母親を殺した。
「 2月4日
今日は片手で数えられる程度で良かった。
2月7日
満点取れなかった私が悪い。
2月18日
お母さんの誕生日。おめでとう。大好きだよ。
2月21日
耐えられなかった ごめんなさい。 」
血まみれになったその日記を母の隣に置いて
初めて夜遅く外に出た。
目が痛い程綺麗な天の川の下を駆けている
父が帰ってくる時間 その光景を見て何を思うのだろう。
恐怖よりも安堵が先に来て
鏡の中に写った短髪の女が笑っている
早く殺しておけばよかった。私短い方が好きだ。
パトカーと救急車のサイレンが聞こえる
あの人ちゃんとお母さんのこと愛してたんだ
当分 見つかるまでは自由
初めて 楽しい夜空を駆ける
フィクション
打ち明ける気などなかった
拒否されるのを理解していたから
君の幸せを壊したくなかった
たった一言で
君の幸せな思い出に一欠片恐怖が残ってしまうなら
僕の心はどうなったっていい
そう誓っていたはずなのに
目が合った気がする
手が触れた
勉強を教えて欲しいと言われた
スポーツが出来ることを褒めたら照れていた
あ 笑顔可愛い
日に日に気持ちは増した
「俺の初対面の時の印象なんだった? 」
「 綺麗な人だなと思った あと友達多そうとか」
「 綺麗 って言われ慣れてないからはず 笑」
「じゃあ今は?」
「 可愛くて好き 」
あ
「なにそれ笑 嬉しい」
期待していいのだろうか
いや きっと意味を履き違えている 君は鈍感だから
きっといつかひそかな想いに気づいて
フィクション
初めて会った時の貴女の輝きが忘れられない
私とは別次元に住んでいる 神秘的な生き物だと思った
ただ 近くに居ると気付く
元から完璧な生き物では無い
泥臭い努力をした人間 積み重ねてきたものが違う
憎らしいと言ってしまうのは少し可哀想な気がして
元から完璧なら 正当な理由で嫌いになれたはずなのに
私の何倍も努力している
だから悔しい
もっと努力できるような人間ならと高望みをした
私が努力したところで無駄だと思わされた
今日も 私のことを羨ましいと言う貴女に
少しでも勝る所を探している
フィクション
親友との勉強会
親からは遊ぶ口実だと思われてるけど
実はしっかり何時間も勉強していたりする
2人とも得意教科が正反対で 異性の好みも正反対
やりたいことも好きな事も違うので
当然 志望校も全く違う
あと数日で入試 あと数週間で卒業
段々と 遠くなるのを感じる
「 卒業やだな 」
「わかる」
「もう1回修学旅行とかスキーとか行きたい」
「ねえわかる〜」
遠くなってしまう
「 高校行ってもさ 」「もちろん」
「ゑ?回答早」
「心読んだ」
「しぬ」
ああ きっといやでも離れてくれない
幸せな土曜日
ノンフィクション
前作イルミネーションの会話の子と同じ子です
ピンクのラケット 白いボール
緑色のオムニコート 白色の帽子
横に並ぶ戦友と同時に
お辞儀をして帽子をかぶる 試合開始の合図
時には眩しさを凌いで
時には雨から目を守って
時には目から零れる雨を隠す
帽子を脱ぎお辞儀をしたら試合終了の合図
「応援ありがとうございました。」
傷ついたラケット 雨に濡れて薄汚れた帽子
その全てが成長の証だと 仲間は笑ってくれた
ノンフィクション