すゞ

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8/18/2025, 10:45:39 PM

詩のようなもの0018

足音

帰宅が遅い彼の足音で目を覚ましてしまう。
寝返りを打って眠りに飛び込むが、待っていてくれない時には寝はぐれてしまう。

気にしない。
仕事が忙しい。それはお互い様。

でも。
軽く苛立ちながら眠気を待つのが嫌だ。

誰かと一緒に暮らすのは大変。
独りで生きていけるように
訓練してきたから、大変。

足音が気にならなくなるまで
あと
どれぐらいかかるのだろう。

8/17/2025, 11:16:26 PM

詩のようなもの 0017

終わらない夏

毎日アプリに日記をつけ始めたら
私の今年の夏が
鮮明に刻まれていくことに気づいた

15の時に
子供時代の日記を燃やした
あの炎は今も覚えている
大人になる儀式のような覚悟も

30になる前に
書いていたものを
ダンボールに詰めた
今も屋根裏に置いてある
処分しなきゃなと思う

便利なことに
mixiもTwitterもblogも
ある日突然
相手の都合で消えてしまって
多分インスタもXもスレッズも
そしてこのアプリも
いつか消えてしまうのかもしれなくても

文字に閉じ込めた夏の記憶は
終わらないのかもしれない

記録を残したいとは全然思わないが
記憶が消えないで欲しいと思っているらしい
記憶を強化するために
私は言葉を紡ぐのかもしれない



8/16/2025, 3:00:39 PM

詩のようなもの0017

遠くの空へ

入れ!と祈ったが
シュートはゴールバーを叩いて
遠くの空へ

チャンスを!と祈り続けたが
祈りはどれぐらい届いたのだろう

ゴミを一回拾ったら
席を一回譲ったら

神様はきっと見ているんだ
ポイントを貯めるみたいに
徳を積んで
積んで積みまくりますから
どうか
彼を活躍させてください

って

毎日思ってた

いつものように
道端のゴミを拾っちゃったけど
「ああもう祈る必要はないんだ」
と気づいて
初めて
彼の引退を痛感した

これからは推しじゃなくて
私のために徳を積む
いいじゃない、いいじゃない
遠くお空の上に
いるかもしれない神様
お願い

……ああなんてつまらない

8/15/2025, 2:34:57 PM

詩のようなもの0016

突然相方が倒れた!

うわ急に来るんだ!!
こんなふうに
ある日いきなり来るんだ!!!

今回は
大事に至らなかったけれど

いつか来るさよなら
必ず来るさよなら

一生は思っていたほど長くなくて
一年が飛ぶように過ぎていく今
残り時間も儚く短いのだろう
あとどれぐらい?
いや、そう考えるより
明日
さよならしてもいいように生きよう

8/14/2025, 11:51:39 AM

詩のようなもの0015

吾の記憶すでにたくさん手放して
君の昔の話が少し

君の云う君棲む里の夕空は
稜線漆黒光る星々

脳裏には君の故郷が浮かびおり
君なき家に君探す庭

月あかり吾の名前呼ぶ君の声
満天の星逝く身の不思議

恐るまじ君共に在る旅路なら
忘れず待っていてくれたのね

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