夢の断片
貴方は欠片を拾い上げる
私が拒んだものを。
記憶の世界はモノクロで、
宙を舞う蝶だけが色を纏っている
大切な人と過ごした幸せな夢
その隣を目指し続けた夢
そして、大切な人を目の前で失った夢
貴方を導いた夢色の蝶は、
私を色の戻る世界へ連れていく。
夢の欠片を繋げたものは、
苦しさも幸せも詰まっている。
思い出さなければいけない大切な記憶
前を向かなければならない、
貴方と、蝶が教えてくれたから。
大切な人の愛したものを守るために、
今度こそは隣に立てるように。
見えない未来へ
一寸先は闇なんてよく言ったものだ
次の一歩で足元が崩れるかもしれない。
足が傷つけば二度と歩けなくなるかもしれない。
これまでも、これからも、きっとそうだ
後ろを向いても前を向いても
することは歩み続けることだけ
過去には戻れないなんてよく分かってる、
どこを向いてもその先には未来しかないから
見えないのに、それでも確かに未来がある
自身にしか選べない未来がそこにある
見えない未来に、
後悔の土産を贈らないために。
闇の中を、今日も歩もう。
記憶のランタン
暗い道をひとり、静かに歩いていた。
君という灯火に出会うまで
空っぽだったランタンに、
火を灯してくれたのは君だ。
この先いつか振り返る記憶を
君が照らしてくれたんだよ。
伝えきれないほど言葉を、
今こそ君に届けよう。
暗い道に迷ったなら、僕がそばに居るよ。
君がくれたあの火を今度は君に渡そう
誰も照らしてくれないなら、
僕が君を照らしてみせるから。
この長い旅路をもう少し一緒に歩もう。
ささやかな約束
「また明日」
何気ない一言に、
ずっと救われていた。
善い道に交わることも無く、
ただ衰弱していくしかない私に
明日への希望をくれたのはいつも貴方だった
貴方の言葉からはいつだって
未来に私を感じさせてくれた
だから信じようと思えた
夢を見ようと思った
今日はまだない貴方からの約束
貴方が私にくれた言葉を私も贈ろう
「「また明日」」
祈りの果て
貴方がいなくなった日から、
絶え間なく続く不安に吐き気がした
来る日も貴方を考えぬ日々はなく
貴方の無事を祈ってきた
その終わりの合図はいつも突然だった
見つかったと聞かされた安堵に
この世から去っていたと知った絶望に
誰が正気でいられようか
私はいつまでも無力で
盾になることも出来ず
矛になることも出来なかった
祈っても何も変わらなかった。
それでも祈るしかなかった。
祈りを聞きし者達よ、
叶えられぬ祈りの前に
何が神か、何が仏か。