『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
中学の通学路にあった小さなお寺の道端に
あじさいがたくさん植えられていました
あじさいを目にするとその光景と
雨の湿ったような匂いを思い出します
あじさい
「この私のあじさいが枯れるまであなたの願いを3つ叶えて差し上げましょう!」
謎の男は急に現れてそんなことを言った。
一本のあじさいをもっている。
「はい?何言ってるんですか?
っていうか、あなたどこから来たんですか?」
急に現れて不思議なことを言って意味がわからない。
何よ、枯れるまで3つの願いを叶えるって。
「そんなことはおいといて、あなたがこの出来事を信じないで、私を追い出すというなら他の人のところにいくんですよ?いいんですか?私の言っていることは本当です。」
それでも、突然の出来事で理解できない。
私は黙っていると、
「はぁー、わかりました。
あなたにもせっかくチャンスが回ってきたというのに無駄にするなんて、後悔しても知りませんからね?」
そう言って、謎の男は窓から出ようとしていた。
この男は普通ではないし、もしかすると人間ではないのかもしれない。今だって、当たり前のように窓から出ようとしているんだから。
だったら、まだ、信じられてはいないけど、これを利用して願いを叶えてもらったほうが得だろう。
「分かった。あなたが本当に願いを叶えてくれるのならお願いしたいわ。いい?」
私は窓から出ようとしている男を慌てて止めて、その背中に投げかけた。
「わかりました。あなたの願いを叶えましょう。
ただし、3つです。早速、一つ目の願いことをしますか?」
「ええ、お願いするわ。」
私が頷くと謎の男は私の近くまで来て、説明を始めた。
「では、願いを私の目をみて、心の中で唱えてください。私がいいというまでその願いをひたすら唱えるんです。多少なら構いませんが他のことを考えるのはやめてください。願いに集中するのです。わかりましたか?」
上手くできるかな?
少しドキドキしながら男の人の合図で目を閉じて心の中で願いを唱える。
私が願うことはおばあちゃんのことだ。
おばあちゃんは最近、持病がひどくなって入院している。
おばあちゃんの病気が少しでも良くなりますように。
男に言われた通りひたすら願っていると、しばらくしてから男は目を開けて良いと言った。
私は目を開けると私はベッドに横たわっていた。
な〜んだ。夢か。不思議な夢見たもんだな。
少しがっかりして、水を飲みに台所に行くと、お母さんがびっくりしたように言ってきた。
「あんた、何してるの?
今日はおばあちゃんに会いに病院に行く予定でしょ?
部屋で準備してるのかと思ったら!早く支度しなさい。」
あっ、そうだった。今日面会に行く予定のこと忘れてた!もう〜、急がなきゃ!
私は急いで支度をしておばあちゃんに会いに病院に向かった。
病院に着いておばあちゃんの病室に入るといつもよりおばあちゃんは元気そうに見える。
「おばあちゃん、具合はどう?」
「それがねぇ〜、あみちゃん!さっきご飯を食べてからなんだか今までとは違って調子がすごくいいのよ!」
確かにいつもよりも具合が良さそうだ。
おばあちゃんと話しているとお医者がきて、微笑みながらこう言った。
「さなえさん、お昼ご飯を食べた後の検査ですごく、容体が安定していたので一週間後には退院出来そうです。
良かったですねー。なぜ急にこんなに調子が良くなったのは私も分かりませんが、良かったです。」
そうなふうに嬉しいお知らせをされて、おばあちゃんはとっても喜んでいた。
良かった。おばあちゃんが元気になって!
私は安心して家に帰った。
家に着いたら自分の部屋に向かう。
いつものようにドアを開けて入ると、夢の中にでてきた男がいた。
「どうでした?おばあちゃん元気になってたてしょう?」
えっ?夢じゃなかったの?
じゃあ、あの時私がおばあちゃんが元気になる様にって願ったのが叶ったってこと?
そう思い男の方を見ると男の人は頷いてこう言った。
「そうです。あなたが願ったことが叶ったんです。」
「でも、私あなたに目を開けてって言われてから目を開けたらベッドなかでした。てっきり夢だと思ってたんですけど・・・・・。」
なぜ?
問いかるように男の方を見ると、申し訳なさそうな顔で言った。
「それが、願いを叶えた方は目を開ける時に私はいなくなっておかないといけない決まりなんです。
だからベッドに横たわっていてもらいました。」
申し訳なさそうに言っていたけれど、私には感謝の気持ちでいっぱいだった。
「いえ、祖母を救ってくれて本当にありがとうございました。」
感謝の言葉を述べる。
すると、その男は微笑んで話した。
「はい。あなたの願いはまだあと2つ叶えることができます。今の時点で何かありますか?」
うーん、今のところは大丈夫かな・・・。
「いえ、今はまだ大丈夫です。」
「分かりました。では、願いを叶えたい時に強く願いたいと思ってください。そしたら私が現れますから。」
男はそう言って消えた。
最初は信じられなかったけど、願いは本当に叶ったんだ。良かった。
それから私は後2つの願いを3ヶ月ぐらいでどちらもちゃんと願いどうり叶えてもらった。
そして、3つ目の願いをする時に男は言った。
「これであなたの3つの願いは終わりました。
最後にあなたにお願いがあります。
このあじさいをきちんと日光にあててお水をやって、また、育ててくれませんか?今は枯れてますが、きちんとお世話をすればまた咲くので。どうかよろしくお願いします。
綺麗に咲いたら私が取りに来ますので。」
今まで叶えてもらったんだ。こんなことお安い御用だ。
「はい、分かりました。大切に育てます。今までありがとうございました。一つ気になるんですけど、あじさい育てて咲いたらこのあじさいはどうするんですか?」
私がそう聞くと、男は微笑んで言った。
「このあじさいで願いを繋ぐんです。
このあじさいのおかげで願いを叶えてもらった人にあじさいを大切に育ててもらい、次の人へ幸せを繋ぐ。
そうしてるんです。」
そうだったんだ。
私が頷いたのを確認すると男は消えていった。
私はその後大切に毎日毎日お世話をして育てていった。
次の人が幸せになりますように。
そう願って。
完
うーん?面白かったですか?
読んでくれた方、ありがとうございます!
幸せを繋ぐ、我ながらいいこと書きました〜笑笑
駅の西口を出ると
すぐ目の前に丘がある
とても急な坂道で
特別用がない限り
できれば上りたくないところ
でもこの季節だけは特別
だって丘の斜面は全部あじさい
色とりどりに埋め尽くされて
雨の中 傘を手に
足もとを気にしながらでも
ゆっくり上りたくなる
雨の雫を受けて揺れるあじさい
虹色の雲の中をのぼって行くよう
丘の中腹には神社
丘の上には蓮の池
神さまもお釈迦さまも
この丘にいらっしゃるようす
上りきると
丘の裾を流れる川の向こうには
遠く見渡すかぎり 雨に煙る景色
あじさいの雲の上に立ち
天からの恵みの雨が
大地を潤しているのを見ていると
まるで自分も
神さまになったみたい
「あじさい」
#134
題名あじさい
あじさいはお花だ
だけどあじさいの葉っぱには毒がある
なぜあじさいの葉っぱに毒があるのにあじさいには
毒がないのだろう?
なぜあじさいは葉っぱにだけ毒があるのだろう?
【あじさい】
綺麗だなあと思って見ているけれど
毒を持っているのを忘れてしまう
紫陽花の美しさに見惚れてしまった私は
もう手遅れなのだろうか
『あじさい』
あじさいの
花にも似たり
あの人は
梅雨の晴れ間に
天に召さるる
梅雨になり
雨がふると、傘をさす
傘のせいで自分の視野がすごく
狭くなる…
でも、傘を少しは上げるだけで
ほら、キレイに咲いてる
あじさいが見える
傘を少し上げるだけという
たった、小さなことで
自分の視野が広がる…
小さな出来事で
自分の人生…
自分の世界…
すべてが広がっていく…
あじさい
早苗「あじさいっぽい色合いのゼリーを食べ、雨の日に蛇の目傘をさしてあじさいを愛で、これ以上あじさいをいつくしむにはどうすればいいのか
僕はおおいに悩み思案していたが、今ちょっとひらめいたぞ!」
翔吾「何すんだよ」
早苗「手紙を書こうと思う」
翔吾「手紙ぃ?」
早苗「手紙とは、用事などを書いて相手に送る文書のことである」
翔吾「いやだからなんであじさいに手紙を送るんだよ」
早苗「拝啓 梅雨空のうっとうしい毎日、いつも美しく咲き乱れていらっしゃいますあなたはいかがお過ごしでしょうか」
翔吾「時候の挨拶を考えんじゃねえ」
早苗「ショーゴくん、君、さっきから文句ばっか言ってばっかりだな。もう少し真剣に話しを聞いてくれてもバチは当たらんと思うぞ」
翔吾「真剣に考えてそれなら俺はお前の正気を疑う」
早苗「む。なら君は手紙を書くよりもいい案が出るということだな」
翔吾「いい案はねえよ。ただ普通にあじさいの花を絵手紙にするとか歌を詠むとか色々あんだろ」
早苗「ぐっ、負けた……。思ったより普通だけど雅なことを言うじゃないか!」
翔吾「これ勝ち負けあったのかよ」
────
最近どこでもあじさいを見かける季節になりましたね。
そして本日ある方から「あじさいは雨が降っているときこそ美しい」みたいな話しを聞きました。
個人的には、雨粒がついたあじさいは確かに美しくて素敵ですが、晴天の中に咲くあじさいも好きです。
「みきはさ、あじさいが綺麗に咲く時期って知ってる?」
「梅雨時でしょ」
梅雨時。
私は梅雨時が嫌いだ。梅雨時は、せっかく整えた前髪も崩れるし、蒸し暑い。
「今日も雨か…」
「嫌だなあ」
そう、思っていた。
中学二年生の六月、私は私より一学年上の好きな先輩に告白することにした。
なんで今かというと、それは私にもよく分からないが、先輩を見た瞬間、「今しかない」と思った。
「呼び出してすみません、先輩」
「大丈夫だよ。それより話って何?」
深呼吸を一つして、私は口を開いた。
「私、先輩のことが好きです。もしよければ私と付き合ってください!」
そう言って伸ばした手を、先輩は掴んでくれなかった。
「ごめん」
はっきり言うと、私はフラれた。
その日の帰り道、私は声を殺して涙した。私は雨に濡れた。ここで一緒に濡れてくれるのは先輩だと思った。
でも、違う。
雨がまるで「泣いてもいいんだよ」と慰めてくれるような気がした。今日くらいは、雨でもよかったと思えた。
私と一緒に濡れてくれたのは、帰り道にある綺麗に咲いたあじさいだった。
_2023.6.13「あじさい」
紫陽花の花言葉は、無常。
かつて、オレの日常は奪われた。それを取り戻すことは、自分では出来ない。
「おまえは、オレの傍を離れて、真実を追い求めるのか?」
隣で眠っている恋人に問いかけた。
オレは、おまえとは行けないよ。
いつか、オレの日常が引き戻されても、もう前のままじゃない。オレには、おまえがいて。友人がいて。仲間がいる。
それが日常。こんな風に変わったオレを、両親が見たら、なんて言うだろう?
「あじさい」
今年も梅雨の時期がやってきた
この紫陽花が花開くと今年の梅雨を感じる
色が変わる花は素敵で鮮やかな色
雨に濡れるその花はとても綺麗で気分をあげてくれる
あじさい
あじさいを毎日眺める。
日々色づく様子に、生命力を感じて、
私も少し、パワーを貰う。
中2
紫陽花
あれ?↑の漢字読めたかな?
読めなかった人正直にハート押してけ!
主(コソコソ、、グーグル先生ありがと)
6/13 お題「あじさい」
漢字でどう書くんだっけ。紫の…花の…、………。
―――紫陽花、だよ。
ぬ。また読んだな?
―――だって勝手に流れ込んでくるんだもん。それに、お互い様じゃん。
まあね。でもさ、何でもかんでも読まれるのはいい気分じゃないよ。
―――何でもかんでもじゃないよ。
うーん…、まあいいか。ちょっと疲れた。休む。
―――うん、お休み。
ベッドの少女が目を閉じたのを確認したように、彼女から伸びた様々なコードが繋がれているディスプレイの文字が消えた。
窓の外は雨、色とりどりのあじさいが揺れている。
この狭い実験室に陽が差す日は当分来ない。
(所要時間:12分)
あじさいの青が好き
青々している
雨に塗れてさらに青が増す
何かを主張して咲いている
くもりのない青
きれいだ
舞
大粒の雨に打たれながら咲いて、
最後はカラカラに干乾びて枯れていく。
かわいそうに。
「あじさい」
「みんな呪われて不幸になっちゃえばいいのに
1人になって孤独を体験すればいいのに」
元々ひとりが好きな人間だと思っていた。
みんなでなにかするよりも1人で作業する方が好きだった。自分のやりたいようにできるし、相手の進捗に合わせて行動したりしなくていい。要するに、気を使わないで居られるのが楽だった
否だと言うことに気付かされたのは高校生の時だった。集団の中で自分のやりたいことができる幸せを身に染みるほど実感した。孤独は恐怖の対象でしかなくて、暁にはとても辛い現実が待ち受けていることを体感した。
もう二度とこんな経験はしたくないと思った。人生の中で1番辛い3年間だった。幸せな記憶も辛い記憶に飲み込まれて思い出そうとしても思い出せない。
「1人になりたがるよね、塞ぎ込んじゃうというか、心配だけどそっとしておくのがいい?」
大学に入学してからの友達たちは疑ってしまうほど優しい人達だった。流石看護職を希望する人達で、人のことをよく見ていた。看護する側ではなく私が看護されていた。1人になりたい時は1人にならせてくれて、でも寂しくないようにグループの中に入れてくれる。本当に暖かくて優しい環境だった。
平穏な日々が続いていた。頑張って高校卒業してよかったと本気で思った。
紫陽花の花が咲いた。
ひとりになった。
どこにいても1人になった。
去年まではどこにいても1人ではないと実感することが出来るのに、友達がいない訳では無い、辛い時寄り添ってくれる子達はいるのにひとりになった。
どうしようもなく辛くなった。
崖から飛び降りたかったけど飛び降りれなかった。
何度も後悔した
てっきり、飛び降りなくて良かったと安堵すると思っていたのに違った。飛び降りておけばよかったと思う毎日だった。
海に面していないから崖なんて無いし、何よりきれいな海に包み込まれて最期を迎えたかった。
ただ都会の喧騒とネオンの光に包み込まれて最期を迎えるのは嫌だった
小説を書いた。
死にたかったから、自殺を繰り返す女の子の話を書いた
いつかこの子のように事故の過ちを後悔したかったから書いた。
結末はどう考えても思いつかなかった。
ひとりになった。
紫陽花の花が咲いている。
今日見かけた子は、青色の紫陽花だった。
成人式の日に身につけた、青色の紫陽花だった。
駅のホームにたって、電車が来るのを待つ。
飛び込んでしまおうと思った
賠償金の支払額がとんでもないから絶対にしては行けない方法だってこともわかってる
運転手さんの一生のトラウマになってしまうこともわかってる
電車をまって、家にある暖かさを求めてる人たちの心を一瞬にして凍えさせてしまうこともわかってる
それでもみんな不幸になってしまえばいいと思った
みんな孤独を味わえばいいと思った
孤独だ、と言ってる人には大事な人がいて、支えてくれる人がいる。誰かの1番になれる。けどどう頑張っても無理だった。
もう無理なんだと思ったから死にたかった。
真っ白な光が目いっぱい拡がって、鞄を置いて
飛び込もうとした瞬間車掌さんと目が合ってしまった
女性の運転手だった。
警笛がなって、足が鉛のように動かなかった。
崖先で声をかけられた時と同じだった。
生きなければ行けないと言うならば、みんな不幸になればいいと思う。
不幸だと嘆いている人はもう一度自分の置かれてる環境を思い出して欲しい
どれだけ暖かさを分けてもらっても寒くて仕方がなくて相手を恨んでしまう自分が憎かった
こんな感情に支配されるくらいなら死んでしまった方がましだと思った。
紫陽花の花がドサッと音を立てて、地面に堕ちた。
今盛りですね。赤や青、紫、たまに緑なんかも見ますね。綺麗ですね。和にも洋にも、似合う。
ぱっと華やかに見える時があれば、なんとなし哀しげに見える時もありますね。
《あじさい》
庭先に小さな花をいくつも付けて一つの集団をつくる。
色は紫、青、
最近、近所でピンク色を見たような気もする。
この季節になるとよく見る。
ここで一つツツジってあじさいとよく似ている。
意外と見間違いたりする、
そういうの多いよな
なんかのラジオでよく言ってるけど鷹と鷲は同じで…
って言ってたような
アシカとアザラシもそう考えるとよく似ているか
何だっけカニとヤドカリが似ているやつ
タカアシガニだったっけ?
自信ないや
なんか似ている奴あったっけ
考え出すと色々でてくるもんだな。
あ、雨だ。
散歩中、ふと、街路に目をやると、紫陽花がいくつか、藍を基調とした花弁、人目があり、その香りを撫でることは出来ないが、季節の変わり目を感じるには、十分だった。すると、ぽつぽつと、雨が降って、生憎、傘を持ち合わせておらず、急落した天候を、呪い、近くのバス停へと、走った。そこにも、紫陽花が咲いている。先ほどよりも、大した事はない、なんてことはない紫陽花だ。花弁は小さくみすぼらしい、そのくせ群集していて品のない、誰も愛など注がない、庶民の花だ。季節の変わり目は、未だに私をバス停に留めている。
バス停で雨を凌ぐ私を、1台のバスが迎えに来た。普段からバスとは縁のない私だ。そのバスが何処へ向かうかなどつゆも知らない。だが、バスへ乗り込み、整理券を手に取った。バス停はこの季節特有の、じめっとした空気と、バス特有の、むわっとした香りに包まれており、とてもじゃないが、居心地がいいとは、言えなかった。けれども、あの場所から離れる最前の手段、もとい口実であったため、バスに乗らざる負えなかった。紫陽花が、雨が、私をバスに乗せたのだ。
いったいこのバスは、何処へ行くのだろう。ある程度、この辺りに住まわせて貰っている身であるが、恥ずかしながらバス停の名前を知らされても、聞いたような聞かないような名前で、しばらくすれば、とっくに車窓からの景色も見た事の無いものへと変わっていった。さて、いつ降りようか。そのような算段をしていると、いつの間にか乗客は誰ひとりとして、居なくなっており、運転手から、「お客さん、次で終点だよ」と声をかけられる。「ええ、そうですか、ちなみになんて所です?」と尋ねると、「おや、知らずに乗っていたのかい、次はね、」
どれほどバスに乗っていただろう。久しぶりの車外の空気は新鮮で、それは全身へ良く巡った。天気もすっかりと良くなっており、太陽が眩しく私を照らす。しかし暑いな、もう少し降っていても良かったのに、と思った。バスに乗る前の紫陽花の事をふと思い出した。紫陽花がいた場所に目をやると、すっかりと色褪せてしまっており、見るも無惨な姿だった。植物も、生命だ。植物の終わりの姿は、なんとも、人のそれを想起させて辛い。目を瞑り、手を合わせる。バス停の看板には掠れた文字で、「夏」と書かれていた。
#あじさい