『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【あじさい】
あじさいは嫌いなの
貴方と、他の女を思い出すから
ちょうど梅雨に入りたてのことだったの
彼と一緒に帰ってたら急に知らない女が貴方に抱きついてきたわけ
まじありえなくない?
私の存在消すなよ、って感じなんだけど
でもその時察したの
私じゃないんだなって
貴方の焦り切った表情
幸せの絶頂みたいな顔してるあの女
そういえば、あの女がつけてた香水、今思ったら
彼が私にプレゼントしてくれた香水の匂いにそっくりだった
あー、そう言うことね
気づいていた時には言葉が宙の上を舞っていた
『お前なんか、死んじまえ。クソ野郎が」
今思ったら結構やばいこと言ってたね笑
でもそんぐらいがお前らにはお似合いだよ
奪っても、奪っても貴方からは何も奪えない
最後ぐらい、なんか頂戴よ
守らせてよ、最後ぐらい
貴方を守りたかった
お幸せに
『星が泳ぐ』
「あじさい」
薄紫の髪飾り
あるいは青い髪飾り
淡い桃色
あるいは紫
色とりどりの姉妹達
ドレスを纏う私達
けれど私の本質は
ドレスと髪飾りのその奥の
隠れた小さな目立たぬ姿
小さな胸のその前で
目を閉じ ゆるりと手を合わせ
神に祈りを捧げます
私を見つけてくれるのは
私に気づいてくれるのは
どこのどなたでありましょう
雨に遭っても歌うたい
誰も気づかぬ山の端で
姉妹は祈りを捧げます
ある日宮司が目を留めて
境内の手水に連れてきた。
青や桃色 紫の
水に浮かぶは 姉妹たち
手水の中からくるくると
ひらめくドレスと髪飾り
哀しき 小さなあじさいは
ただただ かれを待つばかり
いつか迎えに来てくれる
あなたの愛を待つばかり
「あじさい」
お題『あじさい』
レインコートを着た主様と庭に降りた。アモンが丹精したアジサイが小雨の中、色とりどりに庭を飾っている。
「ねぇ、フェネス。ここの地面はさん性なのかな?」
この前化学の本を読んでいらっしゃったな、そういえば。
「そうです。それではあの赤いアジサイが植っているところはどうでしょう?」
少しだけ考えて「アルカリ性!」と元気よく答えた。
「むらさきだと中性なのよね」
「さすが主様です。そして主様のように可愛らしいです」
照れたように笑っている主様に
「アジサイの花言葉はご存知ですか?」
と尋ねてみた。
「ええっと……『うつり気』でしょ、それから『うわ気』でしょ……」
言いながらしょんぼりと凹んでいく。
「……あんまりいい意味、ない……フェネスの意地悪……」
「ち、違いますよ。花言葉は他にもあって『七変化』や『元気な女性』という意味もあります。ね? まるで主様みたいですね」
元気な女性と言われて満更でもないらしく、身体をくねらせて照れている。主様は本当に可愛らしい。
「そろそろ屋敷の中に入ってお茶の時間にしませんか? このまま雨の中にいて風邪でもひいたら大変です」
「うん!」
ニッコニコに笑う主様の前歯は乳歯が抜けていて、これはこれでまた可愛らしいと思う。
我ながら主様に首ったけだな。そう思いながら鮮やかな庭を後にした。
キラキラと
はじけて飛んだ
夏の夜の
花火のように
なりたくて
わたしは
今日も
雨を呼ぶ
『あじさい』
あなたとみた
あじさい
窓からみえる
なんでもない景色
今年が、最後になるかもなんて考えたら、
突然、雨に煙ってしまうあじさい
もう、あれから1年過ぎたらしい‥
「あれ」
「アジサイだ…。こんな所に咲いてたっけ…?」
あいつの家があった空き地に見慣れないアジサイが咲いていた
青く、とても鮮やかな色をしている。
「アジサイって、青色になるんだ」
そう思った瞬間、少し背中が寒くなった。
『あれ、帰ってきとったん?』
近所のおばちゃんが俺に声をかけた
「はい。仕事にキリがついたので…」
『そうかそうか』
「あの…、この家の女の子って…」
『ああ……。本当にお気の毒だね』
え…。俺は今何処にいるか聞こうとしたのに…。
お気の毒……?
「それって…どういう…」
『あんた、知らないのかい?この家の女の子、行方不明だって』
『学校の帰りだったかな…?突然帰ってこなくなってそれっきり。今もまだ見つかってないよ』
ヒュッ…と息を呑む。
行方不明が怖いからではない。
きっと俺は、
彼女の居場所を知ってしまったのかもしれない。
ーあじさいー
あじさい
花言葉…移り気
色んな気持ちにその時々で
変わる…
何役にもなれる器用な
印象
どれがわたし?
どれもわたし…
とらわれなくて…
じゆうなの…
曖昧でわからないの…
ふあんなの…
でも…
ふあんをたのしんで…
風に吹かれながら…
色々変化する
七変化のよう
彩り豊かで…
きれい
美しい…
楽しませて
くれて
ありがとう
好きな色を聞かれて困った時、私は必ず
「あじさいの色。」と答えた。
私は特にこの色が好きって色が無いからだった。
だからわざと曖昧に答えた。
私の好きな花の色。
今日の帰り道、あじさいは咲いているかな。
傘を差して歩く帰路の道。
『あじさい』
あじさい
あじさいは、
土の酸性度で色が変わるらしい。
私も違う土地に行けば、
その土地に染まることが出来るかな。
あじさい
辛い。ただただ辛い。
高校を卒業し、バイトを初めて約2ヶ月経つが、
もう辞めたい、仕事に行きたくないと思ってしまっている。18歳でありながら、SNSでよく見る「仕事やだ」を痛感してしまった。働く前は、自分の好きな物を扱う仕事だしと思ってはいたが、次第に雲行きが怪しくなっていた。もちろん自分の好きな物に触れている時は幸せすら感じるのだが、いかんせん、私は人と関わる事が苦手なのだ。そのため、職場の先輩との接し方やマニュアルはあれど、お客様の接し方などなど私にとっては難しすぎる問題があるのだ。一応、接客業無しで自分の好きなものに触れられる職業があるのだが、成ることが難しい上に、稼ぎが少ない時と多い時のピンキリ。
つまり、慣れしかない。不運にも私にはお金は必要で
幸運な事に、今のバイト先のお給料がいい。
休憩中そのような事をボケーっと自分の中の上司を納得させる様に考えていると、私よりも少しだけ歳上のかっこいい先輩が、こちらの方を見て、「東さんはこのアニメ見た?」と近くに置いてあった漫画本を指さし問いかけて来た。もちろん私はどう答えていいか分からないので、首を縦に激しく振って答え、以降会話は弾まなかった。それもそのはず、私は、話しかけるな! オーラをとてつもない量放っていたからである。
休憩が終わり、今日も数々の失敗をして、先輩達に迷惑をかけ、恥をかく。仕事終わりの帰り道、失敗した自分への慰めとして、自分の好きな物が展示、置いてあるお店に行く。幸せな時を過ごしながら、やっぱり自分は何かを売るのではなく、消費する方が向いているんだなと感じた。そして、この瞬間のためにお仕事を頑張ればいいんだと気付き、軽い足取りでお店を後にした。
あじさい
一昨年は、青色、ピンク色だった
雨の中、鮮やかに咲いていて心は踊る
去年は、鮮やかな紫も咲いていた
今回も雨の中、咲いている
去年と違った色合いだが綺麗であった
今年は、とんな色のあじさいがさくのだろうか
昨日、鎌倉に行った。
江ノ電の線路沿いに咲くあじさいがとても美しかった。
忘れたいよ
なんで忘れられないんだろう。
忘れたほうが楽なのに
良い思い出より苦い思い出のほうが多い。
また声かけたらまえみたいになる
いやそんなの怖いし一生壊れてしまうかもしれない。
今は会話しない。目も合わせてくれない。
ふとしたときに会話がはじまることがある。
それを信じて。
それからまた何かがはじまるだろうか。
少しでもある思いを消したい。
その方がらくだから。
でも奇跡を信じたい自分がいる。
どうしようもないやつだ。
なんでこうなんだろう。
気持ちを違う方向に向けたい。
忘れたいよ
あじさい
カシワバアジサイという白いあじさいがちょっと苦手。存在感すごすぎて。
あなたのせいではまったく無いのに、ごめんね。
あじさい
紫陽花といえば、この時期に咲く花。
私が住んでるところは紫陽花は残念ながら見当たらないので見る事ができない。
だけど、以前住んでいた街の神社の階段に咲いていた紫陽花が懐かしい。
いつも神社に散歩がてらに階段を登り降りするたびに紫陽花が顔を出していた。近くにカエルもいて、子供が嫌がっていた事を思い出す。
あの神社が名残惜しく感じる。いつかまたあの街へ行く事ができたなら、あの神社に必ず行って参拝を約束しよう。
私を事を知っている彼もきっと喜んでくれるはずだ。
紫陽花(あじさい)
道を歩く時、道の端にに紫陽花が咲いているのを見る。
小学生の頃,紫陽花が綺麗なドレスに見えた
私は可愛くない。ドレスは可愛い人が着るものだ。と遠ざけていた。
長い月日が流れ,今日も歩く。
道の端にひっそりと咲いている紫陽花のドレスを着て,今日も私の女心が泣いている。
#可愛くなくても
#後悔の涙
#今年も綺麗に咲く
雨粒が、緑の葉を揺らす。聴こえてくる蛙の混声合唱に、私は窓の外を見やる。
「はぁ……」
そのご機嫌そうな声と裏腹に、私は小さくため息をつく。この天気じゃあ、多分お客さんは来ないだろうなぁ。それに、何よりも棚の本が湿気るし。
「君たちはいいよねぇ、雨の日に楽しそうで」
私は思わずそう一人ごちる。まあ、雨の日なんて楽しいわけでもないんだけど。
そう呟く私の視線の先には、紫陽花が雨に濡れて鮮やかに色付いていた。
紫陽花の花言葉は
移り気 浮気 無常
らしいよ?
でも、色ごとなら良いことがたくさんあった
紫陽花の一つにまとめた花言葉は残酷だ
そう感じるのはきっと僕だけかな......
# 32
あじさい
ーねぇ、知ってた?
紫陽花って土の性質で色が変わるんだ。
酸性だと青、アルカリ性だとピンク、その真ん中だと紫。
僕の家の近所に、この季節になると紫陽花が咲く場所があるんだ。・・・今度、見に行こうか?
今は、忙しくて無理? 大丈夫だよ。
ーちょっと話は変わるけど、紫陽花の花言葉って知ってる?
いろいろあるんだけど、「辛抱強さ」ってあってさ。
意外だけど、紫陽花の花期がとても長いことが由来なんだって。だからまだ大丈夫。
・・・今は無理でも、いつか一緒に見に行けるといいね。
お題 あじさい
久しぶりに電話をかけた
あなたの声は昔と変わっていて
私が居なくてもあなたは
生きて行けるのだと感じると心寂しくて
雨の中でも美しいあじさいのように
生きて行きたい