『「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
″病気は、おばあちゃんから移ったんだ″と
幼い頃、酷いこと言って「ごめんね」
全く感情の籠もっていない謝罪の言葉が車内に響き渡る。
『お急ぎのところお客様には大変ご迷惑をお掛け致します』
『電車が遅れましたことをお詫び申し上げます』
朝から遅延のアナウンス。最近はそれすらないことも増えているが。
ほぼ毎日遅延する電車。時間が守れないならダイヤにもっと余裕を持たせればいいのに。
イライラが治まらない。
「ごめん」で済んだら警察いらないって子供の頃言われなかった?
また流れる無機質なアナウンスに心の中で舌打ちをする。
揺れる満員電車。ぎゅうぎゅうに押し潰され、吐き気まで催してきた。
気持ち悪い。
きっと、最初からそういうもんだって。日本の電車も時間なんか守れないんだって。前後10分は見ておかないといけないんだって、自分で気を付ければいいんだけどね。
あーもう。
『「ごめんね」』
言葉が出てこない。
「ごめんね。」
ただ、この一言が。
もし、言えてたなら
もっと
いい結末を迎えてれただろうに。
あの頃の君に伝えたい。
「ごめんね」
昔、仲違いした友人にこの言葉を伝え忘れた。
夢の中での友人は、ぼんやりとした顔の輪郭で、何事もなかったかのように会話をしている。
夢に見る年数のほうが、友人と過ごしていた時間より多くなっていた。そのため、起きた後すぐは、仲違いしたことを忘れている。しばらく経って頭が動くようになった後に、ようやく気づく。
私は当時、今よりもさらに自己肯定感が低く、自意識過剰だった。
少し会話が途切れた時も、
私はつまらない人だ、とか。
どうしてつまらないのに相手は話してくれるのか、とか。どうしてこんな私と一緒にいるんだ、とか。
私は自ら相手を遠ざけた。
他に理由はあったのかもしれない。
ただ、少なくとも原因の一つとして考えている。
何年も経った今、私はあなたに謝りたい。
自分よがりだったね。ごめんね。
でも、あなたは私に多くのことを気づかせてくれた。
私が私を見つめ直すキッカケを与えてくれた。
ありがとう。7年間仲良くしてくれてありがとう。
「ごめんね」と
たった一言言えたなら
きっと君は
「いいよ」って
笑って許してくれただろうに
「ごめんね」…
コンビニの 正しい三角 おにぎりを
朝靄のなか 食べた「ごめんね」
ごめんね
愛せなくってごめんね。
側にいれなくってごめんね。
君と一緒に行けなくってごめんね
何度君に謝ってもいないだって殺しただもん。
『ごめんね』
謝るぐらいならやるなよ!何余計な事してくれた訳?
テーブルの上には、飛び散ったご飯粒、処分の仕方がわかなかったらしい材料の断片が所狭しと転がっていた。
ごめんなさい。
そう言って怯えているのか、目の前で次に振りおろされるかもしれない小刻みに震えている華奢な拳を見る。
まぁまぁ、お母さん、理由を聞きませんか?
潰れてひしゃげているおにぎりらしきものを横目で見て、母親らしい女性に声をかけて、俯いている子の肩に触れる。肩がビクンとはねあがる。
身なりはちゃんとしているな。
理由?腹減ったなら買ってこいって金渡してあるんだよ。遊びでこんな事すんじゃないよ。
違う。遊びじゃない。片付けはするよ。いつも、夜遅く帰って来てお腹空いているみたいだから、前に作ってくれた丸いおにぎり作りたかったんだ。だって、美味しかったし、美味しいねって言ってくれるかなって。
うまく出来なくて『ごめんね』
拳がおにぎりに振りおろされるのかと思うぐらいの勢いで伸び、ゆっくりと指が開き歪な塊に触れる。
『ごめんね』今から一緒に作ろうか。
材料は目の前にあるし、活きがいい感じだよ。
あぁ、この家、変って言われていたのはそういう意味だったのか。巡回気をつけろって…もう遅い。
『ごめんね』帰れそうにないな。
もう意識が遠くなっているんだ。
「ごめんね」それは自己満足だろう。楽になりたいだけだろう。
きっとそうではないことはわかってはいるけれど。そんな言葉さえ受け入れられなくなったのは何故だろう。答えを見つけてしまったら、もう二度とあなたを許せなくなる気がした。
お題「ごめんね」
「ごめんね」
新幹線で。
ひとりのおばあちゃんが隣りに座った。発車してすぐ、袋からお弁当を広げた。お寿司だ。
新幹線での食べ物の匂いは時折話題になる。隣の席でまさにそれを実感していた。
そんなことを思っていると、割り箸を割ったおばあちゃんが僕に、
「ごめんね、わたしイクラ苦手だから食べてくれる?」と言ってイクラの軍艦を箸で挟んで渡してきた。
びっくりしたけど、じゃあいただきますと言って食べた。
その後はひと言も会話をすることなく、おばあちゃんはお寿司を完食し、すぐにお昼寝してしまった。
僕は一駅先に下車した。おばあちゃん、寝過ごさないかな、とちょっと心配になったけど、初対面の人にお寿司を一貫だけ食べさせるメンタルの持ち主なら、きっと大丈夫だろうと思いながら改札を出た。
なかなかの印象深い一日だった。
毎日寝たまま何も出来なくて、
毎日何もやる気が出なくて
毎日やり過ごすだけで
毎日生きるだけで
今はこれが精一杯でごめんね。
ママ、もうちょっとしたら普通に戻るから、
今はもうちょっとだけこのままで、
ほんとにごめんね。
いつもと同じように困った笑顔を見せてそう言った君は、その日を境に僕の前から姿を消した。最近は君からその言葉以外を聞いたことがなかったことに気づいた時には、君は真っ白なドレスで知らない男の人の隣にいた。
世間が人の行き来を認めない時期だった。
仮に会いに行っても会えない、そんな頃だった。
そのことを、言い訳にした。
会えば認めざるを得ない現実から、逃げていた。
もともと社会人になってから、あまり家には帰らなかった。
半ば家を出たくて選んだ、今の仕事。
ようやく打ち解けたのは、10年ほど前のこと。
母は、変わらず、元気そうだった。
ただ、母に病巣が見つかったことも会いに行った理由の1つだった。。
どこか、言葉で語らずとも繋がっている感覚が、母とだけはあった。
だから、会えないことに罪深さを感じてこなかった。
大丈夫だから、といつだって言ってくれてるような気になっていたから。
予感がした。
朝、出勤前につけるマスク。
左耳にかけるときに、何故か、紐が切れた。
激しい動悸、心拍数はあがった。
結局、やっぱり、母とは、繋がっていた。。。
実家に駆けつけると、何事も感じさせない静かな時間が流れていた。
家路を急いだ理由も忘れるくらいに…。
どうしても、実感が、湧いてこなかった。
居間の横の部屋に、
すでに、主のいないベッドがあった。
その枕元、
いびつに切られた配送伝票が置かれていた。
!!
私の送った、季節の果物セットの送り状。
なぜか、これだけはずっと置いてあったのよね、と妹。
ヒザから、ガクッと崩れ落ちそうになるのを必死にこらえた。
待っていたのだ。
いつだって、私に会える日のことを。
ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね、、、
喉の奥が熱くなりながら、
もう会えない事を、その時、はじめて実感した。。。
今、私は、実家に近いところで暮らし始めました。
季節が代わるたび、
近況報告をしに行ける位の距離に。
「ごめんね」(一行詩)
目の届かぬ場所に幾度無く痕を ごめんねの明朝
◆
岡持ちのカブだけ好きになって アナタは好きじゃない
◆
アナタの作るお握りは斬新過ぎて食べる気になれない
ごめんねよりありがとうの方が
いいって言うから
私はありがとうを増やした
そうしたら意識が変わった
ずっーと生まれてきてごめんって何度も思ってた
でも今は私に人生をくれてありがとうになった
大好きな友達
将来の夢
挑戦したいこと
少しの勇気
沢山もらえた
でもね心の奥底にね
まだそう思えば私は存在してもいいって
ありがとうに存在価値を求めてて
何が言いたいのか分からなくなってきて
私の中からこのごめんねは
永遠に消えることは無いかもしれない
皆様御迷惑をお掛けしました
幼稚園の時に歯科矯正して性格がオカシクなりました... 。
申し訳御座いません
「はいはい、ごめんね」
「はい は一回
ごめん は百回言って」
「はい…」
『「ごめんね」』
【「ごめんね」】
謝って欲しかったんじゃない
愛して欲しかったんだ
愛犬を見送って5年…
当時、私が悔いた出来事がある。
深夜2時、愛犬を抱きソファで居たのだが
その数時間後に亡くなるとは思わず途中で
寝てしまった事だ…
先がわかれば朝まで抱きしめて、私の腕の中で送ってあげたかったのに叶わなかった…
「ごめんね」と、自分を責め続けた…
ほどなくして愛犬が夢に出て来てくれた。
元気でキラキラして幸せそうだった。
小さい頃、怪我をした鼻先の傷跡で愛犬
だとちゃんと目印までつけて現れた。
悔やむ私とは真逆に愛犬に悔いはない様だった…
生前と変わらず私に甘え、撫でてあげると
ちぎれんばかりに尻尾を振り元気一杯!
きっと私を励ましに来たのだろう…
「大丈夫だから!」そう感じたのだ。
私が悔やむと愛犬も悲しむ…だから気持ちを切り替えた…
2年間介護をした自分を褒めてあげたいと
そう思った。
今は「ごめんね」の言葉は私たちにはない
あるのはお互いに「ありがとう」だけだ…
19年…長生きして幸せを沢山くれて本当に
「ありがとう」感謝してる…
そして…生涯…貴方を愛してるよ。
短歌。
【雨】
長雨に ため息をつく 孫の恋
【ごめんね】
素直には なれぬ代わりの 詫びメロン
【飴】
孫いわく バズり味なる いちご飴