連想の旅人

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11/14/2025, 12:22:23 PM

ささやかな約束

「また明日」

何気ない一言に、
ずっと救われていた。

善い道に交わることも無く、
ただ衰弱していくしかない私に
明日への希望をくれたのはいつも貴方だった

貴方の言葉からはいつだって
未来に私を感じさせてくれた

だから信じようと思えた
夢を見ようと思った

今日はまだない貴方からの約束
貴方が私にくれた言葉を私も贈ろう

「「また明日」」

11/13/2025, 1:30:33 PM

祈りの果て

貴方がいなくなった日から、
絶え間なく続く不安に吐き気がした

来る日も貴方を考えぬ日々はなく
貴方の無事を祈ってきた

その終わりの合図はいつも突然だった

見つかったと聞かされた安堵に
この世から去っていたと知った絶望に
誰が正気でいられようか

私はいつまでも無力で
盾になることも出来ず
矛になることも出来なかった

祈っても何も変わらなかった。
それでも祈るしかなかった。

祈りを聞きし者達よ、
叶えられぬ祈りの前に
何が神か、何が仏か。

11/9/2025, 4:33:00 PM

心の境界線

僕を隔てた境界線は、
月日が経つ間もなく流れて消えた

いつだって前を向いてる人は
その小さな意思に気づきはしない。

心を閉ざさないことで精一杯で
顔を上げたときには、
視界を阻むほどの脅威がそばに居る。

それが続くなら線だけでは足りなくて。
線を積上げて壁を造った

これでよかったはずなのに、
喪失の思いだけ募るばかりで。
何を失ったかさえ分からないけれど、
今が正しいと信じ続ける道しかなくて。

脅威はもう身を蝕むことはないというのに
胸が孕むこの霧は何を示しているんだろうか

11/5/2025, 7:12:13 AM

キンモクセイ

君が纏う香りは金木犀だっただろうか
年が過ぎる度君を感じられなくなっていく

1つ目は君の声を。
紡いだ言葉は鮮明だというのに
聞こえるはずの音は砂嵐のようだ

2つ目は君の顔を。
僕が覚える君の顔はぼやけてしまっているが、
笑ったときの小皺だけを覚えている

3つ目は君の言葉を。
僕の中の君はもう言葉を紡ぐことさえ許されなくて
いるのかすら分からなくなった。

君を忘れたくないと願うほど
残酷に僕は君を失っていく
それでも、あの儚い季節が来ると
君を傍に感じられるから

君の香りはきっと金木犀

10/26/2025, 5:19:43 PM

終わらない問い

世の中は解のないことだらけで
誰かが諦めた問いだけが道端に落ちている

幸せの四文字を辿った
いくつもの死に体を抱きしめた
なんで抱きしめたのなんて問いの
答えも分からないまま

続く人生の目的地に僕の姿はありますか?
目的地も分からないのにその先を願ってしまう。

存在するかも分からない、
僕の最終地点に答えがあると信じて
目を凝らして足を踏み出して
終わらせるための1歩を

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