連想の旅人

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10/20/2025, 12:27:52 AM

君が紡ぐ歌

別れはこんなにも呆気ないのか
君の体が光の粒子となったとき
僕の頬に雨が降ったんだ

君が歌った最後の言の葉
僕はずっと忘れないよ
君が笑顔で消えたなら
僕も笑って生を謳歌しよう

でも、そうだな、
君と見た故郷の海は
どうしようもないくらい美しかったよ

叶わないことを知っているから
僕は願うことしか許されない

僕の歌姫、行かないでおくれ

10/18/2025, 8:28:13 PM

光と霧の狭間で

貴方は私の光です
誰よりも冷たく誰よりも残酷で
それゆえに、尊いお方。

私は貴方に忠誠を誓いました
貴方のために息をし、血を流した
それが私の誇りであり存在の証でした。

でも、気づいてしまった
貴方の手が優しさで穢れていたことに

いつからか貴方は霧に隠れて見えなくなった
そんなの耐えられるはずもなかった
だから壊したんです。
貴方の穢れを、この手で。

正しいことをした私は、
貴方に貫かれてしまったけれど
貴方の穢れという深い霧に落ちても私は探し続ける

貴方という光を。

10/11/2025, 8:34:42 PM

未知の交差点

誰かが通った跡を辿ってくなんて
私らしくないと思った

私が知らないものでも
誰かが通って綺麗にしてた
整備されて
草ひとつ生えてなくて
コンクリートで固められていた
そんなのつまらなかった

だから道から外れたの
交差点で曲がるのをやめたの

誰の足跡もない私だけの道
時には周りのものが私を傷つけるけど
それに負けている暇はない

誰も見つけていない幸せを
この旅の果てで見つけるために

10/9/2025, 11:41:58 PM

秋恋

きみと出会ってぼくドキドキしたんだよ
お日さまみたいにわらうかおとか
あめ玉みたいにかわいい声が
きみのぜんぶがだいすきだった

ぼくがきみにすきっていった日
もみじといちょうを花たばがわりにわたしたね
きみがわたしもすきっていってくれたの
とってもうれしかった

でもぼくときみがバイバイした日
きみがないてたのをおぼえてる
ぼく、ずっとしんぱいしてたんだよ

だけどもうだいじょうぶだね
きみはすてきな女の子だから

だから、やくそくだよ
もうあきがきてもないちゃだめだよ
ぼくのかわりにいーっぱいしあわせになってね

10/8/2025, 7:26:45 PM

愛する、それ故に

彼はその国を愛していた
誰よりも、何よりも。

だから愛した国を守るため、
数えきれぬ犠牲を、壁のように積み上げた。

我らは理解してはならない。
彼の孤独を 悔恨を 苦悩を
彼は忘れてはならない。
滅ぼされた者の無念を 絶望を 慟哭を

決して重なり合うことのない、それぞれの正義
ただ愛していた、皆それだけだった。

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