NoName

Open App
4/20/2026, 3:59:37 AM

もしも未来を見れるなら、貴方は何を見たい───?

そんな風に問いかけてきた女がいた。
場所は確か、街角の裏路地。
占い師でも気取ってるのか、顔を隠すヴェールをつけてやがった。

だが、俺はオカルトは信じねぇ。

だから。
未来ってのはいずれ来るもんだ。
なら、来たその瞬間に、全力で生きれば何の問題もねぇ。と、そう返したわけだ。

その返しが気にいったのか、それとも意趣返しか。
あの女、「二年後、貴方。死ぬよ」と言い捨てて消えやがった。
ひでぇ占いもあったもんだろ?

あぁ…なんで今、そんな話をしたのかって───?

ハハ!見事二年経ったからに決まってんだろ?
終わりが見えてるってのは良いなぁ、おかげで何も気にせず無茶ができた。

後悔───?あると思うか?

泣くんじゃねぇよ。
お前が居るんなら、安心して任せられる。

…計画性なんざ。カケラもない人生だったが…

悪くなかったぜ───。

4/18/2026, 12:58:18 PM

パキッパキッと、踏み砕く音にやや面倒になってペンを投げる。

「うお、あぶねぇ!?」
「当たればよかったのに…」

ここは私の、アトリエ。
ガラスで描く、無色の世界───。

「累計何億$かしら…いい加減学んでくれる?」
「わりぃわりぃ…力加減は苦手でなぁ」
「それで?」

ガラスに沿わせた刃を止めて、耳だけ後ろに傾ける。
入ってきたのは、極彩色の鱗を持つ竜人。
人の世に降りては、宝をせびる俗物だ。
どうせ今日も、奪ってきた宝を見せびらかしに来たのだろう。
わざわざ見てやる理由はないが、話くらいなら聞いてもいい。

「いや、何。俺様の信者どもがな?」
「ええ。」
「コレ見せたら、それ以上の宝なんてございません!とか言い出したんだよ」

思わずぴくりと耳が反応する。
なんだかんだで、この男の信者は目利きだ。
それが絶賛する宝…。

少し…、いや、かなり気になる。

「それは、私の作品よりも?」
「おう?ダントツだと思うぜ?」

その上でコイツも高評価か…。
少しぐらいみる価値はあるかも知れない。

「見るわ」

スッと指先に魔力を込めて、ガラスの台座を撫でる。
くるりと景色が変わり。

はたしてそこにあったのは───。

「ィッ……いいと思うわ…」
「だろ!?ウチのポストに入ってたんだわ!」

気の迷いで作った、竜人の彫像だった。
しかも、ご丁寧にクリスタル製。
馬鹿力に対応した特注品だった。

無言で作品制作に戻る。
隣では、馬鹿が自慢げに像を讃え、それに反応して、彫像から極彩色が広がってくる。

とんでもなく、邪魔である。
私の魔力が揺らぐのも仕方ない。

…そもそも、なんで気づかないのよ?

なんともモヤモヤした気持ちで、向けた視線。
彫像の中心部には、竜の逆鱗…
極彩色を放つ三日月が堂々埋め込まれていた。

4/18/2026, 3:29:08 AM

あら、あなた。
こんなところで何してるのよ?

サクラ?あぁ、あの極東の花ね。
…で、その花、どこにあるのよ。

あの若木が桜……?
花が散ったらただの木じゃない。
それを見て串菓子を食べるなんて…
変な子も居たものね…

へ?
何よいきなり、動かないでって。
怒った?珍し……!?いや、近くない?

ちょ、ちょっと。いったい何を───!?

とれた……?
何を……ッ!む、むし!!?

ふわふわー♪
…じゃないわよ!
近づけないで!苦手なの!

へ?毒もあります───?

なら、なおさら近づけるんじゃないわよ!
捨てなさい!ドヤ顔もやめろ!うっとおしい!

だいたい何でそんなのが…
私の…肩に………。ひぃ、洗わなきゃ…。

桜散る時期になると、卵を産みにくる───?

…!?
服についてないわよね!?
見てくれるのね!
お願いするわ!

…まったくもう。
ちょっと桜が嫌いになりそうよ。

……何よその笑み。

まだ付いてるとか言わないわよね?

4/16/2026, 3:25:56 PM

満月の夜には、オオカミが出るんだって。
そんな事を言って、キミの瞳が輝いた。

今の時代に人狼物語とは───。

ふっと笑って、辺りを見渡す。
あまりに平和な、穏やかな村。
キラキラ星が輝いて、鳥が木で跳ね歌ってる。

乗っかってあげるのも悪くはないかな───。

軽く頷き、ハンカチ一つ。
河原のガラスを、そっと並べて口を開く。

よく知ってるね、なら、これを持っておくといい。
これは、現し身の星。
キミが危なくなった時、その身を逃す宝石だ───。

キラキラ光る瞳、僕は満足げにキミに手渡す。
夢見る心は大切だ、それはきっと宝物になる。
そんな事を考えて───。

…だけどさ。

そんな風に、頷き眠った次の日。

僕が、キミの家で目を覚ましたのは…
何の冗談だ───?


4/15/2026, 3:49:18 PM

やぁやぁ、そこの女の子。
傘を一本、いかがかな?
お出かけするのに傘もなしじゃ、
雨に濡れて風邪ひくよ?

風邪をひいてもかまわない───?

そんなこと言わずに、ほら、持って。
ボクに少し、聞かせておくれよ。

今日が友達の旅立ちの日で、
お見送りに行きたいのに、
雨が降ってしまったと───。

それはそれは…災難だったね。

今から行くんじゃダメなのかい?
届かぬ思いで終わるくらいなら、
足掻いてみるのも、アリだろう?

自転車じゃなきゃ、間に合わない───?

おやおや、それじゃあ…しょうがないね。

ところで、少女。
気晴らしに一つ、見ていかないかい?

何を、って───?

ボクはマジシャンだからね、
ちょっとした…そう。手品の一つさ。

渡した傘をよーく見て?
ボクが3つ数えると、不思議なことが起こります。

さぁん───。

にーい───。

いー…おや───?

どうやら、雨が止んだみたいだね。
これなら、なんとか間に合うかい?

うんいい返事だ、
引き止めちゃって悪かったね。
全力で思い、ぶつけておいで?

Next