生きる意味
産まれてきたからこそ、である。
いきる、という文字列は同音異義語の多い言葉で、
「活きる」や「生きる」なんかは有名だね。
あとは、少しこじつけになってしまうけれど、
「イキる」や「息る」、「射切る」とかもあるよね。
そんな中でさ、「生きる」だけは、漠然としすぎているとは思わない?
1つだけ言葉の意味を言うならば、「生命活動を続けること」だろうけれども、「活きる」や「息る」の意味を包含することも多いでしょ。
曖昧だからこそ、ではあるんだろうけどね。皆がよくこの言葉を使う理由。理解はできるんだけれど、納得できなくて。何事もはっきりとさせておいた方がいいだろ、って考える人だからさ。
それが私の生きる意味かなぁ。
ん?『その回答自体が漠然としすぎていないか』って?
あはは、そうだね。一つ言葉を付け忘れていたよ。
言葉の起源を知りたい。言葉の本当の意味を理解したい。それを周知させたい。
言葉が産まれてきた所以を解明したい。
流れ星に願いを
あしたは、なんとかざ、りゅうせいぐん?がながれる日らしいです。
ボクのまわりにいる人たちが、たかいテンションではなしていました。
かんごしさんとママが、流れ星に3回願いを唱えると夢が叶うんだよ、っておしえてくれました。
となりでねころがっているおにいさんが、ふきげんなようすではなしていました。
「それで夢が叶うのは、それだけずっと願っているから、行動にも移せるからだって聞いた。俺には行動に移せる力が無いもん。願ったって意味無いんでしょ。」
すこしむずかしくてぜんぶは分からなかったけど、ボクはおにいさんと同じなので、ボクがねがいをとなえてもいみがないんでしょうか?
ボクにはとってもむずかしいです。せんせい、こたえをおしえてくれませんか?
消毒液の匂いが充満する部屋で、真っ白なベッドを前にして、手紙を読んでいた。
本職の教師に教えられた訳でもないのに、ここまでの手紙を書けるとは。彼は俗に言う天才なのかもしれない。しかし、それが彼を苦しめているのも事実のようだ。
無気力な甥にやる気を出してもらうために教えた考え方だったが、まさかここまで捻くれてしまうとは。考えが浅かったかもしれない。
この手紙の答えを返せるほど、私は哲学者ではない。
けれど、その問いを必要のないものにするため、医者になったのだ。
私の甥っ子も、この手紙を書いた彼も、どちらの夢も叶えてみせる。私には、行動できるだけの力がある。
そう信じているのだ。
ルール
「ルールとレールって、似てると思わない?」
「…それは、なに、文字列がってこと?」
甘いコーラの匂いを漂わせながら、話していた。
特段用があったわけではないけれど、学校帰り制服のまま、コンビニに立ち寄っていた。
私は買い食いなんかをよくするが、今日一緒に居る相手はとても珍しかった。校内でも有名な、朗らかな優等生のクラスメイト。たまたまコンビニで会ったから話していた。一応、買い食いは校則違反なのだ。彼女が居るのは予想外で、少し話してみたくなったというのが本音。
程よく雲が太陽を遮り、暑さよりも心地よさを感じるような初夏の日だった。
暦で言えばまだまだ春真只中だけれど、数日前から夏日なる気温になっているらしい。未だ視界には桜の花弁が映るというのに。
お尻に冷たい鉄の感覚を抱き、冷たいアイスを口に含みながら、私は話し相手の言葉を待つ。
「いやね。もちろんそれもあるけどさ、どちらかというと言葉の意味?私自身の考え方の話かなぁ。」
「前者ならまだしも、後者なら私は口を挟まないからね…?」
「あはは、そりゃそうだ。それでいいからさぁ、話聞いてくんない?」
「えぇ…今日この後予定あるから難しいんだけど。また今度でいい?」
彼女は少し苦い顔をしながら了承した。
あまりよく覚えていないが、ぽつりと、次があるかはわからないけどね、と呟いていたような気もする。
次の日、彼女は教室に居なかった。今まで遅刻なんてしたことのない彼女が、連絡も無しに消息を絶った。
保護者に聞いても知らないという。
そして風の噂ではあるが、聞くところによると、彼女の両親は殺人や虐待の罪で逮捕されたという。
今日の心模様
眠い……兎に角眠すぎる………
新生活に慣れていないのか、身体が疲れているのか、常に睡魔に襲われている。小さい頃から続けてきた趣味も、ままならない程に、だ。
まあ趣味に関しては完璧主義で居たくないしね……
言い訳のように独り言ちる。
やりたいことも、やらなければならないことも、手に付かない。自らの意欲と身体的状況は比例しないらしい。
まあいいだろう。ようやく夢が叶う場所に来れたというのに、ここで体を壊してはだめだ。
気ままに、ゆっくりやろう
雫
ぽたりと、おちる音が聞こえた。
はて、私は一体何を落としたのだろうか。
要らないもの?大切なもの?形のないもの?
はたまた、自分自身とは言うまいな、自らを害することがどれだけの大罪か、知らない私ではないのだから。
気付くと、私の周りには壁が出来ていた。
乗り越えることも出来なくはないが、少し面倒な、そんな高さの壁。左右を囲まれて身動きが取れないでいた。
しかし、足元は動くようだ。風が通っているのを感じる。
少しづつ視界も開けてきた。灯りが点いたようだ。目を閉じていてもチクッと刺すような感覚を抱く、蛍光灯の光だ。正面から降り注いでいる。
ほんの少しの狭さを感じるこの空間に、どこか懐かしさを覚える。何度も見たことがあるのだろう。何故だか少し心地が良い。
けれども、何時までもここにいる訳にはいかない。
ここから抜け出す術も、分かっていた。
ゆっくりと身体を起こす。
未だ副交感神経が優位なようだ。気怠さが残っている。
もっと安定した環境で休みたかったと後悔する。自業自得だと非難される。自らの性質を故に言い訳する。
寝付きも悪く、寝相も悪い。
そんな私は、知らぬ間に意識を落とし、ベッドから体を落としてしまったらしい。
「お前は水じゃないんだからさ、落ちた時の音も凄まじいわけ。迷惑被ったのはこっちなんだけど?」
ぼとっ、と落ちる音が聞こえた。