「コーディネートクラブ」
コーディネート好きが集まる
会員制クラブに初めてやって来た「あなた」
「あなた」は、このクラブの事が全く分かりません。
「あなた」は、クラブに詳しそうな人に
分からない事を聞こうとします。
だけど、その人は
「自分の所持してる
ファッションやインテリアアイテムを
無心しようとして来たのでは?」
と、思っている新人嫌いなので、
新人の「あなた」を警戒していました。
当然、お断りします。
「あなた」は、スタッフに
「誰から教えてもらえば良いですか?」
と、尋ねて、
「掲示板に書き込めば良いよ」
と、教えてもらいます。
「あなた」は掲示板に
クラブでしか使われていない用語を質問して、
サポーターに教えてもらいました。
「あと、新人を狙った詐欺には
気を付けた方が良いですよ?
それと、このクラブは女性向けなので、
男性の会員には気を付けて下さい」
サポーターは優しく丁寧に教えてくれました。
「あなた」は、クラブ内を歩いていると、
クラブマスターに声をかけられます。
「ワシはクラブマスターじゃ。
すまんが、幽霊会員の事はご存知かの?
その会員もセンスアップさせて
活動させて欲しいのじゃが…」
「あなた」は、新人の自分が
難しい任務をこなせるかどうか分からなかったので、
丁重にお断りしました。
その時、淡いピンクに光り輝く
ビーナスの肖像の様な格好の少女が現れました。
「お願い、この任務はあなたにしか出来ないの」
少女はそれだけ言うと、どこかへと消えて行きました。
「今のは何だったのじゃ?
お主、今のは信じとるんじゃ無いじゃろうな…?」
クラブマスターはそう呟くと、「あなた」は
「信じてません」と、言うしかありませんでした。
「やっぱり、無理です」
「そ、そうか。すまんかった!
このクラブを楽しんでくれたまえ」
クラブマスターは仕事に戻りました。
コーディネートクラブ内は、
きらびやかで可憐な世界で、
いかにもお金持ちの世界だと思わせます。
「あなた」は、
「果たしてやって行けるのだろうか?」
と、少し不安になりました。
消去しました。
「極楽世界」
とある田舎町の田園地帯。
今は畑になっているが、50年程前には高校が存在した。
その高校は、50年前の文化祭の前日を境に
忽然と存在ごと姿を消した。
歴史の資料にはその高校の文献が存在するけど、
高校の建物、教師、生徒が
丸ごと消えてしまったのである。
当時は神隠しに遭ったのではと囁かれていたが、
時間が経つに連れ、人々から高校の記憶は消えて行った。
時空から隔離された高校の関係者は、
時が止まったかのように老いる事も成長する事も無く、
50年前の文化祭の前日を延々と繰り返していた。
高校は、神隠しに遭ったすぐは普通の高校だったが、
異空間で長い年月を過ごす内に
人間達は超能力を身に付けたり、妖怪になったり、
妖精になったり、精霊になったり、付喪神になったり…
と、アニメやゲームなどの創作物の住人の姿になったり、
本物の宇宙人や時空を旅する過去や未来の人間が
高校に紛れ込んだりと
気がおかしくなる様な現象が起きて、
もはや、そこだけ異世界なのではと思う世界となった。
一方、現代では、
地理の発表の課題で
図書館の文献を調べていた高校生達は、
消えた高校の存在を知って、
消えた高校があった場所へ向かった。
見た目はただの畑で、高校があったとは到底思えない。
ただ、文献にバツ印が付いてた場所には
時空の歪みがあった。
高校生達は興味本位で時空の歪みに入り、
50年前に消えた高校の中に入って行った。
「エリート小学校」
この国で一番優秀な頭脳が集まる小学校がありました。
この小学校は全国模試で上位の成績の小学生しか入れず、
国中の小学校の決まりや流行を決める事が出来ました。
そんな優秀な小学生達でしたが、
ここ最近、奇妙な出来事が起こる様になりました。
とある児童は、周りは静かなのに
親や先生の怒鳴り声が聞こえると言っていました。
医者を目指している児童は
「病気じゃない?統合失調症って言う…」
と、当事者の児童に言いました。
当事者の児童は
「病気じゃないよ!
本当に人間の声で怒鳴って来るんだ!」
と、言いましたが、医者を目指している児童は
「統合失調症患者は
そう言う事を初期症状の時に言うんだ。
きっと、勉強のストレスで発症したんだ。
この子を病院に連れてって」
医者を目指している児童は、
当事者の児童を病院送りにしました。
「あと、空笑の子も統合失調症だよ?
統合失調症は初期の内に
いかに処置出来るかが大事なんだ。
そう言う子達を病院送りにして行こう」
医者を目指している児童は、
幻覚や幻聴、空笑などの症状がある児童を
次々と病院送りにして行きました。
警察官を目指している児童は、
この状況に疑問を持ちました。
「統合失調症は普通、発病率は1%だ。
この学校の四分の一が発症してるなんて
おかしくないか?」
警察官を目指している児童は、
自分と同じ志の児童達を呼んで調べる事にしました。
警察官を目指している児童達は、
即座に医者を目指している児童達が怪しいと気づき、
医学研究クラブを調べる事にしました。
「僕達、医学研究クラブが怪しいんですか?」
「病気が大量発生したら、
研究所が怪しいって言うからな」
警察官を目指している児童達は、
部室内を捜査し始めました。
「ん?何だ、この機械…」
警察官を目指している児童の一人が
見慣れない機械に触ろうとすると、
医者を目指している児童の一人が、
背後から謎の電波銃を
警察官を目指している児童達に浴びせました。
「な、何だ?」
「激しい頭痛と怒鳴り声が…!!」
警察官を目指している児童達は、
頭痛と自分にしか聞こえない幻覚幻聴に苦しみました。
「僕達の秘密を知ったね。この学校から消えてもらうよ」
「この学校の事なら大丈夫。
次点の成績の子が繰り上げで、この学校に来るから」
警察官を目指している児童達は、
病院送りにされてしまいました。
「委員会には逆らえないからな。
委員会が目障りだと思った児童を
皆、消さなきゃいけないし。
よっぽど、自分の委員会の椅子が大事なのかな?」
「この機械、手に入れるの大変だったからね…
お父さんにだいぶ無理言ったよ。
頭の中に映像や音声を流して精神を操作する機械なんて
日本には無かったし…」
「委員長、本当に僕達の成績上げてくれるかな?」
「幸せで買うお花屋さん」
一本のタンポポを持った女の子は
笑顔で大好きな男の子の所へ向かいます。
「きれいなタンポポ咲いてたの」
女の子はタンポポを男の子にプレゼントしました。
「えー?!要らないよ。道端に咲いてたのだろ?
犬のオシッコとかかかってたら汚いじゃん」
女の子はしょんぼりしました。
「ヤーイ、ションベン花持ってやんの!」
悪ガキは女の子をからかいました。
女の子はプンと怒ってそっぽを向きました。
「ちょっと言い過ぎたかな?
でも、道端の花なんて欲しくないし…」
「良いの良いの。ションベン花渡されるよりマシだって」
男の子と悪ガキは話をしてました。
「何よ、もうっ。花屋さんのお花じゃなゃダメなの?」
女の子は起こっていると、
視界に一軒の花屋が目に入りました。
「花屋さんだ!キレイ…」
女の子は、色とりどりの季節の花が沢山飾ってある
ディスプレイを見て目を輝かせました。
「一本1000円って…高過ぎて買えない!」
女の子は売り物の花の値段を見て驚きました。
「割引してもらえるかな?」
女の子は店内に入って行きました。
「いらっしゃい」
店員さんは花の補充をしていました。
「あの…このお店の花の値段って
割引してもらえるんですか?」
「割引も出来ますよ。
お客様の幸福度と引き換えに」
店員さんは笑顔で言いました。
「幸福度?」
「幸せの力です。
お客様でしたら一本10円にする事も可能です」
「10円だったら買える!
コレとコレとコレと…コレ下さい!」
女の子は花を20〜30本取り、花束を作りました。
「まぁ、プレゼントですか?」
「そうです!」
女の子は自信満々でした。
「えーと、全部で280円になります」
女の子は店員さんにお金を渡しました。
「ありがとうございます」
「今度は道端の花じゃないから、
絶対喜んでくれるはず!」
店を出た女の子は、男の子の所に向かいました。
「あ!居た!
今度は花屋さんのお花だよ!
道端の花じゃないから、とってもキレイだよ…」
信号を見てなかった女の子は、
車が来ていた事に気づかずに、
車道に飛び出してしまって、轢かれてしまいました。
「可哀想に…
買うお花は一本だったら
日常生活に影響は無かったのよ?
それを20本も30本も買うから
幸福度が底を尽きたのよ」
店員さんはニュースを見るなり呟きました。