『喪失感』
死んだらそこでお終いだ。
死のうと思えば何時でも死ねる。
けれど一度死んでしまえば、二度と生きることはない。
何時か誰にでも訪れるそれには、恐怖というより虚しさを覚える。
宇宙が誕生してから137億年。
その中の一瞬にも満たない時間、まるでバグのように産まれてしまった私に、一体なんの意味があるというのか。
死んだらそこでお終いならば、如何して私は産まれてきたのか。
生きていることの方が不自然だと、そう考えるのは自然じゃないのか。
一寸にも満たない虫《バグ》がいて、それが生死について考える。
誰がそんな与太話を、信じて聴いてくれるというのか。
産まれてしまったが故に、死ななければならないならば。
産まれなければ死なずにすんだと、空虚なことを言うのであれば。
この世で命を獲得《喪失》した時、既に私は死んでいたのか。
既に私は死んでいて、終わった世界を生きているのか。
ならば私が感じるこの喪失感も、"夢中に夢を説く"ような、取り留めもないことなのだろう。
※偏見に塗れた物凄く不快な考えの人物が主役となります、予めご了承ください。読まずにとばすことをオススメします。
『世界に一つだけ』
世界に一つだけ……? ッハ、笑える。
本当にそんな大袈裟に捉えていたのか? もしそうなら救いようがないな。
それはお前が思ってるほど特別なものじゃないよ。何処にでも落っこちてるような……なんの価値もないありふれたものの一つだ。
なんならそれはゴミだ。
ゴミだって全く同じものを探しても、そうは簡単に見つからないだろう?
種類もそうだし、汚れや皺の付き方だって何かしらの違いはあるもんだ。
それでもそれはゴミなんだよ。
そんな些細な違いなんてどうでもいいんだ。誰もそんなの気にしない。
ゴミの一つを手に取って、『これは世界に一つだけ!』……なんて言う奴が何処にいる。
誰から見てもそれはゴミなんだ。
ただのゴミ。
ゴミクズ。
廃棄物。
それ以上にはならんのよ。
どんなものにも価値はない。それは単なるお前の妄想だ。
お前が勝手に自分で貼った、それこそなんの価値もないレッテルなんだよ。
……理解したかな? 妄想癖のある"ゴミ"さん?
おっと失礼、間違えた!
"世界に一つだけのゴミ"さん??
『きらめき』 170
心が震え、熱が生じた。
温度は次第に高くなり、ある時を境に火花が散りだす。
きらきら きらきらと輝くそれは、見ていてとても気分が良い。
雅で美しく。
儚くて綺麗だ。
しかし永遠には続かない。
何時かは心の震えも無くなり、熱が冷め、その輝きは過去の栄光へと変わるだろう。
そうして最後に残るのは、焦げ付いた醜い心だけ。
ほらもう……きらめきの残穢はすぐそこに。
『心の灯火』
新涼灯火
本を読む
秋の夜長ということで
灯りの下で本を読む
暗い時間が長いほど
その灯火は役に立つ
月の前の灯火と
侮る前に火を灯せ
月を遮る暗雲を
ものともせずに照らすだろう
私が望んだものを見るには
小さな灯火一つで足るのだ
『不完全な僕』
……これは相対的なものですか?
他人と比べるならば、私はこれまで何かで一番になったことがありませんので、どう考えても不完全ですね。
精神的にも肉体的にも思想的にも社会的にも、上には上がいるものです。
平均値と比べるならば、それはもはや完全ではない気がします。
仮に全ての能力が平均値を超えていたとしても、それを"完全"と言うには違和感がありませんか?
過去や未来の自分と比べるならば、そもそも比べようがありませんね。
というか、未来が分からない限りどんなものでも"完全"とは言いきれない気がします。
……それでは絶対的なものですかね?
絶対的に考えるならば、私は私しかいませんから、ある意味私は何時でも完全な私ですね。
しかしそうなると、逆に"不完全"という意味が分からなくなる気がします。
……なんだか難しいですね。
そもそもこの考え方で間違っていませんか?
それすら自信がありません。
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追記
調べてみたら、分かりやすく「完全」の説明をしてくれているサイトを見つけました!
自分は「完璧」と「完全」の意味を混ぜて覚えてしまっていたようです。
「完璧」は「これ以上ない状態」
「完全」は「全部そろっている状態」
簡単にまとめると、このような違いらしいですね。
……ナチュラルにタイトル回収してますね。