連想の旅人

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キンモクセイ

君が纏う香りは金木犀だっただろうか
年が過ぎる度君を感じられなくなっていく

1つ目は君の声を。
紡いだ言葉は鮮明だというのに
聞こえるはずの音は砂嵐のようだ

2つ目は君の顔を。
僕が覚える君の顔はぼやけてしまっているが、
笑ったときの小皺だけを覚えている

3つ目は君の言葉を。
僕の中の君はもう言葉を紡ぐことさえ許されなくて
いるのかすら分からなくなった。

君を忘れたくないと願うほど
残酷に僕は君を失っていく
それでも、あの儚い季節が来ると
君を傍に感じられるから

君の香りはきっと金木犀

11/5/2025, 7:12:13 AM