心の境界線
僕を隔てた境界線は、
月日が経つ間もなく流れて消えた
いつだって前を向いてる人は
その小さな意思に気づきはしない。
心を閉ざさないことで精一杯で
顔を上げたときには、
視界を阻むほどの脅威がそばに居る。
それが続くなら線だけでは足りなくて。
線を積上げて壁を造った
これでよかったはずなのに、
喪失の思いだけ募るばかりで。
何を失ったかさえ分からないけれど、
今が正しいと信じ続ける道しかなくて。
脅威はもう身を蝕むことはないというのに
胸が孕むこの霧は何を示しているんだろうか
キンモクセイ
君が纏う香りは金木犀だっただろうか
年が過ぎる度君を感じられなくなっていく
1つ目は君の声を。
紡いだ言葉は鮮明だというのに
聞こえるはずの音は砂嵐のようだ
2つ目は君の顔を。
僕が覚える君の顔はぼやけてしまっているが、
笑ったときの小皺だけを覚えている
3つ目は君の言葉を。
僕の中の君はもう言葉を紡ぐことさえ許されなくて
いるのかすら分からなくなった。
君を忘れたくないと願うほど
残酷に僕は君を失っていく
それでも、あの儚い季節が来ると
君を傍に感じられるから
君の香りはきっと金木犀
終わらない問い
世の中は解のないことだらけで
誰かが諦めた問いだけが道端に落ちている
幸せの四文字を辿った
いくつもの死に体を抱きしめた
なんで抱きしめたのなんて問いの
答えも分からないまま
続く人生の目的地に僕の姿はありますか?
目的地も分からないのにその先を願ってしまう。
存在するかも分からない、
僕の最終地点に答えがあると信じて
目を凝らして足を踏み出して
終わらせるための1歩を
揺れる羽根
あぁ、どうか
貴方の光輪をちょうだい。
全てが消えてしまう前に
貴方の存在を抱いて眠りたいの
今だけは神様もお告げも全部いらないものにして。
貴方が笑うと揺れて靡くはずの
羽根はとうに朽ちている
貴方にはもう会えない、
笑い合えないなんて嘘だと思いたかった
だから、どうか
あの人の暖かさをください。
光に連れ立つ前に
秋風
霞んだ貴方の揺れる髪
紅葉の空が良く似合うから
沈んだ雫に気づかないまま
僕と貴方に秋の風が立つ
思い出すのは笑い声
聞こえるのは泣き声
終わりたく無かったな
君の声が風に攫われるまで
想い描いた夢をただ見よう
卑怯だって思わせてよ
消える君を想いたくないよ
秋の風に囚われたように
まだ君を想ってしまうんだ