銃声。その瞬間世界の時間の流れがゆっくりになって、まるでパラパラ漫画のようにあなたが床に倒れ込む。ドサリという音と共に、あなたは動かなくなった。
「───!」
あなたを中心に床が赤に染まる。私はあなたに駆け寄って、無駄だとわかっていても必死に赤を掬ってあなたの体に押し付ける。
「───!───!」
目の前が滲む。手が赤に染まる。それでも私は少し冷たくなったあなたの体を暖めるように抱きしめて、私の熱を分け与え続ける。
「──…!」
再び銃声が聴こえて、私の体が燃えているかのように熱くなる。それでも私はあなたを庇うように、これ以上あなたが傷つかないように体を覆い隠して、そして。
「───、あいしてる」
「君の名前を呼んだ日」
2025/05/27
5/26/2025, 6:09:33 PM