NoName

Open App

「幸せで買うお花屋さん」

一本のタンポポを持った女の子は

笑顔で大好きな男の子の所へ向かいます。

「きれいなタンポポ咲いてたの」

女の子はタンポポを男の子にプレゼントしました。

「えー?!要らないよ。道端に咲いてたのだろ?

 犬のオシッコとかかかってたら汚いじゃん」

女の子はしょんぼりしました。

「ヤーイ、ションベン花持ってやんの!」

悪ガキは女の子をからかいました。

女の子はプンと怒ってそっぽを向きました。

「ちょっと言い過ぎたかな?

 でも、道端の花なんて欲しくないし…」

「良いの良いの。ションベン花渡されるよりマシだって」

男の子と悪ガキは話をしてました。

「何よ、もうっ。花屋さんのお花じゃなゃダメなの?」

女の子は起こっていると、

視界に一軒の花屋が目に入りました。

「花屋さんだ!キレイ…」

女の子は、色とりどりの季節の花が沢山飾ってある

ディスプレイを見て目を輝かせました。

「一本1000円って…高過ぎて買えない!」

女の子は売り物の花の値段を見て驚きました。

「割引してもらえるかな?」

女の子は店内に入って行きました。

「いらっしゃい」

店員さんは花の補充をしていました。

「あの…このお店の花の値段って

 割引してもらえるんですか?」

「割引も出来ますよ。

 お客様の幸福度と引き換えに」

店員さんは笑顔で言いました。

「幸福度?」

「幸せの力です。

 お客様でしたら一本10円にする事も可能です」

「10円だったら買える!

 コレとコレとコレと…コレ下さい!」

女の子は花を20〜30本取り、花束を作りました。

「まぁ、プレゼントですか?」

「そうです!」

女の子は自信満々でした。

「えーと、全部で280円になります」

女の子は店員さんにお金を渡しました。

「ありがとうございます」

「今度は道端の花じゃないから、

 絶対喜んでくれるはず!」

店を出た女の子は、男の子の所に向かいました。

「あ!居た!

 今度は花屋さんのお花だよ!

 道端の花じゃないから、とってもキレイだよ…」

信号を見てなかった女の子は、

車が来ていた事に気づかずに、

車道に飛び出してしまって、轢かれてしまいました。

「可哀想に…

 買うお花は一本だったら

 日常生活に影響は無かったのよ?

 それを20本も30本も買うから

 幸福度が底を尽きたのよ」

店員さんはニュースを見るなり呟きました。

11/9/2021, 7:09:14 AM