君があまりに優しく笑うから
君との記憶を手放せない。
君のその笑顔のお陰で僕はきっと生かされている。
それは同時に僕を此岸に縛り付ける。
「早く会いに行きたいけど、
君はきっと許さないだろうね。
『全て忘れられたら』なんて
都合のいい展開起きるはずなんか無いから、
僕の過去も罪も絶望も全部抱えて償い続けるよ。
だから、そこ(彼岸)で見守ってて。」
君の墓前で誓ったそんな誓い。
僕の愛しい片割れ、もう少し待っていて。
後少しで赦して貰えるだろうから…。
もうすぐ君に逢いに行くよ…。
アイシテル、'' ''
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5月6日雲ひとつない晴天の日。
今日はとある少女の命日。
私が共に生活を双子の片割れの妹の墓だ。
彼女の墓には紫蘭が供えられている。
花言葉は『あなたを忘れない』『変わらぬ愛』だったか。
墓の前には白髪の、左耳に雫型の耳飾りを身に付けた少年が立っている。
彼は墓に眠る今は亡き片割れの少女に誓う。
何を誓っていたのか、私には分からない。
だが、遺された彼の近くに居る人間として、
彼の道が月明かりのように優しく照らされている事を切に願うばかりだ。
3/23/2023, 12:01:28 AM