海月

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10/25/2024, 11:38:02 AM

「 友達とは。」/ 実話です。


小学校からずっと一緒だった幼なじみの彼女は、私にとって何でも話せる存在だった。少なくとも、そう信じていた。でも、私たちが同じ人を好きになってから、全てが変わってしまった。

彼と付き合い始めた時、幼なじみが急に冷たくなったことに、最初は戸惑いを感じた。なぜ彼女がこんな態度を取るのか、理由が分からなかった。けれど、次第に彼女が私に対して嫌がらせをしていることに気づいた。教室では無視され、時には他の友達の前で意地悪な言葉を言われた。「あの人が私なんかと付き合うはずがない」とか、「私はどうせ捨てられるんだから」と、私の自信を揺るがすようなことを言われる日々が続いた。

それでも、ずっと幼なじみとして過ごしてきた彼女だから、私はどこかで彼女を信じたかった。彼女がただ嫉妬しているだけで、きっとそのうち元に戻るんだと、自分に言い聞かせていた。

でも、ある日、彼女から直接言われた言葉が私の心に深い傷を残した。

「家が近いから一緒に居てあげてるだけで、友達だと思ったことなんて一度もないからw」

その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。彼女が本当にそんなふうに思っていたなんて。今まで一緒に過ごしてきた時間、笑い合った日々は、彼女にとってはただの気まぐれだったのだろうか。その言葉が心に深く突き刺さり、痛みがしばらく消えなかった。

彼と別れた後、彼女はまるで何もなかったかのように、また普通に話しかけてきた。まるで私たちの間には何の問題もなかったかのように。でも、私はもう以前のように彼女と接することはできなかった。彼女の言葉と行動が私の中で深く刻まれていて、笑顔で応じることができなかった。彼女の近くにいるだけで、胸が苦しくなり、また同じように傷つけられるのではないかという恐怖があった。

だから、私は決断した。彼女との関係を終わらせることにした。彼女のSNSをすべてブロックし、もう彼女と関わることはやめようと心に決めた。彼女との縁を切ることで、少しでも自分を守ろうとした。

それが正しかったのか、今でも時々分からなくなることがある。幼なじみだった彼女との思い出は、一瞬たりとも消えることはない。彼女と笑い合った日々が嘘だったなんて、信じたくはなかった。けれど、自分を守るためにはこの選択しかなかったんだと、自分に言い聞かせるしかない。

これで良かったんだよね。彼女から離れることで、少しでも自分を取り戻せると信じている。でも、心の中の傷は、簡単に癒えるものではなかった。

10/24/2024, 1:15:14 PM

「 行かないで。」

※ 今までの小説の 彼side を書いてみました。

別れを告げられた瞬間、頭が真っ白になった。彼女が突然「別れよう」と言った理由が、まるで理解できなかった。俺たちは両思いだったはずだ。確かに最近、彼女が元気がないことには気づいていたけれど、原因が何なのか聞いても答えてくれなかった。それでも、二人で乗り越えられると信じていた。

それからしばらく、何も手につかなかった。教室にいても、友達と話していても、彼女のことが頭から離れない。どうしてこんなことになったんだろう? 何度も彼女にLINEを送ろうとしたけれど、送ったところで答えが返ってくるとは思えなかった。俺が悪かったのか、それとも他に理由があったのか、分からないまま時間だけが過ぎていった。

そんなある日、共通の友達にそれとなく別れの理由を聞いてみた。自分で直接彼女に聞けなかったのは、怖かったからだ。何か自分が大きな過ちを犯したんじゃないかという恐れがあった。でも、友達から聞かされた事実は、それ以上に辛かった。

「彼女さ、幼なじみの子とのことで悩んでたんだよ。お前に迷惑かけたくなかったってさ。」

その言葉を聞いた瞬間、悔しさと無力感が一気に押し寄せてきた。俺を巻き込みたくないから、彼女は1人でその苦しみを抱えていたのか。そんなこと、全然気づかなかった。彼女を幸せにできなかった自分を、心の底から恨んだ。もっと早く気づいていれば、もっと力になれたんじゃないか。俺は彼女にとって、ただの重荷だったのかもしれない。

でも、もう遅かった。彼女は俺から離れてしまった。手を伸ばしても、もう戻ることはできない。彼女の涙を、俺は拭ってやれなかった。

数ヶ月が過ぎ、少しずつ日常が戻りつつあった頃、俺に告白してくれた子がいた。彼女とは特別親しいわけではなかったけれど、明るくて優しい子だった。彼女の言葉に救われるような気がして、俺は彼女と付き合うことにした。

でも、付き合い始めた後も、どこか心が空っぽだった。彼女のことを大切に思いたいのに、心の奥底ではあの子――前の彼女のことが、どうしても忘れられなかった。新しい彼女は俺に笑顔をくれるし、一緒にいて心地よい時間を過ごせる。それでも、何かが違う。俺の心の中で、まだ彼女が占めている大きな部分があって、どうしてもそれを埋めることができなかった。

新しい彼女と過ごす時間が増えるほど、俺の心はますます苦しくなっていった。彼女に申し訳ないと思う気持ちと、忘れられない過去の狭間で、自分がどうするべきなのか分からなくなった。

結局、俺はその子と別れることにした。新しい彼女を傷つけてしまったことが申し訳なくて、でもどうしても彼女を想い続けることはできなかった。彼女には、もっと俺以外の幸せが待っていると信じたかったし、俺自身も、彼女との関係を続けることで誰も幸せにはなれないと感じていた。

それでも、俺の心はまだあの子を追いかけている。別れを告げられたあの日から、何も変わらないまま時だけが過ぎていった。俺は彼女を忘れることができなかった。

10/22/2024, 5:21:26 AM

「 声が枯れるまで。」 / 実話です。

彼と別れてから数ヶ月が経った。毎日が少しずつ色あせていくのを感じていた。教室で彼の姿を見るたびに、心がギュッと締めつけられる。笑顔で話す彼を見ているのが辛かった。そんなある日、友達から思いもよらない知らせが舞い込んできた。

「彼、今彼女がいるんだって。」

その瞬間、私の心は冷たく凍りついた。自分が振ったのに、どうしてこんなに苦しいのだろう。彼は私と別れた後、すぐに新しい恋を見つけたのだ。あんなに優しかった彼が、今は別の誰かと笑い合っている。胸の奥がズキズキと痛み、涙が溢れそうになった。

「私が彼にふさわしくなかったからだ」と自分を責めた。彼には幸せになってほしかった。彼女のことを知らなければよかったのに。彼が新しい彼女と幸せに過ごす姿を想像するたび、心の中の痛みが大きくなっていく。

それでも、彼には心から幸せになってほしかった。彼の笑顔が見たいと思っていたから、彼女のことを思うと複雑な気持ちが交錯する。彼と付き合っていたとき、彼が私に向けてくれた優しさや、思いやりは本物だった。彼には、もう私のことを振り返らずに進んでほしかった。だからこそ、辛い気持ちを抱えたまま、私は彼の幸せを願った。

ある日、彼女の存在を知ったことを友達に打ち明けた。友達は心配そうに私を見つめ、「無理して笑わなくていいんだよ。」と言ったけれど、私はその言葉を素直に受け入れることができなかった。外では笑顔を見せ、心の中で彼の幸せを祈ることが、私の精一杯だった。

それでも、声が枯れるまで彼のことを思い続ける自分がいた。友達との会話の中で、ふと彼の話題が出ると、心臓がドキリとする。彼の名前を聞くだけで、過去の幸せな記憶が一瞬で蘇る。けれど、その記憶は同時に苦しみを伴う。思い出すたびに、彼が他の誰かといることがますます辛くなる。

一人になったとき、涙が止まらなかった。彼の存在がこんなにも大きかったのに、私が彼を手放してしまったことで、今はただの思い出になってしまったことが耐え難かった。

「どうして、私は彼を手放してしまったんだろう?」

自問自答する日々が続いた。彼が彼女と一緒にいるのを見ることが、私にとってどれほど辛いことかを知っていた。だけど、彼の幸せを願うことは、私の心の中でずっと続いていた。


彼のことを思い続けることは決して消えない想いだけれど、私も私自身の幸せを見つけるために、前に進まなければならなかった。声が枯れるまで、彼を想い続けた日々は、私にとって大切な経験だった。だからこそ、これからの人生でも彼を忘れずに、自分の幸せを追い求めるのだと決めたはずだった。

10/20/2024, 12:09:26 PM

「 始まりはいつも。」 / 実話です。

「おはよう!今日もお互い頑張ろうね!」

彼と付き合い始めてからのLINEは、いつもこのメッセージから始まっていた。たとえ前の日に少し喧嘩しても、気まずい沈黙が流れても、朝には彼から「おはよう」と届く。その一言が、私の1日の始まりを彩っていた。

だけど、その日は違った。私たちの別れを決めた翌朝、スマホを見ても「おはよう」の通知はどこにもなかった。胸が少し痛んだ。私が別れを告げたのだから、当然だと言い聞かせたけれど、彼のメッセージがないことで、こんなにも心が空っぽになるなんて思わなかった。

あの日、放課後の教室で、私は彼に別れを切り出した。彼女――私の幼なじみ――が彼を好きだと知ってから、私は何もかもが怖くなっていた。彼女との友情が壊れること、そして、彼にこのことを知られることで、彼が何かを失うかもしれないこと。彼の隣にいるべきは私じゃないと、どこかで思ってしまっていた。

彼は何も悪くなかった。だからこそ、彼に迷惑をかけたくなかった。だから私は「ごめんね、もう別れよう」と言った。涙をこらえながら、私は彼に背を向け、教室を飛び出した。背後で彼の声が聞こえたけれど、振り返ることができなかった。

「どうして、こうなったんだろう……」

あの夜、ひとりでベッドの中で泣きながら、彼との思い出を思い出していた。沖縄の浜辺で告白された瞬間、手を繋いで歩いた帰り道、いつもくれる優しい「おはよう」の言葉。全部が私にとっての宝物だった。そして、その宝物を自分から壊してしまったのは、私自身だった。

次の日も、またその次の日も、彼の「おはよう」は届かなかった。私は彼と離れたことで、ようやく気づいた。どれだけ彼が私の世界を輝かせてくれていたのかを。教室で目が合った時、彼は何も言わずに微笑んでくれたけれど、その微笑みの裏にある寂しさを感じた。

「好きでいられたのに……」

彼との日々を思い出すたび、胸が締めつけられる。お互いに好きだったのに、どうしても一緒にいることができなかった現実が、私にとってはあまりにも重くて苦しかった。でも、それでも彼と過ごした時間は本当に幸せだった。

私たちは両思いのまま、別れを選んだ。だけど、彼との「おはよう」がなくなった朝を迎えるたび、私は新しい始まりを探していた。あのメッセージがもう届かないことが、私にとっての本当の「始まり」だったのかもしれない。彼がいなくなっても、私は自分自身の新しい一歩を踏み出すために、あの「おはよう」を心の中に残していた。

そして今も、ふとした瞬間に思い出す。「おはよう、今日もお互い頑張ろうね!」という彼の優しい声を。

その言葉は、これからも私の中で響き続ける。

10/17/2024, 11:32:46 AM

「 忘れたくても忘れられない。」/ 実話です。



春の柔らかな光が京都の街を包み、桜の花びらが風に舞っていた。私はひとり、静かに歩いていた。この街に来たのは、1年前に別れた元彼を忘れるため。結局彼を忘れることなんて出来なかった。思い出の重さがいつまでも消えず、どこかへ逃げ出したかったのだ。

彼とは京都について話したことなど一度もなかった。旅行の話は何度もしたけれど、京都はその中に入っていなかった。それなのに、なぜ私はこの街に引き寄せられたのだろう。心のどこかで、何かしらの区切りをつけられる気がしていた。

四条大橋の上に立ち、川の流れを見つめる。人の多さに気圧されながらも、私は少しずつ街を歩いていた。嵐山の竹林、清水寺の参道、祇園の石畳。どこを歩いても、心の中で彼の顔が浮かぶ。別れたときの苦しさ、楽しかった思い出、そして一緒に過ごした時間が、まるでこの風景と重なっているように感じられた。

そして、偶然の出来事はふいに訪れた。

夕方、鴨川のほとりを歩いていると、遠くから聞き覚えのある笑い声が耳に入ってきた。私の心臓が一瞬止まったかのように、全身が固まった。ふと振り返ると、彼の姿があった。少し離れたところで、友達と笑いながら歩いている。「どうしてここに....?なんで今?」

私たちが一緒に京都の話をしたことなんて一度もなかったはずなのに。なのに、こんなに広い日本の中で、同じ場所、同じ時間にいるなんて。それが運命でなければ、何なのだろう。

私は彼に声をかけることなく、そのまま足を止め、彼の姿が遠ざかっていくのを見送った。彼が楽しそうにしているのを見て、少し安心する自分がいた。でも同時に、その姿は私をさらに彼から遠ざけていた。彼はもう、私の知らない世界に生きているのだと痛感した。

宿に戻った私は、心の中に渦巻く感情をどう整理すればいいのか分からなかった。忘れるために来たはずの京都が、なぜか彼を一層強く思い出させる場所になってしまった。会うことなく、ただその存在を感じたことで、運命的なつながりを信じてしまったからだ。

結局、私は彼を忘れることができなかった。忘れたくても、忘れられない。運命を感じてしまったこの偶然の再会が、私の心をさらに深く締めつける。そして私はまた、彼のことを思い続けるのだろう。

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