月影 零

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3/26/2023, 12:11:12 PM

『優希は勉強が出来て優しくて、気が使えて、皆の為に動ける人だよね。私にはない長所だなー、羨ましい〜』

ずっと羨ましかった。君は皆からそうやって評価されて、
私は君を見習えって言われて。なんで?私は私でしょう?確かに勉強は得意じゃない。誰かの為に動ける訳でも全てを受け止められる程優しくもない。でも、私には私の良さがある、そう母さんや父さんは言ってくれたよ?
私が明るく振る舞うのは、皆がそんな私を求めるから。皆が望む【スポーツ万能で明るく元気な明依】でいれば皆は私を捨てない。私を愛してくれるでしょう?でもね、周りからの君のような子が良い子だって、そんな声があるから君の幼馴染であることが、親友でいる事が、隣に立つ事が酷く息苦しくなる。でも誰にもあげたくない。
ズルいよね。
嗚呼、本当に君がウラヤマシイ

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「そういう明依はスポーツ万能で明るくて、場を盛り上げるのが得意で友達も多いよね。逆に私は明依が羨ましいよ笑」

本当にそう。私は貴女みたいにスポーツが出来て明るくて、友達がいっぱいで、皆に愛されてる訳じゃない。教室で私を呼んでくれるのは貴女だけ。でも貴女には貴女の名前を呼ぶ人が沢山いる、愛されている。その事を自覚する度に私は1人だって、胸が締め付けられたように痛むの。
私は皆の為に動いてるんじゃない。1人になりたくないの。
役に立てれば皆私を見捨てたりしないでしょう?私は愛されたいから、皆の言う事、求める事を受け止めるの。そうして皆が望む【優等生で優しい優希】を演じれば皆私を見てくれる、頼ってくれる、愛してくれる。でも、周りから明依みたいな子の方が一緒にいて楽しいとか、そんな声が聞こえると目の前が歪むの、エラーが起きたみたいに。
貴女の隣を幼馴染として、親友として歩くのは酷く困難で息苦しくて、でも誰にも譲れないの。ズルイのかな。
嗚呼、本当に貴女がウラヤマシイ。

『「所詮私達が抱くこの気持ちは、ないものねだり。」』

3/24/2023, 12:56:14 PM

君の今居る場所はどんな天気だろうか。
晴れてるだろうか、雨が降っているだろうか、それとも
曇っているだろうか。
風は強いだろうか、逆に吹いていないのだろうか。
乾燥しているだろうか、それとも湿ってじめじめしているだろうか。
暖かいだろうか、涼しいだろうか。
僕は君が今どんな環境を生きているのか想像するのが
楽しくて仕方ない。君の生きる世界を想像するのが凄く
楽しくて、それと同時に君の隣に立っている僕を想像してみたくもなる。
僕が今立っているこの場所は雨が降っている、湿った風が吹いていて蒸し暑い。正直最悪だと思う。
でも、君の立っている場所は晴れていて、風もなく涼しいかもしれない。というかそうであって欲しい。
「所により雨」って言葉。
雨が降ってるのは極わずかな範囲。
きっと君の所は晴れていて僕の所は雨が降ってる。
僕はその"極わずか"を引き当ててしまったのかもね。

天気に例えたけどさ。心配事が起きるのって"極わずか"な確率なんだ。君が心配してる事の殆どは起きない。
だからどうか、胸を張って堂々と挑戦しておいで。
きっと待ってるのは青空で、もし雨空だったら
「ついてないなー」で済ませれば良いから。

『何かに挑戦する貴方に1点の雲のない空が
広がっていますように』

-とある少年の独白-

3/23/2023, 10:30:24 AM

君は僕にとって月明かりの様な存在だった。
太陽のように目が眩むほどの眩しい光じゃなくて
僕の歩む道を優しく照らしてくれる、そんな光。
君の隣は陽だまりのように暖かい。
君が居るから僕は迷わず歩けるんだ。
キミがいるから僕は笑って生きていけるんだ。
だからね、ずっと君の隣を歩かせて。

『キミはいつまでもボクにとって特別な人』

そうやって言ったら君は花が咲いた様に優しく笑った。
僕はその笑顔に心臓を掴まれたような気がした。
この気持ちはきっと--

3/23/2023, 12:01:28 AM

君があまりに優しく笑うから
君との記憶を手放せない。
君のその笑顔のお陰で僕はきっと生かされている。
それは同時に僕を此岸に縛り付ける。

「早く会いに行きたいけど、
君はきっと許さないだろうね。
『全て忘れられたら』なんて
都合のいい展開起きるはずなんか無いから、
僕の過去も罪も絶望も全部抱えて償い続けるよ。
だから、そこ(彼岸)で見守ってて。」

君の墓前で誓ったそんな誓い。

僕の愛しい片割れ、もう少し待っていて。
後少しで赦して貰えるだろうから…。

もうすぐ君に逢いに行くよ…。
アイシテル、'' ''
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5月6日雲ひとつない晴天の日。
今日はとある少女の命日。
私が共に生活を双子の片割れの妹の墓だ。
彼女の墓には紫蘭が供えられている。
花言葉は『あなたを忘れない』『変わらぬ愛』だったか。
墓の前には白髪の、左耳に雫型の耳飾りを身に付けた少年が立っている。
彼は墓に眠る今は亡き片割れの少女に誓う。
何を誓っていたのか、私には分からない。
だが、遺された彼の近くに居る人間として、
彼の道が月明かりのように優しく照らされている事を切に願うばかりだ。