もっと知りたい
貴方のことを、何も知らない 。
歩くのが遅くなっていた、
笑った顔にシワが増えた、
柔らかい食べ物を好むようになった
いつの間にか貴方は変わった。
失ってから気づいたことばかりで。
涙が枯れる度、貴方を思い出す
失う前に気づきたかったこと、
失わなければ気づけなかったこと
会いに行くことが許されるのなら、
今は貴方を知ろうと思う。
貴方に好きを伝える為に
大切だったと胸を張れるように
勿忘草
白い花弁を贈らせて
あなたの記憶を呪えるくらい
ヴェールに包む姿で
美しいままでいてあげるから
2人だけの教会でキスをしよう
涙ぐむあなたも綺麗ね
あなたの目に映る棺の
私も綺麗だったかしら
鐘を鳴らしている背中が
酷く悲しいものだから
もう一度あなたに花弁を
勿忘草を
あなたに届けたい
静寂はあなたの声を写した
知らなかったあなたの本音
知ろうとしなかったあなたの叫び
あなたを傷つけるモスキートを隠すように
イヤホンをして善だけを流したのはあなただから
贈り物にしよう聞こうとしなかった音たちを
届けようあなただった私を
瞬きの合間にあなたの傍に
まるでゆらり揺れる蜃気楼
受け入れたあなたの手から
鉄の色が香りませんように
街へ
カナリアが声を揺らす
混じった吐息は聞こえないふりをして
ネオンが空を照らす
星々とは似つかぬ色で
月明かりが眩しかった
あの頃はもういない
水溜まりなんて映らないこの瞳
価値なんて汚れて放ったから
今宵もあの夜も踊ろう
月が綺麗ねなんて嘯いて
やけに苦い麗しを飲み込んで
今日もカナリアがうたう
こんな夢を見た
燦々と燃える誰かの体を眺めている。
それを見て雨が枯れてしまったのは
なぜだったろうか。
灯火から業火へと、
炎は形を変えていく。
痛みだけの再生を唄う
燃える体はこちらを見る。
苦痛を味わうような顔を抱えながら
雨が枯れてしまうのも、
痛みが分かってしまうのも、
きっといつもの夢だから。