欠損品

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2/21/2025, 10:58:02 AM

母親を殺した。

「 2月4日
今日は片手で数えられる程度で良かった。

2月7日
満点取れなかった私が悪い。

2月18日
お母さんの誕生日。おめでとう。大好きだよ。

2月21日
耐えられなかった ごめんなさい。 」


血まみれになったその日記を母の隣に置いて
初めて夜遅く外に出た。
目が痛い程綺麗な天の川の下を駆けている

父が帰ってくる時間 その光景を見て何を思うのだろう。
恐怖よりも安堵が先に来て
鏡の中に写った短髪の女が笑っている

早く殺しておけばよかった。私短い方が好きだ。

パトカーと救急車のサイレンが聞こえる
あの人ちゃんとお母さんのこと愛してたんだ

当分 見つかるまでは自由
初めて 楽しい夜空を駆ける


フィクション

2/20/2025, 11:24:29 AM

打ち明ける気などなかった
拒否されるのを理解していたから

君の幸せを壊したくなかった
たった一言で
君の幸せな思い出に一欠片恐怖が残ってしまうなら
僕の心はどうなったっていい

そう誓っていたはずなのに

目が合った気がする
手が触れた
勉強を教えて欲しいと言われた
スポーツが出来ることを褒めたら照れていた
あ 笑顔可愛い

日に日に気持ちは増した
「俺の初対面の時の印象なんだった? 」
「 綺麗な人だなと思った あと友達多そうとか」
「 綺麗 って言われ慣れてないからはず 笑」
「じゃあ今は?」
「 可愛くて好き 」



「なにそれ笑 嬉しい」

期待していいのだろうか
いや きっと意味を履き違えている 君は鈍感だから
きっといつかひそかな想いに気づいて


フィクション

2/17/2025, 10:44:09 AM

初めて会った時の貴女の輝きが忘れられない
私とは別次元に住んでいる 神秘的な生き物だと思った

ただ 近くに居ると気付く
元から完璧な生き物では無い
泥臭い努力をした人間 積み重ねてきたものが違う

憎らしいと言ってしまうのは少し可哀想な気がして

元から完璧なら 正当な理由で嫌いになれたはずなのに
私の何倍も努力している

だから悔しい

もっと努力できるような人間ならと高望みをした
私が努力したところで無駄だと思わされた

今日も 私のことを羨ましいと言う貴女に
少しでも勝る所を探している


フィクション

2/8/2025, 1:02:06 PM

親友との勉強会
親からは遊ぶ口実だと思われてるけど
実はしっかり何時間も勉強していたりする

2人とも得意教科が正反対で 異性の好みも正反対
やりたいことも好きな事も違うので
当然 志望校も全く違う

あと数日で入試 あと数週間で卒業
段々と 遠くなるのを感じる

「 卒業やだな 」
「わかる」
「もう1回修学旅行とかスキーとか行きたい」
「ねえわかる〜」

遠くなってしまう

「 高校行ってもさ 」「もちろん」
「ゑ?回答早」
「心読んだ」
「しぬ」

ああ きっといやでも離れてくれない
幸せな土曜日


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前作イルミネーションの会話の子と同じ子です

1/28/2025, 11:11:14 AM

ピンクのラケット 白いボール
緑色のオムニコート 白色の帽子

横に並ぶ戦友と同時に
お辞儀をして帽子をかぶる 試合開始の合図

時には眩しさを凌いで
時には雨から目を守って
時には目から零れる雨を隠す

帽子を脱ぎお辞儀をしたら試合終了の合図
「応援ありがとうございました。」

傷ついたラケット 雨に濡れて薄汚れた帽子
その全てが成長の証だと 仲間は笑ってくれた


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