徒花

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「放課後」

楽しかった。楽しかったんだ。

鬼ごっこ、ごっこ遊び、人形遊び、縄跳び、
隠れんぼ、ボードゲーム、テレビゲーム
友達と一緒に沢山遊んだ。

学校が終われば家に荷物だけ置きに帰って
公園やら友達の家に一直線に遊びに行っていた

毎日毎日、夕飯の時間ギリギリまで遊んだ。

学校は嫌なことで溢れていたけれど
家に帰ってしまえば楽しい時間が待っていた
だから行っていた

友達と遊ぶ時間は夢のようにとても輝いていて
すぐ時間がたってしまうほど夢中だった。
本当に一瞬の出来事のようにすぐ帰りの時間が来て
また明日も、また明日も、が何度も繰り返されて
本当に楽しかった。
でもだんだん色あせていった。

だんだん、光が闇に飲み込まれていくように
学校の時間ばかりが増えて、まるで沢山の悪意が突然私に降りかかったかのようにあの夢のような日々は消えていった。そして1人になった。

学校には好きな人ばかりが居るわけじゃない。
仲のいい子ばかりがいる訳じゃない。
そんなこと分かっていた。
ずっと知っていた。

何もしてなくても嫌われてしまうことだってある。
都合のいいやつだとか、ストレス発散の的になる事もある、暇つぶしのネタにされることも、向こうの理由はよく分からない、でもきっとそういう風に思ってたんだと思う。
ああいう所は良くも悪くも、他の人に同調しやすい。
周りの空気に流されて、どんどんどんどん闇は濃くなるし当然、私に向けられる刃の数も増えていく。
私にはどうしようもできない事問題ばかり増えて
家に帰れるのも日が落ちてから。
あの音楽がなるまで私は学校に縛られたまま、光は遠ざかって行くばかりだった。

あの夢のような時間は本当に一瞬だった。
いや、一瞬に感じられた。
本当に夢のようにキラキラと光って眩いそれをもう一度あの頃のように掴むことは叶わなかった。

学校の下校時間を告げる音楽が鳴る中、1つの影が悲く寂しそうに揺れていた。

10/12/2022, 1:05:13 PM