夫、その紫陽花の下には何も埋まってなんかないよ。
(その紫陽花の下には、ね。)
「ミズー!こんちゃ!こんばんわんこそば!おはようらしまたろう!」
「訳のわからない言語で話しかけるな!お前の母国の言葉で喋ろや」
「I came to give you flowers today」
「おい。お前の母国は日本だろーが。」
「はい。そうですごめんなさい。今日は君に花をあげに来たんだ、と言いました。」
「また?なんの花よ。見せてみ」
「これ」
「わーお。紫陽花?」
「綺麗やろ。君の目の色にあわせて紫です」
「で、用はそれだけ?」
「いや、あともう一つ」
「ん?はよ済ませてな?」
「好きです。付き合ってくれないかな?」
「無理!」
「いい笑顔~!悲しー!」
「用はすんだね。早く帰りな」
「うん。じゃあまたね」
あじさい
雨に濡れて
よりいっそう美しく輝くあじさい
私もそんなふうに
なれたらいいのに
あじさい
梅雨になるとあじさいがきれいに咲く。近くで見ると同じような小さな花が集まっている。うまく出来ているものだと感心する。感心すると言えば、私という人間も良く出来ていると思う。ご先祖様がいて私が生まれてきた。そして日本に生まれてきたから、梅雨に咲くあじさいを見ることができる。この美しい景色を日本で楽しむことが出来ることに感謝したい。私もあじさいの花のように、小さな個性を持ちながら全体として1つの美しい花が咲くように努力したいと思う。私が生きることで、周りの人たちに良い影響を与えることが出来ると思うと、ますます生きることの意味を感じる。私自身が美しく輝くことで、全体としての景色もより美しくひきたつのだと思う。
あじさい
雨に濡れるのは、辟易する…毎日続く雨に、憂鬱になる。良くてどんよりした曇天、しかも蒸し暑い…ただ、いつも通る橋のたもとの紫陽花だけが、しばし癒やしてくれる…鮮やかに咲き誇る姿に、滴が滴る姿に、何気にあの頃の女の子が重ねるから…
鬱蒼とした樹海の奥にも梅雨はやってくる。陰鬱とした空と湿った草木の匂いは、昼夜問わず暗がりに沈む御殿から住人の気配を一層失わせていく。鬱之宮は自室の窓辺でため息を付いた。毎日変わらず眺めている外の景色だが、今日は一段と重苦しい。こうなってはただでさえ落ち込んでいる自分の精神もきっとどん底のまま戻れないだろう。そんなつまらないことばかり考える。鬱之宮は自分の脳髄の造りが心底嫌いだった。
(このままどうせ一人きり……)
鬱之宮は思った。ほぼ無意識だった。
突如部屋の隅の押し入れがガタガタと鳴った。鬱之宮はビクリと肩を震わせ、すぐさま弾かれたように襖へ飛びついた。戸を開いた瞬間、暗闇の奥から伸びた赤茶け色の縄が、鬱之宮の手を捉えて奥へ引っ張り込んだ。彼女の姿が音もなく暗闇に消えると、そのまま襖はバタンと閉じた。
「おぉ…愛しき我が"おうつ"…。今宵も会いに来たぞ。」
青白い顔の血まみれの貴族が話しかけてくる。鬱之宮は生気を失った頬を紅に染めて見つめる。
「呪髪親王様……お会いしとうございました…!」
鬱之宮は飛び込むようにして貴族の胸にすがる。貴族の首には赤茶けた縄が巻き付いていた。首吊縄呪髪親王(くびつりなわのろいがみしんのう)――それがこの貴族の名であり、鬱之宮の想い人である。
「今日はまた新しい縄を編んだので、お前の首に似合うかと思って見せに来たのじゃ。」
そう言うと呪髪親王は袖口から青紫色の縄を取り出した。鬱之宮は渡されるままそっと手に取る。仄かに花の香がする。
「これは…?」
「梅雨の時期ゆえな、紫陽花を素にして編んだのじゃ。お前の首に青い紫陽花が映えたら美しかろうと思ってのう。」
呪髪親王は柔らかな声で言う。鬱之宮は口元をフッとほころばせ、照れくさそうに俯いた。
「親王様の縄は、いつも私に寄り添って下さいます。」
鬱之宮の言葉に呪髪親王はそっと恋人の髪を撫で、渡した縄を静かに取ると、鬱之宮の首に頭からふわりとかけてやった。
「いつでも私はお前を想っておる。私の縄をかけたお前は一段と綺麗だ。」
甘く囁く声を聞きながら鬱之宮は親王の胸に抱かれる。暗闇の中で2つの歪な青白い影が寄り添い合う。
「……最期を超えても愛おしいぞ。おうつ…。」
御殿の外。日暮れの紺の庭を幾千の銀の矢が打ち付ける。
強い雨だろうと凛と咲き、葉を広げる『あじさい』
青色の花景色のなか、好きな子はフラれた。
「きみの恋は一時的なものだ。そう思う時が必ず来るから、忘れなさい」
「先生…っ!わたし、そんな浮ついた気持ちじゃないです!」
彼女が落としたピンクの傘を僕はそっと拾い上げる。
ねぇ知ってる?
『あじさい』の花言葉は"移り気"なんだって。
僕の想いに、気付いてくれないかな。
私が葉を分け入るように進むと同時に葉に乗った朝露の雫がホロホロとこぼれ落ちる。
朝霧の沈む静けさと、木々の間の淡い木漏れ日のなか群青、紺碧、暗紅色が視界に入ってはとうりすぎていく。
淡い白色の絹の日傘がかすかに葉をかすめた音がする
白磁の肌の上にうっすらとのった紅が私の名前をかすかに呼んだ気がする