眩しくて
外が眩しい。
朝日が昇ったらしい。
傾いた雨戸の隙間から、閉まりきらない障子から日が差す。
何かの鳥が鳴いている。姿を見たことはない。
少しの明かりが自分の睡眠には猛毒だった。
質の悪いヘッドホンから聞こえる歯欠けの音楽は、
結局睡眠導入の意義を果たさなかったようで今日も徹夜だった。
ヘッドホンでもかき消しきれない話し声が更に安眠を妨害する。
寝ても起きても結局は気狂い共に害される日々。
外に逃げたところで行き先はない。
灼熱の夏の陽気と、耐え難い視線に倒れて終いだ。
そうなりかけたのを、よく覚えてる。ましてや今は病み上がりで。
朝っぱらから片割れに理不尽にも八つ当たりで怒鳴られ
もう片割れには神経を逆撫でされ続ける。
そんなクズ二匹の血を継いで狂った者の娘の私はもはや獣で
人権なんてのも尊厳なんてのも存在はせず、
あの片割れと同じように馬鹿の一つ覚えで
神経の逆撫でしかできない。
もはや死ぬしかない。
他人様の基本的人権の尊重を害さぬように
一家全員殺して死なねばならない。
しかしそんな度胸も覚悟もクソもなく。
害獣五匹はのうのう生きている。
外が眩しい。
生きるお金には困らない人たちが。
ゲームが楽しい人たちが。
好きな本を、字を読んでいられる人たちが。
愛したペットを最期まで正しく看取れる人たちが。
ちゃんと絵を描いていられる人たちが。
しっかり人と話せる人たちが。
友達がいる人たちが。
逃げられる人たちが。
泣ける人たちが。
怒れる人たちが。
夜寝れる人たちが。
出かけられる人たちが。
眩しくて羨ましくて恨めしくてしょうがない。
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ぜんぶじつわ
いまも
7/31/2025, 11:42:16 PM