題 またあいましょう
思い浮かばなかったので自分の題で
仮)題 歪んだ呪い
どうも最近、職場の後輩が私に惚気話をよくしてくる。相手は以前から彼が気になって女性で、思い切って告白してみれば了承がもらえたらしい。
それはいいのだ、己のそこそこ大事な後輩が確定ではないが将来の相手と出会えた。
実にめでたい。あぁ、いいことだ。
しかし、それと同時に問題ができた。
彼が私に愛を説いてくるのだ。まるでそれをわかりきっているかのように。
私はそんな彼に言った、まるで愛が幸せにしてくれるというように語る彼に。
"あぁ、君の主張はわかったよ。でもねそんなモノが一体何の役にたつって云うんだい"
嘲笑するかのように言った声は、思ったよりも低く普段の私からは想像もつかないであろう、きっと冷たい目をしていたと自分でもわかった。
そんなことがあったというのに、彼は変わらず愛を説く。まるで馬鹿の一つ覚えに。
そしてそんな彼を私は、嘲笑を含む笑みを浮かべながら下らない話を右から左へと流していく。
愛の何がいいのか、私にはさっぱりわからない。
彼みたいに薬を摂取し、中毒に陥ったように盲目的に相手を愛する。
下らない。
"突然なんですけどね、先輩。奥さんとはどうですか。"
将来のことを考えて、私のことを参考にするとか。
しかし、言うことは他の家庭と同じようなものだろう。少し違うとすれば、
適当に女を見繕って、一夜の関係をもつ。
そんな私をみて嫉妬と絶望、悲しみの感情を募らせる愛すべき妻。
彼女に誠心誠意の謝罪と、慰めをする。
その最中、私と他の女との行為に悲しみ嫉妬する、彼女のその溢れ出る感情で、私は愛されていると実感し満たされる。
矛盾多いのはひねくれてるってことで「私」と、作者が。
題 スリル
あれは確か、12の頃のことだ。
子供は、何かと無茶なことをしたがる。私もそうだった、雑誌やらテレビで影響を受けそれをまねしたくなる。
そのときは、ある小説を読んでのことだった。
内容はよく覚えてるさ、何せ今でもお気に入りの一冊なんでね。
上京した青年が、久しぶりに故郷へ帰りとある神社を見つけたことから始まる。ホラーと、ミステリー本。
大人やある程度成熟した者ならそんな内容を読んで、同じようなことをするなんて憚られるだろう。しかし、まだ12歳の子供。
子供は、無邪気さ故にときに残酷なこともできる。それが影響したのだろうと、今になって思う
飽きた
題 飛べない翼
今日もまた曇った瞳で、窓の外を眺める。
見れば外にはきゃらきゃら、と楽しそうに笑い合う声がよく聞こえてくる。
あぁ、羨ましい。耳障りだ。羨ましい。
その明るい声を聞くだけで、あんなに楽しそうな声がとどくだけで、彼の内はどろどろと煮えたぎり、暗くおどろおどろしいモノが渦をまく。
瞳に映る人たちは、みんな己の体を包み込めるほど大きな翼をもっている。
力強く羽ばたいて、空を翔る。いいな。いいな。
みんなに等しく与えられた翼。
それなのに、どうして。どうしてなの。
何故、己の翼はこんなに小さいの。
ろくに体を支えられない頼りない翼。みんなみたいに飛べやしない。
どうして、どうして。
神様はみんなに優しいんだよね、祈れば叶えてくれるんだよね。
ねぇ、神様。どうしてなの。
※違うバージョンの案
生まれつき両足がない、又は動かない子
※愚痴
図書館行きたかった、行けなかった
堕落論借りたかった山田美妙、直木三十五さんの小説借りたかった。
題 ススキ
君は活発で、よく動く働きもんだ。
そのくせ礼儀正しく、近所のじじばば達によう好かれてる。そりゃあんな明るく挨拶されちゃ、好かれるのも頷けるってもんだ。
それに比べ俺はどうか、外に出るのは億劫だ、動くのだって面倒臭い。周囲の視線も煩わしい。
俺は小説家なもんで、だいたいが籠りっきりだ。
筆が行き詰まれば何か良い安を求め、縁側に腰を下ろす。やること、と言えばそれくらいだ。
そんな陰気な俺と君は、どういう巡り合わせか同棲している。かれこれもう、二年ほど続いている。
こんな俺とよく二年も続くと自分でも不思議なものだ。
まあしかし、それも終止符がうたれようとしているわけだが。
最近よく君の顔が曇っているのは知っているさ。
俺が近くに行くと笑おうと、笑顔をつくるんだ。でも素直な君だ、無理をしているのがすぐにわかる。
君の心を煩わせるようなことをしたかと、考えてみたらわんさかと出てくるもんで改めて己の不甲斐なさを認識させられた。
もともと、口数が少なく言葉が足りない俺だ。
女心もろくにわかりゃしない。君を不安にさせることもよくあっただろう。
もうちっと、君を支えられるよう今夜の月見でいつもよりも話すとしよう。
苦手な外出をして、ススキを採ってきたんだ、神様の依り代だなんて云われてる。
これを飾りゃ、案外臆病者な俺と君も昔みたいにうまく通じ合えるかも、なんてらしくないものに縋る俺の話しでも聞いてくれや。
題 脳裏
えぇ、えぇ。今でも鮮明に覚えていますとも。
夜中にばたばたと、騒がしく家に上がり込んだと思いきゃ次には私に縋りつき、涙目で殺してくれだなんて言うんですから。
あの時の彼は、限界だったのでしょうね。
目の焦点がろくに合っておらず、私を見ているようでそうでないようでした。
生命力に溢れていた瞳は濁り、光が灯ってはおりませんでした。
あぁ、お願い致します。私を殺してください。
何とか今まで生きてきました。人様に自慢できる生き方をしてきました。
両親。先生。友人。同僚。上司。
皆々様へ好印象に映るよう、思考して配慮してみたりいろいろ私なりに頑張りました。
しかし、そう周りばかり気にしていたからなのでしょうか。自分を出すということをあまりしなかったせいか将来、というものが全くもって検討つかないのです。
考えて。考えて。考えて。けれども浮かび上がるのは暗闇ばかり。
不安だ、怖い。辛い。嫌だ。どうして何で。
少し先に生きる自分の姿が想像できない、もしや道端で野垂れ死ぬだなんてこともあるのだろうか。
あぁ、嫌だ。
生が怖い。己の首に手を伸ばすも、自ら命を達なんて度胸は私にはない。
情けない、情けない。
最後に人様に迷惑をかけざる負えないだなんて。
はい。今でも思い出せます。
迷子の幼児が、不安で不安で堪らないというように抱きついてくる姿が。
彼はやっと解放されたと、安心したようでした。