誰よりも、ずっと
私は大変性格が悪いから疲れている母親の元へ突然に向かい飯の話をする。
しかしお腹は空いていれどごはんをたべたいわけじゃないから困らせて怒らせる。
母親は私と同じようにされたことを一生覚えて許さないから私が許さないことを許さない。
でも全部は産まれてきた私が悪い。
たいした努力もできず身体が強いわけでもなく人を思いやれるわけでもな利己主義な私がいるからいけない。
困窮している家に金食い虫のすねかじりが産まれるのは許されない。
私は生まれた瞬間に死ななくてはいけなかった
何故なら私は産まれてきたことを喜ばれたことも今ここで生きていることを喜ばれたことも生きていてと願われたこともない。
私は望まれていなかった、子供は望まれても私は望まれていなかった、私は死ななくてはいけなかった。
私じゃなければ何でも良いのによりによって私が産まれたからいけない。
私は今すぐ何事も許し何物にも頼らず誰にも許されず死ななくてはいけない。
だって私があの人に何をできた?
何もできていない。足を引っ張って負の感情の泥沼に引きずり込んだのはほかでもない私だった。
私さえいなければ全てが平穏だった。
この家で一番求められていないのは私だった。
何もできない穀潰しがいていいわけがないから私は許されちゃいけないし、一人で死ななくちゃいけない。
私は誰よりも醜悪で、ずっと許されてはいけない。
ハッピーエンド
雨戸の閉まった暗い部屋でまた目が覚める。
暖かい羽毛布団と、枕元に固められたぬいぐるみにブランケット。
いつもみたいに布団を退けて、起き上がろうとしてはたと気づく。
身体が、動かない。
精巧に掘られた彫刻のように、身体が固まっている。
いや、これは固まっているのとは違うんじゃなかろうか。
重いのではないか?固まったと錯覚するくらいに。
布団脇に放ってあるスマホにさえ手が届かない。
思考はぐるぐる流れていくのに体はピクリとも反応しない。
暗い部屋の中、自身の呼吸音と、呼吸による布ずれの音だけが聞こえる。
頭のなかではいつもの耳鳴りがしている。
今日は休みだから、別に動けなくたっていい。
無理をして祟られるほうが問題だろう。
覚めた頭が、温かみと暗闇でまた微睡んでくる。
もう一度眠ったって構わないんだ。別に。
起こす人もいないし、起きる理由だってない。
今日は、もう眠ろう。また、眠ろう。
起きれなくたって、明日は勝手にやってくるんだから。
それじゃあ、夜まではおやすみなさい。
ないものねだり
ペンを持つ。
筆を握る。
震える手で、震える手で紙面に向かう。
誰も私を見ていない。
賛辞の言葉はない。
批判の言葉もない。
ああ、私は眼中にない。
震える線が、生きた線が黒を引く。
視界がざらつく。
頭がふやける。
何年もこうしている。
それでも、誰も私を見てはいない。
散らばる紙面に、評価は下されない。
見ていない。
見ていない。
誰も、見ていない。
だから何だというのだ。
私の生み出したそれらは無意味か?
私の生み出したそれらは無価値か?
私の生み出したそれらは無駄か?
否。
評価をつけるのは必ずしも他者か?
見られることそれだけが全てか?
見られるから作るのか?
否。
私は、私のために作るのだ。
もっと知りたい
今日は君とずる休みをしよう
お金より大事なもの