「永遠に」
永遠のように思えてもいつか必ず終わりが来る
永遠なんて人間とは遠い存在のように思える
人にはいつか必ず死がやってくる
それは約束された逃れようのない運命
死が来る限り人に永遠なんてないように思える
永遠と言うのは想像もつかない程、辛い事だろう
だが永遠を望む人もまたいる
だがやはり人が願う「永遠」は叶わない
だからせめて口約束という泡沫のような架空の存在でも「永遠」という言葉で心を満たす。
信じていれば中身がない形だけの言葉でも不思議と心は満たされる。
決して叶わない「永遠」が叶う気がしてくる。
辛くても苦しくても何かに縋っていたくて、またはその時の溢れんばかりの幸せがずっと続くと夢みて、名ばかりの「永遠」を願っている。
「高く高く」
最初はとても低い所から始まった
たまに嫌なこと辛いことがあると
少し高いところから下を眺めては考えてた
そして段々、段々、高くなっていった
建物の2階、3階、4階と段々高くなって
気持ちもぐちゃぐちゃに濁っていった
学校の校舎内からよく地面を見つめてた
学校に居る時は特によく下を見てた
色んなものから目を背けたくて、現実を知りたくなくて
楽しくて、甘いお菓子のような夢を見ていたくて
でも現実は違って下を見ても当然逃げれるわけもない
だから校庭のアスファルトを眺めては無理やりにでも
逃げてしまおうかと思った
確実に逃げてしまいたくて、一瞬で消し去ってしまいたくて、苦しさや辛さが増えてく度、階数も高くなって
気持ちも大きくなって。
でも結局、また振り出しに戻ってしまった。
周りには嫌なものが沢山あったのに、私のせいで誰かが不幸になることもまた同じくらい嫌なんだと気づいてしまったから。
もしここから逃げてしまえば、誰かを傷つけてしまう。私を想ってなくても、何とも思ってなくても、逃げたあとの私の姿を見ればきっとトラウマになってしまうだろう。誰かを傷つけてしまうなんて、あの人達と変わらない。それがたとえエゴでも逃げでも言い訳でもそれでも気持ちは変わらない。
だからもう、下は向かない。
あの時とは違う意味で上を目指そうと思った。
生きるために。
「子供のように」
いつかは大人になってしまう
どれだけ子供のままいたいと望んでも、願っても時間は流れていく
けれど、ひとくちに「大人」といっても色々あると思う
世間一般的には年齢で大人か子供かを区別することが多い気がする。
年齢で言うなら18歳、20歳を大人とするところもあれば、中学生や高校生から大人とするところもある。
どこからを大人とするかは人次第のように思えるが、そしたら私はどうなのだろう。
世間一般的に考えれば
子供…とは言われないかもしれない。
だが私は自分を子供のようだと思う。
加えて言うのなら、こう言っては失礼かもしれないけれど周囲の人も子供に見える瞬間がある。
くだらない喧嘩、はしゃいで遊ぶ姿、ゲームや遊びなのにやけになったり、謎のこだわりがあったり、理由は様々だがそういう時、子供のようだと感じる。
子供な様子を一切感じさせない大人なんてあまりいないのではと思う。
子供は人生の基盤で子供の頃にしてたことのレベルが上がったり、派生したりは当然あるのだろうけど、やっている事自体はあまり変わらない気がする。
なにより子供心がいつまでも胸の内にあるから色んなことを楽しめるのだと思う。
子供のように様々な事に興味を持ったり、何度も何度も挑戦したりしたりする事はとても大切な事で、成長して尚、そのような才能があるのは何処までも成長する事ができ、無限の可能性を秘めているから、いつまでも夢を幸せを追いかけるためなんじゃないかと思った。
「放課後」
楽しかった。楽しかったんだ。
鬼ごっこ、ごっこ遊び、人形遊び、縄跳び、
隠れんぼ、ボードゲーム、テレビゲーム
友達と一緒に沢山遊んだ。
学校が終われば家に荷物だけ置きに帰って
公園やら友達の家に一直線に遊びに行っていた
毎日毎日、夕飯の時間ギリギリまで遊んだ。
学校は嫌なことで溢れていたけれど
家に帰ってしまえば楽しい時間が待っていた
だから行っていた
友達と遊ぶ時間は夢のようにとても輝いていて
すぐ時間がたってしまうほど夢中だった。
本当に一瞬の出来事のようにすぐ帰りの時間が来て
また明日も、また明日も、が何度も繰り返されて
本当に楽しかった。
でもだんだん色あせていった。
だんだん、光が闇に飲み込まれていくように
学校の時間ばかりが増えて、まるで沢山の悪意が突然私に降りかかったかのようにあの夢のような日々は消えていった。そして1人になった。
学校には好きな人ばかりが居るわけじゃない。
仲のいい子ばかりがいる訳じゃない。
そんなこと分かっていた。
ずっと知っていた。
何もしてなくても嫌われてしまうことだってある。
都合のいいやつだとか、ストレス発散の的になる事もある、暇つぶしのネタにされることも、向こうの理由はよく分からない、でもきっとそういう風に思ってたんだと思う。
ああいう所は良くも悪くも、他の人に同調しやすい。
周りの空気に流されて、どんどんどんどん闇は濃くなるし当然、私に向けられる刃の数も増えていく。
私にはどうしようもできない事問題ばかり増えて
家に帰れるのも日が落ちてから。
あの音楽がなるまで私は学校に縛られたまま、光は遠ざかって行くばかりだった。
あの夢のような時間は本当に一瞬だった。
いや、一瞬に感じられた。
本当に夢のようにキラキラと光って眩いそれをもう一度あの頃のように掴むことは叶わなかった。
学校の下校時間を告げる音楽が鳴る中、1つの影が悲く寂しそうに揺れていた。
「涙の理由」
何気ない毎日、いつもの日常
その日もありふれた日常の一つとして、いつか忘れてしまう記憶の一部になるはずだった。
だから私もいつもと何一つ変わりない生活を送っていた
たわいない喧嘩も、言いかけて言えなかった言葉も、
八つ当たりしてしまったことも、いつものご飯も、
たわいない会話も、ゲームもスマホも、ありとあらゆるものが当たり前にあって、いつもと変わらない日常の光景で大切だとか幸せだとかそんな事、考えもしなかった。
でもある日突然、何の知らせもなく目の前にあったものが消え去った
まるで今までが夢で急に現実に引き戻された様に
当たり前にあったあらゆるものが
当たり前に存在しなかった。
突然、そう本当に何の前触れもなく崩れ去った当たり前をとてもとても欲しく思った。
親に何も言え無いどころか喧嘩したまま、
少し飽きるくらい食べ慣れていた母のご飯も、もう食べることは叶わない。
思い人のあの人に何も言えぬまま、姿すら見ることが叶わなくなった。
あんなに熱中していたゲームも依存気味だったスマホも
今ここには無い。
寝る間も惜しんでプレイしたゲームアカウントも何処にもない。プレイした証も、記録も。
ゲームアカウントがなければ私は時間を無駄に費やしていたのか、もっと良い使い道が出来たのではないか。
何より家族に「ありがとう」の一つも言えていない。
考えれば考えるほど後悔ばかりが押し寄せるが
今更だった。
消えてしまえば何もかも呆気なく、周りはさも何もなかったかのように動き出し、証は消されていく。
皆の中では日常の他人不運な出来事。
何事も無かったかのように日常が始まる中、
何の変化もなく時間が規則正しく流れる中、
私だけが非日常にいて、私だけが不規則だった
当たり前から外れて、知ってしまった事実。
あの生活があの当たり前が、どれだけ幸せだったかを。