まよなか

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10/26/2025, 11:40:46 AM

途方もない、答えのない、意味のない疑問。
誰も答えを教えてはくれないけど、それでもふと、一人考えるときがある。
誰も答えてくれなくてもいいけど、それでも私は、考えるのをやめられない。

誕生日は覚えている。
ならば、「私は私だ」と自我を持ったのはいつだろうか?
一番古い記憶?私の一番古い記憶は、長野へ蕎麦を食べに行った時。大きな岩の上に乗って落ちかけた記憶だ。しかし果たしてあの頃の私に、自我があったと言えるのだろうか?

なら、今現在は?こうして文章を打っては消し、消した文章にも自我が込められていたはずなのに、その痕跡を消して、体の良い言葉で興味を引こうとしている。確かにこの瞬間の「私」は「私」だ。

そしてこうして少ししつこいような、なんとも言えない言い回しが好きなのは、間違いなく「私」だ。
自分を見失った時、迷った時。自分自身に問いかける為に。


「終わらない問い」
2025/10/26

5/26/2025, 6:09:33 PM

銃声。その瞬間世界の時間の流れがゆっくりになって、まるでパラパラ漫画のようにあなたが床に倒れ込む。ドサリという音と共に、あなたは動かなくなった。

「───!」

あなたを中心に床が赤に染まる。私はあなたに駆け寄って、無駄だとわかっていても必死に赤を掬ってあなたの体に押し付ける。

「───!───!」

目の前が滲む。手が赤に染まる。それでも私は少し冷たくなったあなたの体を暖めるように抱きしめて、私の熱を分け与え続ける。

「──…!」

再び銃声が聴こえて、私の体が燃えているかのように熱くなる。それでも私はあなたを庇うように、これ以上あなたが傷つかないように体を覆い隠して、そして。

「───、あいしてる」



「君の名前を呼んだ日」
2025/05/27

5/17/2025, 6:00:04 PM

ふと瞼を開くと、真っ暗な空間に立っていた。
いや、もしかしたらここは真っ暗なのではなく、真っ黒な空間なのかもしれない。しかし今の状況はどちらも同じようなものだとぼんやり考えながら、自然とその先の見えない空間を歩き始める。ここが真っ暗なのか真っ黒なのか、それはさほど重要では無いように思えたからだ。前に進まなければならない。

しばらく歩いて、突然、何も無いところで転びそうになった。視線を下に向けて慌てて踏ん張ると、硬いものに頭をぶつけた。
それは扉だった。突如目の前に現れた金に輝く派手なこの扉は、真っ暗な空間で明らかに異様な雰囲気を醸し出している。
試しに全身を使って体当たりするように押してみるが、まるでビクともしない。

「救いたかった世界があった」

いきなり聞こえた声に驚きながら、声がした方を見る。扉があった。その声がした扉は金の扉とは違う、明らかに年季の入った、老朽化の進んだボロボロの扉だった。扉の隙間から見える「向こう側」は、暗闇に包まれている。

「守らなければならない人たちがいた」

反対を見るとまたしても扉があった。扉は煤で汚れた跡があり、扉の「向こう側」はゴウゴウと燃え盛る炎に覆われている以外に何も見えない。

「思い出せないのなら、それでもいい」

「新しい世界として繰り返そう」

金の扉に向き直ると、扉には金に輝く取っ手が着いている。そこでなんとなくこれは引くのかもしれないと考えが浮かんで…。
何故か漠然とした不安な気持ちも同時に湧き上がらせながら、取っ手を力強く掴んで引いた。


「成功するまで、何度でも」




「まだ知らない世界」
2025/05/18

5/14/2025, 3:54:06 PM

君と僕が一緒にいることは、当たり前だと思っていた。
笑って、泣いて、驚いて、時々ケンカして。これから先どれだけ歳を重ねても、一緒に感動をシェアしていくんだって。

そう思ってた。


ひとりで食べるご飯は味気ない。映画は誰とも感想を言い合えない。

君と一緒に行った水族館。手を繋いで歩く家族、ベンチで肩を寄せ合うカップル。全ての光景が僕たちと重なる。息苦しくて、目の前が滲んできた。


「酸素」
2025/05/15

5/13/2025, 4:38:16 PM


あなたが私を忘れても、私が覚えてる。
あなたが私を忘れても、また友達になる。
あなたが私を忘れても、また親友になる。
あなたが私を忘れても、また恋人になる。
あなたが私を忘れても、また夫婦になる。


海水が蒸発して雲になって、雨となり川を下って海へと再び流れ着くように。

私は何度でも「愛してる」を込めて、「はじめまして」って言うよ。



「記憶の海」
2025/05/14

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