NoName

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私が葉を分け入るように進むと同時に葉に乗った朝露の雫がホロホロとこぼれ落ちる。
朝霧の沈む静けさと、木々の間の淡い木漏れ日のなか群青、紺碧、暗紅色が視界に入ってはとうりすぎていく。
淡い白色の絹の日傘がかすかに葉をかすめた音がする

白磁の肌の上にうっすらとのった紅が私の名前をかすかに呼んだ気がする

6/13/2023, 2:15:58 PM