「ごめんね」』の作文集

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「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/30/2023, 3:55:03 AM

「ごめんね」


「可愛くごめんねって言ったら許してもらえるかな?」
「かわいいと思うかどうかは相手によるし、相手の怒り度合いによっては火に油だし、そもそも可愛くとか考えてる時点でどうかと思うけど?」
「デスヨネー。…じゃあ土下座?」
「極端だなあ。それなら彼にコツを聞いてみたら?」

振り返ると、すやすやと眠る猫が、
土下座みたいな「ごめん寝」を披露していた。

5/30/2023, 3:43:37 AM

無責任な言葉。
ある意味、諦めの現れではないかと思う。


「ごめんね」

5/30/2023, 3:25:37 AM

遅すぎるんだよ。何もかも。

「ごめんね」
俺はこの言葉を誰にも使ったことがない
無理。使いたくないし
なんで俺が謝んなきゃいけないわけ
俺悪くないし

はあ、まじでめんどいわ、

今日も俺は虐められる
毎日虐められる
それも皆から
おーいぼっち〜w今どんな気持ち〜?ww
あーもうウッザ!お前のせいで俺怒られたんだけど?w
なによあんたきもいんだけどっww
「何お前生意気なんだけど。謝って」
え、それな?
思ったー
「無理」
「は?」
「だって俺悪くないじゃん。俺が何したっていうの?」
っち
「バンッ!!」
「あんま舐めてると痛い目あうぞ…」
「勝手にしろよ俺は俺。好きなように生きる」
「ってかそれよりもお前が謝ってる姿見た事ないわ〜」
たしかに
「ちょっと見てみたくなったわ」
「みんなの前で服脱げよwwそれが嫌なら謝れw」
「っ、」
服を脱いだ
「えっ、」
うわ、
え、うそ

絶対に、お前らなんかに俺は謝らない

体は傷だらけ心もボロボロ気づいたら泣いていた
みんなはただ、無言で見つめていた

でも今更遅い

俺はそのまま階段を上がった
お、おい
ちょっと、そっち屋上だぞ…?
え、もしかして…
まて、早まるなよ
俺らが悪かった、謝るから
ご、ごめんいままで、
私も、酷いことしてごめんなさい、、
「謝るのが遅すぎんだよwニコッ」


優…まって、、

手を伸ばすが俺にはもう届かない


お母さん、お父さん…「ごめんね」
俺は耐えられなくて、屋上から飛び降りた。

「ごめんね」

5/30/2023, 3:25:14 AM

初めて話したあの時に、
貴方は少し照れくさそうにして、
ジャケットの襟で口元を隠した。

とても可愛いと思ってしまった。
貴方のことが好きになってしまった。
自分に気があるのではと期待してしまった。

まだ、何も知らないのに。
「変な勘違いしてごめんね」
心の中で呟いた。

テーマ「ごめんね」

5/30/2023, 3:23:28 AM

「丁度ひとつ、ごめんねエピソードが有るわ」
数週間前の話だけどな。某所在住物書きは前置いて、椅子に腰掛け話し始めた。
「車運転してたら、対向車がパッシングしてきたの。進行方向確認したら、『あっ、察し』よな。
で、いつも以上に安全運転してたら、ガンガン飛ばして俺に追いついてきた後続車両がバチクソ危険な運転で、詰めて追い越して急ブレーキして、急発進な。
……全〜部見られてたのよ。おまわりさんに。見晴らしの良いゆるやかなカーブだったから……」

ごめんねナラズモノ中年さん。アンタを煽りたくて安全運転してたんじゃねえの。「ネズミ捕り」がその先で臨時のサイン会開催してたのよ。
物書きはため息を吐き当時を懐かしみ、ぽつり。
「あおり運転ダメ絶対」

――――――

かつて物書きであった社会人、元薔薇物語作家で現在概念アクセサリー職人の彼女は、今日も昔の同志と共に束の間のボイスチャットを楽しんでいた。
「スマホの画像整理してたら昔の絵が出てきたの」
『昔って?』
「呟きに創作垢作ってた頃。まだカイシャクガー爆撃食らってなかった頃」
『わぁ。懐かし』
いわゆる「作業通話」の様相。1円玉ほどの小さな円に、デフォルメしたブタクサやらイネやらヨモギやらを描き、花粉っぽく金のパウダーを散らす。
それを駐車禁止の標識よろしく赤い円と斜線で縁取り、裏にスナップボタンの凸パーツを接着剤で貼り付け、レジンで補強してできあがり。
花粉症アイコンなマスクピアスである。
ピアスには別途、カニカンで好きなチャームを噛ませられるよう、丸カンが付けられた。

「丁度さ。爆撃の前の日に完成した絵だったの」
スナップボタンの接着具合、丸カンの強度を念入りに確認して、元物書き乙女は懐かしげに語った。
「それから芋づるで、呟きに上げてなかった絵と小説が出てきてさ。懐かしくなっちゃって」
すごいよね。何年前の遺物っていう。
付け足す乙女は丸カンに、テストとして己の推しカプカラーである、黒と白のビーズをぶら下げた。
「バチクソ黒歴史だけどさ。それでもごめんねって」

『「ごめんね」って?』
「呟きにもサイトにも載せられなくてって。どこにも出してあげられなくて、ごめんねって」
『でも仕方ないよ。過激派はどこまでいっても過激派だもん。目をつけられたら、そりゃ、ああなるよ。垢消してトンズラ以外、方法無いよ』
「それね。ホントそれね」
『多分過激派はさ。自分の解釈以外全部アレルギーなんだよ。重篤なやつ。自衛すりゃ良いのにさ』
「それねー……」

解釈違いも、花粉症とマスクとか、アレルギーと舌下療法とかみたいに、予防だの何だのできれば良いのにね。難しいね。
かつて互いに推しとセンシティブを語り合った物書き乙女ふたりは、その後も懐かしく1時間程度、昔々の二次創作を、その思い出を語り合った。

5/30/2023, 3:14:33 AM

「ごめんね」
病室のベッドで、キミがそう言った。
僕はその言葉が今でも頭から離れないんだ。
あやまる必要なんて、どこにもないのに。
ただ申し訳なさそうに作り笑いを浮かべるキミの顔が、脳裏に焼き付いている。

5/30/2023, 3:13:52 AM

テーマ「ごめんね」

かつて中規模な国で魔法を得意としている一族がいた。

5つそれぞれの一族は得意な魔法を持ち、扱えるのは精霊に愛された者だけであった。

8年前、大国との大きな戦争で魔法を扱える一族はほとんど亡くなり残ったのは小さな女の子だけだった。
その子には魔法の才能が無いと早くから見切りをつけ厄介者として引き取り手がいなかったが遠い血縁で大貴族の家に引き取られた。

そこからの少女の生活は酷いものだった。
貴族の端くれでも何不自由の無い生活をしていた毎日から使用人のように家事労働する日々に変わった。
まるで地獄のようだった。

それから8年の時が経った。
最初は慣れない家事にてんやわんやでこなすのが精一杯だったが要領良く出来るようになり空いた隙間時間で魔法の練習をして腕を磨いた。
仮の家族には決して見られないように気を張りながら。

そしていつもと同じ場所で魔法を使っているとお忍びで来ていた隣国の王太子に見つかった。
少女は何とか誤魔化そうと必死に言葉を探していたが王太子はそれに気にもとめず口を開いた。
「やっと…見つけました。シュトラール家の最後のお姫様」

幼い頃に捨てた苗字を言い当てた王太子に対し、少女は警戒を緩めず質問した。
「失礼を承知で伺います。貴方様の目的はなんですか?」
普通、下の身分の者から話しかけるのは無礼に値するが内容によっては魔法を使わなければならない。
誰かに利用されるのも人形にもなりたくないから。
王太子はこちらの様子には気にもせず答えた。
「この国が有している多くの新緑、炭鉱、広い領土ですね。それを手に入れるのにこれから少々忙しくなりますがこの国を潰す前にシュトラール家のお姫様を探し出し保護する。それが今回の僕の目的です」

何故今更…と思ったが私が魔法を使う所を見られてしまっている以上、この国の王族を通して公爵の耳にもこの事が伝わる可能性がある。少女にとってそれだけは避けたかった。

「あなたは本当のご家族を亡くしてからずっと辛い目に合われてきたんですよね?
調べさせて貰いましたがかなりあくどいこともしている様です。
誰かに潰されるのも時間の問題でしょう。
貴方が自分の人生を歩めるように手筈を整えます。それまで僕に囚われてくれませんか?散々酷い扱いをした方々に見せつけて差し上げましょう?」

王太子は心配そうな表情を見せながらも
どこか楽しそうにしている様にも感じたが
少女はやっと自分の人生を生きられると笑い、王太子に向け殺す勢いの雷を纏った。

「それはとても素敵なご提案ですね。
でももし貴方様がその約束を違えたら私の雷で焼き殺しますのでそれでも宜しければ」

望むところだと王太子は嗤った。

少女は王太子の居る国に迎えられて王太子と仮の婚約を結んだ。
程なくして王太子の国は少女の居た国を侵略し残されたのは彼女の仮の家族だけ。
公爵家の娘は何故突然戦争が起こったのか、貴族が次々と消えていき、王族までもが消えたのに自分達が生き残っている意味すら理解せずにただ喚いていた。

「あー本当にムカつくわ…!どうしてあの大国の王太子様が身分が確かじゃない女と婚約するのよ!?こんなの有り得ないわ」

「まだその事については噂の域を超えない、落ち着きなさい。それにしてもあいつはどこに行ったんだ。仕事を放り出して」

生き残った親子は口々に愚痴を喚いていた。
そこに美しく着飾った王太子と少女が現れた。

「御機嫌よう、お姉様達?お元気そうですね」

親子はポカンと阿呆面を見せたが少女は構うことなく優雅に笑った。
「本当に貴女達って自分の事しか考えていないんですね。それに何故自分達が生き残ったのかも考えていない。本当におめでたいこと」

少女の声を聞いた親子は噛み付くように話し出した。
「お前…今までどこに行っていたんだ!!!王太子様のお傍に居るなどお前ごときが…」
「なんであんたごときが王太子様の隣に居るのよ!?そこは私の場所なのに!?」

喚き散らす親子を冷たい目で見下ろしながら彼女は静かに告げた。
「言いたいことはそれで終わりですか?
あなた方は私に魔法の才能など無い、
妖精に愛されない欠落品だと散々馬鹿にしていましたね。
私は才能が無かった訳では無く、ただ発動条件を満たしていなかっただけ。
公爵、貴方は私のお父様から魔法の発動条件を聞いていなかったのかしら?
それとも忘れただけ?まぁどちらでも構わないけれど」


少女は左手に雷の力を集め親子に向けた。
「ああ…そういえばお姉様に一つだけ死に際に教えてあげる。
貴方が婚約を結びたがっていた王太子様は
私の婚約者になったわ。とても大切にしてくれて今、この上ないほど幸せなの。
だからもう私の人生から消えて下さる?」

「嘘…嘘よっあんたごときが王太子様に選ばれる訳ないでしょ!?
それに血の繋がった私達を殺すと言うの?家族でしょ?」

今まで家族以下の扱いをしてきた癖に平気で家族という言葉を吐いた女に虫唾が走る。
「残念だけど…貴女方の様な醜い人間は家族じゃないわ。
貴女が欲しがったものぜーんぶ手に入れちゃってごめんねお姉様?」

恐怖に怯えた親子に笑顔で雷を向けた少女はつまらなそうに焼かれた死体を見た。


そしてここに用はないというようにその場を去った。


その後王太子と少女は正式に結婚し雷の魔法を扱う王族が長く国を治め、中規模の国の名前はいつしか歴史の地図から消えた。

5/30/2023, 2:58:39 AM

『ごめんね』

ごめんね、素直じゃなくって
夢の中なら言える
思考回路はショート寸前
今すぐ逢いたいよ


長年カラオケで熱唱してる『セーラームーン』

このタイトルを読んだ時も、言葉でなくて音で変換されてしまいました。

これを読んでくださってる貴方は、『美少女戦士セーラームーン』てご存知ですか?

「月に変わってお仕置きよ」のアレです?

ご存知の方は、誰がお好きでした?

私は勿論、セーラームーンも好きだったのですが、セーラーマーズことレイちゃんと、セーラーヴィーナスことミナちゃんが好きでした。

巫女さんなのに血の気の多いレイちゃん、普通のアニメなら絶対にヒロインポジのビジュアルなのにちょっと残念な性格のミナちゃん。

メッチャ可愛かったです♡

でも!

新しく登場した、セーラーウラヌスとセーラーネプチューン!

そう!

はるか様とみちる様に目が釘付け!

何か、エロい!

めっちゃエッチィ♡

もうホント、アザース!の世界観でしたよ。

BLなんて言葉もまだ無い『やおい』や『June』なんて呼ばれていた時代から、男性間同士の恋愛にはキュンとしてましたけど、いやぁこの二人の世界は尊い!

女子美し!

私は原作の漫画も舞台も知らないのですが、アニメだけでも充分夢を見させてもらった『美少女戦士セーラームーン』でした。

5/30/2023, 2:49:54 AM

『ごめんね』

私、千春はこの春高校三年生になった。
私の育った所は地方ののんびりした場所。私は生まれ育ったこの町が嫌いではないけれど、東京に憧れていた。

高校時代までは洋服を買いにいくお店と言ったら、せいぜい大きいお店が二店舗。新しい服を買ってもらって着ていくと、色違いとか下手すると同じ服を着てる子が必ずいる。だからその事にも、もううんざりしていて、だから田舎は、といつも思っていた。

雑誌で見る東京はとても魅力的だった。
だって、何もかもが揃っている。私の地元とは天と地ほどの差があった。
私は小さい頃からの夢が美容師になる事だった。もちろん地元にも理美容学校はあったし、美容院もあった。けれど私は、もうこんなのんびりした地元で専門学校に通ったり、就職するのはごめんだった。

両親は、思った通り反対した。そんな知らない東京に一人で行ってどうするのかと。
それで私は両親には内緒で、純ちゃんに相談したのだった。
純ちゃんは私の母方の六才年上のいとこだ。一人っ子の私にとって、小さい頃から純ちゃんはお姉ちゃんみたいな存在で大好きだったから。

純ちゃんは今は東京にずっと住んでいる。そして相談をしたら、東京の理美容学校やサロン(純ちゃんは美容院なんて言わなかった)は、地方のそれとはやはり全然違うらしいという事がわかった。そして、もし東京の学校に通ったり、就職するなら、家賃が高いから、私が今住んでいるアパートに一緒に住まない?と言ってくれた。

それは、純ちゃんにとっても助かるらしい。今、一緒にするでいる友達が(ルームシェアと言うそうだ)事情ができて地元に春には帰ってしまうのだという。だから、一人では家賃が高いので、誰かルームシェアする人を探そうと思っていた、と言った。
専門学校を選ぶのにも、相談に乗ってくれるとも言ってくれた。

そして、純ちゃんが私の母に話してくれて、母も姪っ子の純ちゃんが一緒に住んでくれて、専門学校も相談に乗ってくれると言うので父に話し、まあ純ちゃんがついてくれているなら、という事で、ようやく東京に行かれることになった。私は憧れていた東京で、そして更に大好きな純ちゃんと一緒に住める、というのが嬉しくて嬉しくて、もう気持ちはすでに東京にあった。

三月には、私は東京に行って純ちゃんと住みだした。
キッチンと部屋が二つ。部屋にはお互い勝手に入らない。キッチンは二人の共有スペースだから好きに使っていい、と言ってくれた。

そして、地元にいる時からさんざん吟味していた理美容学校についに四月から通いだしたのだ。
覚える事は山ほどあった。
考えていたよりずっと大変で、自分の考えの甘さに心が折れそうだった。
そんな私に純ちゃんは、誰でもみんなそんなものなのよ、と言ってくれた。

疲れて帰ってきても、純ちゃんと一緒に夕飯を作って、その日のあった事を話しながら一緒に食べるのは、とても楽しかった。私は一緒に住みだした時から、純ちゃんへの感謝も込めて、食事の後片付けは自分でやると決めていた。純ちゃんは交代でいいじゃないの、と言ってくれたけれど、私は純ちゃんのおかげでこうして憧れの生活ができるのだから、と譲らなかったら純ちゃんは、ちーちゃんのそういうところは叔母さんそっくり、と笑って言った。

そして私が二年生の夏頃、急に純ちゃんが、ちょっと旅行に行くけれど、一人で大丈夫?と聞いてきた。びっくりしたけれど、純ちゃんには純ちゃんの生活があるのだからと思い、私は笑顔で大丈夫、と言ったのだ。

でも、旅行から帰って来てから純ちゃんの様子は少し変わった。口数が少し減り、それからしばらくしたら、ちーちゃんもだいぶ慣れたのだから、食事の支度を頼んでいいかな、と言われた。私は今まで知らない料理も純ちゃんに教わりながら一緒に作っていたから、うん、もちろんいいよ、と言った。そして、私は今まで純ちゃんに甘えすぎていたのかな、と反省した。

でも、疲れて帰ってきて買い物をして毎日料理を作って出して片付けるのは、けっこう疲れた。独り暮らしならこういう生活をするはずだったんだ、と改めて純ちゃんに感謝したのだ。

純ちゃんは、時々部屋に一日こもって出てこない日が出てきた。部屋から出るのは、お風呂や食事だけ。

最近、仕事で疲れているのかな、と思い、今まで交代制だった掃除や洗濯、ゴミ出しなども私がやるようになった。

私は学校を卒業し、比較的通いやすい場所にあるサロンに就職した。
その時は、純ちゃんが前みたいに笑って心から喜んでくれた。

そして、就職祝いをしましょうよ、と言って、お洒落なイタリアンのお店で食事をした。久しぶりに見る純ちゃんの笑顔に、私はとても嬉しかった。食べ終わる頃、はい、これ就職祝い、と言って、細長い、きれいにリボンがかかった箱をプレゼントしてくれた。

私は思っても見なかったのでびっくりしながら、嬉しかったのでその場でその箱を開けた。すると、とてもきれいなプラチナのネックレスが入っていたのだ。驚いている私に純ちゃんは、もう大人なのだから、ちーちゃんもそれ位つけていいんじゃない?と微笑んだ。
早速つけてみたら、ヒヤリとしたプラチナがズシリ、と私には大人の重みを感じさせた。そして心を込めて純ちゃんにお礼を言うと、ちーちゃんもプラチナが似合う大人になったのね、としみじみ言ったので、私は吹き出してしまった。すると純ちゃんも、いやだ、お母さんか何かが言うみたい、と一緒に笑った。

仕事をするという大変さは、専門学校に入った時の比ではなかった。まだまだ未熟で下働きしかやらせてもらえない。カットした髪を掃除したり、使った山のようなタオルを洗濯して干したり、パーマ用のロットの用意をしたり、それでもモタモタしていると怒られた。
仕事が終わったあとから、シャンプーの練習をしたりするので、帰るのは夜中になった。

就職する時純ちゃんは、これからは大人同士なのだし、帰る時間やお休みも違うから、お互い、自分のことは自分でしましょう、と言われた。そしてゴミ出しだけ、頼んでいい?と言うので、そうだな、今まで甘えていたのだからと思い、うん、いいよと言った。

だけど、一日立ち仕事で電車に揺られて帰って来てから、純ちゃんはとっくに全部済ませ部屋で寝ている中、食事を作る元気はなかった。だんだんコンビニの袋を下げて帰って来るようになり、疲れで食欲もなく、サラダを食べて済ませたりしていた。

するとある時、純ちゃんに一緒に暮らすようになって、初めて怒られた。
キッチンのゴミ箱にコンビニのパックばかり捨ててあるので、何故ちゃんと料理をしないのかと。
私も疲れていたので、つい口答えしてしまった。私は純ちゃんよりずっと遅くまで仕事をしてるのだから、疲れて作れない、と。すると純ちゃんは、ちーちゃんは甘えている、と言った。

そんな事、美容師を目指した時からわかっていた事じゃないの、そういう人が都会ではみんな独り暮らしをしていて、ちゃんとした生活をしているのだから。ちーちゃんは心の中で、私に依存しているのじゃないの?と言われた。
何も言い返せなかった。たしかに私は心のどこかで、遅くまで仕事しているのだから、食事を作るとき、ついでに私の分も作ってくれたっていいじゃない、と思っていたのは確かだった。

純ちゃんは、私はちーちゃんの母親じゃないのよ、勘違いしないで、と言った。その冷たい物言いに、私は腹が立った。
そして、ひとこと、分かったよ、と言ってまだ何か言おうとしている純ちゃんを見ないで部屋に入った。
コンコン、と純ちゃんがノックしたけれど無視していた。

すると、純ちゃんも部屋には入ったようだった。

私は、純ちゃん、最近私に冷たいな、と思っていた。痛いところを突かれて何も言い返せない事にも腹が立った。
純ちゃんのバカ、と心の中で思っていた。

だから、それからは私は遅く帰ってから作るのは無理なので、休みの日にスーパーで買い物をして、冷凍できる煮物や和え物を作ったり、ハンバーグや焼き魚、魚のフライ、チキンカツなどを作って冷凍しておいた。サラダ用に、トマトやきゅうり、パプリカ、レタスを買っておいて、サラダが食べたい日は、朝、切って器に盛ってラップして冷蔵庫に入れておいた。あとは前日の夜に休みの日に作り置きして冷凍しておいた物を冷蔵庫に移しておいて、食べる時レンチンして食べるようになった。

きちんとした食生活のおかげか、仕事に慣れてきたのか、以前ほど疲れなくなった。洗濯も夜シャワーを浴びながら洗濯機を回し、上がると部屋干ししておいて、天気のいい日は朝ベランダに出していった。
一緒に暮らしながら、純ちゃんとはあれ以来、ほとんど顔を合わせていない。朝は会社員の純ちゃんの方が早いし帰りは私の方がずっと遅い。お休みも純ちゃんは日曜日だけれど、私は月曜日だったから。
私は、一人で自分の事は何でもできるようになっていた。半分は純ちゃんへの意地もあった。

日曜日、純ちゃんはお休みなのに朝起きてこない事が増えてきた。
夜もキッチンのゴミ箱に純ちゃんの料理して食べた残りが何もない事も出てきた。
私はだんだん腹が立ってきた。
私にはあんなに言っていたのに、自分はお休みはダラダラ寝ているし、夕飯だって外食してるのか、ちゃんと作ってないじゃない、と。

そして、ある日いつものように夜遅く帰ってくると、驚いた事に純ちゃんが起きてキッチンに座っていた。
「ただいま」と言うと「おかえりなさい」と言った。なんだか気のせいか少し痩せて元気がないように見えた。

私は、いつものように冷蔵庫に入れておいた、作りおきの食事をし出した。食べ終わるのを待って、純ちゃんが、ルームシェアを解消したい、と言った。
内心、ものすごい驚いていた。ショックだった。そこまで嫌われていたとは思っていなかった。
最初はあんなに親切にしてくれたのに、と腹が立って、即座に「いいよ、私もそうしたいとちょうど思っていたから」と言った。嘘だった。

でも、そう言ってしまったのだから、あとへは引けなくなった。
幸い、私の勤めているサロンでは寮にしているアパートがあった。そこに入ればいい、私はそう思った。
だって、もう一人で何でもできるから。

翌日、朝出勤すると早速、寮に入りたいのですが、と言うと、空き部屋があるからいつでもいい、と言われた。
では来月からお世話になります、と言った。今月はもうあと半月しかなかったから。

私は次の休みの月曜日に引越し業者を探し、日取りを決めた。
勤めの日は疲れるので、休みの日に荷造りしなくちゃ。早速段ボール箱に荷物を入れてる私を、純ちゃんは時々、チラッと見ていた。私は気づいていたが、気づかないふりをしてせっせと荷造りをした。

そして、明日引っ越しだという夜、純ちゃんに挨拶はしなくちゃ、と思った。嫌われていても、私が東京で美容師になれたのは、純ちゃんのおかげだったのだから。
いつから嫌われていたのか、さっぱりわからなかった。いつから?なんで?
やっぱり、別々に暮らしていたから、可愛がってもらったけれど、一緒に暮らしたら、私はただの甘えん坊で嫌になったのかな、と思った。そう思うと、少し淋しかった。

純ちゃんの部屋をノックしてドアを開けたら、純ちゃんはまだまだ寝る時間ではないのにベッドにいた。
私がびっくりしてると、笑って、いやだ、うたた寝しちゃった、と言った。
やっぱり、純ちゃんは以前より痩せて元気がなく見えた。
なんだか心配になり「純ちゃん、どこか悪いの?」と言うと、「全然どこも悪くないわよ。最近、ちょっと仕事が忙しいの」と言った。そうなのか、良かった、と思い、純ちゃんに挨拶しようとしたら、純ちゃんが「あらたまって挨拶なんてやめましょうよ」と言った。挨拶もしたくないのか、とちょっとムッとなり「それじゃあ、純ちゃんも元気でね」と言うと部屋を出た。

これで本当に良かったのだろうか、やっぱりきちんと挨拶したほうが良かったのでは、と思ったが、純ちゃんから言われた言葉が心に突き刺さり素直になれなかった。

翌日、純ちゃんはいつもより早く家を出たので、本当に挨拶できないまま、私は引っ越した。気になりながら。

新しい寮生活は楽しかった。いろんな支店の子がいたし、それぞれの部屋はワンルームのアパートそのものだったので、気兼ねせず、キッチンも使えるし、洗濯もできる。

そして、仕事でも少しずつやらせてもらえる事が増えてきた。仕事が終わった後、私と同期の子たちはみんな一生懸命練習をしていた。私も仲間がいるのが励みになってがんばった。

寮に帰っても、私は純ちゃんと暮らしてた時の続きで、休みの日に作り置きして、夜シャワーを浴びながら洗濯をしていた。
みんなは意外だったが、そんな事はしてなかった。コンビニのごはんで済ませたりしていた。ビールを飲んでお終い、という人もいた。洗濯だって休みの日にコインランドリーで済ませる人も結構いた。

千春はすごいね、と言われた。
その時になって、純ちゃんは私が一人でも困らないよう、いろいろとタイミングを見て考えていてくれてたんだ、と気づいた。純ちゃんに無性に会いたくなった。でも、一緒に住みたくないくらい嫌われているのだから、連絡はしなかった。

そして、それから半年が経つ頃、母から電話が来た。純ちゃんが亡くなったのでお葬式に出るから帰ってらっしゃい、と言われた。頭が真っ白になって、すぐに言葉が出てこなかった。
仕事中だったから、今夜帰るね、とようやく言って電話を切った。
その日は、失敗ばかりしていた。夕方、お店が空いた時、店長に話すと「馬鹿ね、なぜすぐ言わないの」と言われ、今日はいいからこれからすぐ行きなさい、と言われた。一週間休んだら来るのよ、と言われて。

とにかく、持ってきていた黒のフォーマルとバッグなどを揃えてキャリーケースに入れて、夜の新幹線に飛び乗った。何がなんだか全然わからず、何も考えられなかった。

駅からタクシーで、久しぶりに家に着いた。「お母さん、純ちゃん本当に死んだの?」帰るなり言うと、逆に母が驚き「あんた、けっこう長く純ちゃんと暮らしてたじゃないの、知らなかったの?」と言われてしまった。
子宮がんだった、と言われた。
なんだか様子が変なので、病院に行ったら大きい病院を紹介されて検査入院してたという。
それは純ちゃんが私がまだ専門学校の二年生の時だった、と聞いて、ちょっと旅行に行ってくる、と言った、あの時だったんだ、とようやく知った。

私は仕事に行っていて知らなかったが、純ちゃんは働きながら定期的に病院に治療に通っていた事を知った。

その後、転移があり、余命宣告を受けていたのだと言う母の言葉をぼんやり聞いていた。

そうか、純ちゃんは自分の死期を知って、私が一人でも困らないよう、いろいろ考えてくれていたんだ、と初めてわかった。
そして母から、あんた宛ての純ちゃんの手紙よ、と手渡された。

自分の部屋に久しぶりに入り、ベッドに座り手紙を読んだ。そこには懐かしい純ちゃんの言葉があった。

『ちーちゃん、ごめんね。私は大好きなちーちゃんともっとずっといられると思っていたのだけれど、出来なくなってしまいました。もし、このまま私が死んだら、と考えたら、ちーちゃんはこの先も東京で働くなら、一人で生きていく事になるから、心を鬼にして、なんでもちーちゃんが一人でできるように、私をあまり頼らないようにしてました。ちーちゃんの就職祝いをした時、楽しかったね。二人でお祝いができて、私は本当に嬉しかったの。
ちーちゃんは私の妹みたいなものだったから。本当は全部話してしまいたかった。でも、ちーちゃんが一生懸命仕事をしているのを知っていたから、言ってはいけないと思っていたの。
最後は、笑ってさよならしたかったけれど、泣いてしまいそうで、できなかった。ごめんね、ちーちゃん。最後まで優しくできなくて。
もう、ちーちゃんは一人で何でもやって生きていける、立派な大人の女性です。ちーちゃん、一緒に暮らせて楽しかったよ。大好きだったよ、ちーちゃん。           純子』

私は、初めて純ちゃんの私への深い思いを知った。純ちゃん、ごめんね。
私、純ちゃんの事誤解していて。
純ちゃん、一人で胸に抱えているの苦しかったでしょう?なんて話してくれなかったの?!そうしたら、私が少しは話し相手になって、純ちゃんにご飯作ってあげたりしたのに。
純ちゃん、大好きだよ。
気がつくと力を込めて歯を食いしばっていた。ポタリ、と手紙に落ちたのが自分の涙だと知ると、せき止められてた川のように、涙が溢れて後悔で胸が締めつけられた。
私はうわ言みたいに、ただ、純ちゃん、純ちゃんと言いながら涙があふれるのに任せていた。
ごめんね、ごめんね、純ちゃん!
そして、ありがとう。私は手紙を握りしめてベッドに顔を伏せていつまでも泣いていた。優くて大好きだった純ちゃんの顔が浮ぶ。

5/30/2023, 2:48:35 AM

私はある日
友達と喧嘩した
いつもは、1日経てばケロッと遊ぶ約束してたりするのに
今回のは2人とも意地になって、1週間以上ろくに会話もしてない…いい加減謝ろうそう思って、電話をかけた…
「もしもし…あのさ…」
「なに?」
「この前のこと…謝ろうと思って…」
「あ〜会って話そ?」
「わかった、今からいつもの場所に…」
「うん」

急いで準備して…
2人とも大好きなお菓子買って…
いつもの場所に…
謝る言葉を心の中で唱え続けて

準備万端

でも友達は来なかった…
何時間待ったのだろうか…
約束は絶対守ってくれる子だった…
謝ることも会うことも出来なかった…

ニュース速報です
午後5時にトラックがコンビニに追突して
買い物中の高校生が巻き込まれ…
大丈夫かな…もしかしたら…
電話して…
タダイマデンワニデルコトガデキマサン
返信無し…
あ~あまた同じ結末か~

5/30/2023, 2:26:59 AM

「ごめんね」なんて言われたのは、いったいいつぶりの話だろうか。
 お気に入りのロッキングチェアに座りながら編み物をしていたミツ子はふと手を止めた。
庭に植えたあじさいには小さな蕾ができ、昨晩の台風が嘘のように澄み切った空が広がっていた。

 昨日は孫のちえちゃんがお家に遊びに来ていた。
「ちえね。お料理じょうずになったんだよ!だから今日はちえもお手伝いするー」
こうして2人で料理を始めたが、ちえちゃんの目に玉ねぎが染みたことによってあえなく終了した。
「ごめんなさい、おばあちゃん。ちえが、ちえがお料理しようって言ったのに。」
「いいのよ、ちえちゃん。ちえちゃんが頑張ったのおばあちゃんよーく分かっているから。
 ほらだから、泣かないで。」
そしてちえちゃんは、おばあちゃん特製クラムチャウダーを堪能し帰っていった。
ミツ子にとって、とても幸せなひとときだった。

 ミツ子の父親は酒乱だった。
アルコールが回っていて頭の回っていない父は論理的な返答ができなかった。大きな音を出し、大声で怒鳴りつけ、時には力まかせに制圧をしてくるタイプだった。
部屋には常にスト缶がケースで置かれており、毎日3本は必ず飲んでいた。
 母親はとにかく話の通じないヒステリーだった。
ミツ子が幼稚園に通っていた頃、母親に車で送り迎えをしてもらっていた。
小さいミツ子は何か癪にさわるような事をしたのだろう。
母親は「あんたたちのことなんていつでも殺せるんだからね!!!」と言いながら蛇行運転し、後ろに座っていたミツ子の膝を思いっきり引っ掻いた。
 父親は毎回記憶がないのでミツ子に謝ることはなかったが、母親は小さなミツ子にしがみつくように抱きつき
「ごめんなさい。ごめんなさい。」と何度も謝っては繰り返していった。

 「あぁ、そうか。あの時か。」
ミツ子は嫌な記憶を払拭するために買物に出かけた。

5/30/2023, 2:26:53 AM

『ごめんね』

この一言が言えていれば

何か変わっていたかもしれないのに

何であの時言えなかったんだろう

変な意地なんて

張らなきゃよかった

こんなに後悔するなんて

思ってもいなかった

5/30/2023, 1:55:27 AM

ごめんね 毎日思うよ。
あなたが生きる私は あまりに自信がなくて
いついつも優しい 貴方に
私は ありがとう。が返せたらいいとおもう

5/30/2023, 1:52:14 AM

ごめんね


「ゆうくん?」
「……っえ、あ、なにか言った?」
「ううん。まだなにも」
「そ、そっか」
「ゆうくん、私に見惚れてぼーっとしてたでしょ」
「え!? いいいやそそそんな」
「ゆうくん、

かわいくてご・め・ん⭐︎」

「……!!」
「え、ちょ、ツッコんで!? 私がイタイ子みたいじゃん!!」
「……いです」
「知ってるでしょこれ流行り! ネタなの! 本気じゃないから!!」
「……」
「ねえちょっと聞いてる!?」
「世界一かわいいです」
「は、」

5/30/2023, 1:48:30 AM

『「ごめんね」』 140


あのな、あんたさん?
謝って済むなら警察なんていらへんと思いませんか?

……ん?

なーんか波風立たんように頑張っとんのは分かるよ?
『ごめん』やら『すみません』やら取り敢えずゆーとけば、ある程度めんどーごとも避けれるしな

それはめっちゃ分かる

でもそない謝ってばっかおったら、いつか悪い人に付け込まれるよーってゆーとんさ
知り合いがそないなったら、こっちも胸糞悪いやろ?

……ん?

あんたさんちゃんと聞いとる?
……聞いてなかったやろ?

あーー!!
ほらまたそうやって『ごめん』ゆーやろ!
かっー!!
これやからもうあんたさんは!
っとにもう、何で分からんもんかなー!
それがアカンてゆーとんに

えぇ?なに?

…………うるさい??

……おぉ
……おう
……確かにな
……そらそやわな

なんてゆーか……そのぉ
…………ごめんしてな?

5/30/2023, 1:12:07 AM

ごめんね。って謝ったら、もう忘れる。自分を責めない。

皆んなは許してくれる。そう思う。間違うことがない人なんていない。

みんなの優しい顔が浮かんで、涙が出てきた。

ごめんね。ありがとう。許してくれて。

5/30/2023, 1:06:33 AM

「ごめんね」

 今日のお題はかぎかっこがついている。ということは······どういうことだ。

 かぎかっこは小説などで人のセリフに使うものという認識が一般的だろう。つまり今日のお題は自分の感情や言葉ではなく、人に「ごめんね」と言われた時のことがお題なんだよ。

 「ごめんね」という言葉からは言った相手の立場を察することができる。例えばもしこれを言った相手が下の立場であるならば、出てくる言葉は「申し訳ありません」あるいは「ごめんなさい」のはずだ。

 つまり「ごめんね」という言葉からは相手に対する自分の立場の強さ、もしくは相手への気安さが感じ取れる。

 立場が上の相手、あるいは親しい間柄から「ごめんね」と言われた時どう対応するのが正しいのか。それを問われているわけだ。

 うん、ここまで書いて飽きた。自分でもなに書いてるのかわからんくなった。

 お題でなにも思い付かないから適当に意味深っぽいことでも書こうとしたけど難しいね。自分では推理ものっぽい感じで書いてたつもりだけど知能が足りないわ。

5/30/2023, 12:05:01 AM

#33 「ごめんね」


◆閲覧注意◆
トラウマ描写あり。
とはいえ伏字しかないです。


思い出さないようにすることはできる。
だけど、許すことはできない。

これは、そういう話です。




ごめんね、ってどういうこと?
何に対しての、ごめんなの?



何も知らない私に--したこと?
それから、私の--を奪ったこと?

あの頃は、本当に…だったんだけどな。


それとも、あれかな。

--って、言ったこと?
--なんてことも話してたね。

それで私からどんな答えが欲しかったの?


それか、
--で--したこと?
私が--したね。

そのときは私のことなんて、
これっぽっちも思い出さなかったんだろうね。



やっと、やっと忘れてきたところだったのに。

ごめんね、なんて言わないで。

そう言われたら、
許すかどうか返さなきゃいけないでしょ?
やめて、考えたくないの。

私は忘れていたいだけ。
だから、あなたたちは勝手に悩みながら、
それでものうのうと生きててよ。

ね、--、--。


---

読んでくれて、ありがとうございます。

ごめんねと、
言う側か言われる側かで考えたときに、
より強く思い浮かんだものを書きました。
伏字なのは、単に公表しない方針なだけです。
まあ世の中には、いっぱいいると思います。

自分だけでケリをつけようとしては失敗を繰り返して、潰されそうになってた時期がありました。

だけど整理がつかないならつけなくていいんです。
無理に解決しようせず、ただ目を逸らす努力をする方が建設的だったりします。

トラウマの克服には、
対となる経験が必要だと漫画ですが読みました。
今思えば、確かにそうなったなと思います。
ただ、「これで救われるはず」と期待しているうちは難しいように思います。


今回は、
あくまで『もし言われたら』の気持ちなので、
現実ではないので、
パカっと蓋が開いても、自分で閉められます。

だから私は今日も大丈夫なのです。

5/29/2023, 11:34:19 PM

「ごめんね」

  簡単に言えない

  口にしたらたった四文字の音なのに

  でもそれ以上に溢れ出しそうで

  いっぱいいっぱいになる

  やたら重くて心の中で石になり

  あの人は素直に謝れないと責められた

5/29/2023, 11:24:31 PM

場所はエレベーター内、通称『箱』だ。
俺は今、爆弾を抱えている。
それもとびきり大きいやつだ。それゆえ破壊力も凄まじい。
こいつが猛威を振るえば、この箱内の人間はひとたまりもないだろう。

だが安心してほしい、俺は虫も殺せない程に慈悲深い人間。
嫌な汗を滝のように流しながらも、大惨事にならぬよう必死に祈っている。

ここにいる人達は平和な奴らだ。
一緒に爆弾が乗っている事も知らず、アホみたいにただ階数表示する液晶をじっと見つめてる。俺以外のすべてが。だ。

死ぬのは一人でいい。
頼むから早く爆発する前に目的の階につくか、一人残らず降りてくれ。
そう願うも叶わず、徐々に増える人間。押され潰れる俺と爆弾。
もう乗れないよ。と悲鳴を上げる箱。

その満腹の箱が動いた瞬間、よろめいた人が俺の爆弾を刺激する。
あっと思った刹那に響き渡る破裂音。それと一緒に広がる異臭。

そう、屁が出たのだ。

周りの人間は一斉にしかめっ面をした。
鼻を押さえているやつもいる。

そんな空気を読めない箱は、能天気にも目的地についたよと合図をならした。

俺はゆっくり手を上げてこうつぶやいた。

「……おります」


お題「ごめんね」

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