この夏、通り雨が多かった。
日が落ちるにつれて、慌ただしく空を覆い隠すように発達した雲は、大量の水をこれでもかと降らせ、霧のように視界を遮る。
通り雨にあった時、傘を持っていたら気分は急降下する。朝のラッシュ時にでも振られたら最悪だ。
しかし、私の友人は雨が上がった後が好きだ、と言う。籠ったような空気が晴れて、澄んでいるように、心も浄化される、と。
私はそんなことを考えたことが無かった。寧ろ、いざという時に降ってくるこの通り雨を少し憎んでいた。
だが、その通り雨も捉え方によっては、自分の濁った気持ちを洗い流し、清々しいものに変えてくれるのかもしれない。
ならば、空にかかる7色に光る美しい虹も、己の心が浄化されたことを暗示してくれているのかもしれない。
9/27/2023, 1:37:25 PM