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10/29/2023, 11:59:12 AM

1人1人に、自分という名の主人公のいる物語がある。

だが、総てのストーリーが儚く美しいものでは無い。己の最後を笑って終わる者、泣いて終わる者、はたまた、誰にも看取られない者。
人生とは、波乱万丈で、1人1人が達成感を持ち、完結するものでは無い。
しかし、全ての人生という物語は皆平等に完結する。そして、その物語はその他の数多の物語と複雑に絡みある。本章には掲載されないだけで、様々な小話だって存在する。

一つの物語だけでは、勿体ない。
色々なジャンルに触れる事で、得られるものは多くある。そして、また物語の完成度が上がる。
ましてや、人生のサイドストーリーなんて、最高に面白いのでは?

10/28/2023, 4:44:16 PM

当然のことだが、暗い場所は見えにくい。何があるのか分からない。

だからといって、目を向けないのか。暗いからこそ、隠れている真実があるのではないか。

陽のあたる場所ばかり見て闇から目を背けず、総てを我自身の目で見、その世界の本質を知ることが、賢い脳を持った人間に大切なことではないか、と考える。

9/27/2023, 1:37:25 PM

この夏、通り雨が多かった。


日が落ちるにつれて、慌ただしく空を覆い隠すように発達した雲は、大量の水をこれでもかと降らせ、霧のように視界を遮る。
通り雨にあった時、傘を持っていたら気分は急降下する。朝のラッシュ時にでも振られたら最悪だ。

しかし、私の友人は雨が上がった後が好きだ、と言う。籠ったような空気が晴れて、澄んでいるように、心も浄化される、と。
私はそんなことを考えたことが無かった。寧ろ、いざという時に降ってくるこの通り雨を少し憎んでいた。

だが、その通り雨も捉え方によっては、自分の濁った気持ちを洗い流し、清々しいものに変えてくれるのかもしれない。
ならば、空にかかる7色に光る美しい虹も、己の心が浄化されたことを暗示してくれているのかもしれない。

9/26/2023, 2:42:34 PM

虫の“声”が聴けるのは日本人だけらしい。

友達が言っていた。
あまり気にしたことは無い。
だが最近、夜が涼しくなり、窓を開ける。そうすると虫の“声”が聴こえてくる。1匹、2匹と、色とりどりな“声”が聴こえる。この声は秋になり窓を開けたから聴こえるのだろう。
しかし、夏の蝉はどうだろう。蝉の声は窓と言う壁をすり抜けて、私の耳に木霊していた。
では、秋のこの声たちは、窓を閉じていても聴こえるだろうか。蝉のように自分は生きているとでも言うかのように、夏の声を1色にしてくれるだろうか。
私はそうじゃない、と感じる。
この仄かな声は、壁を作っていると聞こえない。
少しでも開けてやらねば、聞こえないのだ。

7/10/2023, 3:39:39 PM

毎日、“いつも通り”の朝を迎えいる。支度に長い時間がかかるというのに、学習しない私は、電車が来る30分前に起き、毎日立ち漕ぎで駅まで向かう。よく、同じ朝なんて無い、なんて言うけれど、私にとってはほとんど一緒だ。いつもと違う朝といえば、いつもと違う道を通り、出会った人に挨拶をする。その挨拶の声が裏返った時、恥ずかしくて、1人悶えている朝もあるけれど。

でも、そのいつも通りの朝の中でも、好きな朝がある。一度だけ、朝の始発に乗った時、“いつも通りじゃない”朝を迎えた。太陽は照っていたが、人がほとんどいないシャッター街。電車の音がかすかに聞こえ、家の前からは朝の情報番組の音。どこからか聞こえる、元気なラジオ体操。あの街だからこそある澄んだ空気に、心が浄化され、雑念が消え、あの透明な空色よりも自分が綺麗に慣れた気がした。あの時間が私は世界で一番好きかも知れない。マスクを外し、好きな歌を小声で口ずさみ、学校に着く。誰もいない教室。部活の支度をして、部室まで小走り。遠くまで響かせる思いで吹いたトランペットは気持ちが良かった。あの日は私の中で青春の一ページ。

私は毎日、“いつも通り”の朝を迎える。けれど、なんら変哲の無い朝も、私にとって大事な思い出の一部で、多分、なくてはならないもの。“いつも通り”の朝を幾つになっても迎えていきたいと、心から願う。

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