大狗 福徠

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3/13/2026, 9:23:36 AM

もっと知りたい
今日は君とずる休みをしよう

3/8/2026, 11:01:41 AM

お金より大事なもの

3/7/2026, 8:14:24 AM


「君はこれから、どうするの?」
君が突然として問いかけてきた。
それを、俺がパスタを巻いたフォークを
口に入れようとした直後に言うもんだから、
思わず俺は動きをとめて黙ってじっと見つめ返した。
パラパラと、巻いたパスタが解けて落ちていく。
それから黙ったっきり、君は何も言わない。
「これからどうするって、なにを?」
真意を飲み込めず、俺は問い返した。
真っ青を通り越した、今にも死にそうな色のない顔。
うつむいて、少し震えている。
食事には手を付けていない。
「まぁ、どうするもなにも、」
床に目をやる。正しくは床に横たわった、
「埋めに行くしかないんじゃないか。死んじゃってるし。」
死体は血を流すのもやめただそこにいる。
珍しくそっちから電話をかけてきたと思ったら、
君があんまり悲痛な声でたどたどしく助けを求めるものだから。
「埋めるって、どこに・・・」
「山とか?運びやすいように小分けにしたほうがいいかな。」
聞いてくるから返したら、君はまた黙り込んでしまった。
その間にパスタを齧っておこう。
電話越しに怒号が飛んでくるから、
君が危ないと思って急いできてみたんだけど。
着いたらあまりにも静かで、
少し覚悟して扉を空けたから肩透かしを食らった。
「それにしても、ちゃんとやり返せたんだね。よかったよ。」
そう続けた俺を見るように、ようやく君が少し顔を上げた。
依然として顔色は悪いし震えているけど、少しは前進したろう。
「全部終わるまで一緒にいようか。それくらいはさせて。」
「知ってたのに、何にもできなかったからさ。」
「これで縁切りにしてもいいから、君のためにならせてよ。」
二言三言、君に向けて言い放った。
「どうして・・・」
「?」
「どうして、そこまで、してくれるの。」
震えたまま、また君が問いかけてくる。
理由なんていくつもある、けど一番は一つ。
「君が俺の親友だから。」
歪んだ絆。狂った友情。
世間から、君から見たらそうだろう。
でも俺にとっては、何よりも正当な理由だった。
たまたま隣の席で、
たまたま二人とも食事好きで、
たまたま仲良くなっただけの俺達。
その偶然を逃すわけにはいかなかった。
運命なんかじゃないから、一度無くしたら帰ってこない。
なんでもないようにパスタを食べすすめ始めた俺を、君が見ている。
俺達には死体を片すよりも先に大切なことがある。
「冷めちゃうからさ、早くご飯食べようよ。」

2/23/2026, 3:17:01 PM

Love you
愛って結構怖くないですか?
だって、例えば
夢追い人が愛する人にやめてって言われたら、
やめることを選んじゃうでしょ。
死にたい人が愛する人に生きてって言われたら、
生きようとしちゃうでしょ。
それってすごく怖くないですか?
自分の全てをかけて選んだ答えさえも捻じ曲げられちゃうんですよ。
愛のためだったら全て許されるみたいな風潮って、
恐ろしいと思いませんか?
愛しているならいたぶっていいんですか?
愛しているなら全てを奪っていいんですか?
愛しているなら生き返られたっていいんですか?
本当なら良くないことじゃないですか、それらって。
でも愛の名のもとに許されてしまう。
怖いですよ、それって。
加愛者は何も気にすることはないでしょうね。
だって愛してるという大義名分があるんだから。
でも被愛者はそうはいかないじゃないですか。
愛という最も簡易で悪辣な呪いのもとに縛り付けられるんです。
怖くはないですか。怖いでしょう、それって。
わかってるんです。わかってるんですよ。
愛は化け物なんです。
でも愛してしまった。
愛してしまったんです。
しまったんですよ。
あなたを、愛してしまった!!
だから、だから怖いって言ってください。
あなたにひどいことをしないように、傷つけないように。
私を怖いって言ってください。
お願いします、愛させないでください。
私に愛させないでください。
お願い、叫んで、暴れて、突き飛ばして二度と近寄らないで。
お願いです、お願いします。
笑わないで、優しい顔で私の手を取らないで。
受け入れないで、お願い。お願い。
あなたを傷つけてしまう。
いやだ、そんなのは嫌だ。嫌です。
突き放して、お願い離して。
あなたのことを変えさせないで、私に手を汚させないで、お願い。
ああ、あああ。
そんなに、そんなに私のことを愛さないで・・・

2/18/2026, 4:53:29 AM

お気に入り
本を読む。
なんとはなしに童話を選んだ。
もう覚えきった話を。
無我夢中に読み返して、もう忘れたものを読んだって
既視感に襲われるようになってしまった。
記憶災害とでも言えるだろう。
天井のスピーカーはなだらかな音楽を歌っている。
このまま眠れてしまいそうなほどに退屈だ。
そしてもう二度と起きることはないくらいに平坦だ。
本を読むことで知識の平原にぽつんと遭難する。
しかし同じ遭難者を見つけても助けを求めることはできない。
どうして本を読む場所では静かにしないといけないんだろう。
ここで喋るのはいけないことだと、言い出しっぺは誰なんだ。
生涯をかけても真に理解し得ないこの知の塊を、
喋らずしてどう深めようというのか。
ああ、手持ち無沙汰だ。
意味もなく己の手をこねくり回す。
依然としてスピーカーはなだらかな音楽を歌っている。
本を読む。
既視感を読む。
平坦の中で遭難する。
遭難して、逃げるためにまた遭難する。
スピーカーは歌う事を気に入ったようだった。
既視感はいつもどうりに俺に挨拶をする。
平原の中で、草を編む。
知を編む。
スピーカーは音の流れに身を任せ踊っている。
隣のソファに既視感がもすんと埋まりこむ。
編んだ草で日を避ける。
既視感は飽き飽きしている。
俺もだ、俺ももう飽きたよ。
しかし俺達の間に会話は起きない。
ここでは喋ってはいけないから。
スピーカーは疲れ果て、それでもなお舞っている。
昨日の草に今日の草を重ねる。

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