27(ツナ)

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3/30/2026, 11:01:26 AM

何気ないふり

前の席に座る君。
男の子らしい大きくてガッチリした背中、綺麗なうなじが見える短髪。
私はそんな君の男らしい後ろ姿に密かにときめいていた。

プリントを回収するときに、私はよそ見していて君が手を伸ばしているのに気づかなかった。
不意に前を見ると背を向けたまま君が私の方へ手を伸ばしていて、何を勘違いしたのか反射的にその大きくてゴツゴツした手をギュッと掴んでしまった。
「えっ!」君が驚いて振り向いたから私も思わず「わっ!」と叫んで急いで手を引っ込めた。

「えっと…プリント。回収するから。」
「あ、あ、ごめんね。なんかぼーっとしてて。あプリント!はい、お願いします。」
恥ずかしすぎてまともに顔を見られなかった。
「ん。ども。」
君はなんともなかったみたいにプリントを受け取るとすぐに前を向いてしまった。
でも、その時。
よく見ると君の両耳が真っ赤に染まっていて、私はなんだか少し嬉しくなった。

3/29/2026, 10:40:38 AM

ハッピーエンド

主人公がいくつもの苦難を乗り越えて、試練をくぐり抜けて、物語の最後にはハッピーエンドを迎える。でも、ハッピーエンドの先はどうなる?
物語は結局、創造の産物でしかないからエンドのその後はどうにでもなる。けれど、現実は違う。
現実におけるハッピーエンドは一体何なのだろか?
むしろ、現実の世界にハッピーエンドは存在しないのかもしれない。
現実世界は常に移り変わる。
苦難も喜びも試練も幸福も常に循環している。
現実を生きる私たちにとって存在するのはエンドだけでハッピーもアンハッピーも常に巻き起こる。
事実は小説よりも奇なり。

3/28/2026, 10:58:05 AM

見つめられると

好きな人と話す時に目と目を合わせると効果的らしい。
幼なじみであり、好きな人でもある彼。
試験勉強の為に私は今日も彼を連れて図書室へ向かった。
彼は学年トップに入るくらい頭が良くて、対する私はビリから数える方が早いほどバカで。
いつも試験前は私の勉強を見てくれた。

「…ここは、この公式ね。あとは?」
いつもよりも間近にある彼の女の子みたいな可愛らしい顔に私が見惚れていると、彼の顔が赤くなっていく。
「……あ、あの。」
「ん?」
「そ、そんなに見つめられると…ちょっと、恥ずかしい、かも。」
「え?…うわあ!ごめんっ!」
思わず私も目を丸くして図書館で大声を出してしまった。

3/27/2026, 11:02:33 AM

My Heart

「代償はお前の心臓だ。いいな?」
悪魔は僕の耳元でそう囁く。
「…あぁ、わかった。」
この国に、現実に、まさか悪魔なんてモノがいるとは思わなかった。

突然始まったいじめ。最初は小さな物を隠される事から始まった。
僕の反応を見て面白がった奴らは僕の私物を捨てたり、破いたり、燃やしたりと次第に酷くなっていった。
物だけに飽き足らず、奴らは僕自身を痛めつけ始めた。
痩せ型で非力な僕は奴らの格好のサンドバッグだったが陰湿で狡猾な奴らは顔だけには傷をつけないように気を回していた。

友達に助けを求めたが「次のターゲットになりたくない。」と僕を避けるようになった。
教師に助けを求めたが「指導しとくよ、けどお前にも非があったんじゃないか?」とあしらわれた。
親に助けを求めたが「仕事で忙しい、自分のことは自分で解決しろ。」と突き放された。
誰も助けてくれなかった。
あいつらの名前をノートに書きなぐった。
『憎い』とひたすら書きなぐって、表題に『遺書』と書いて机の上に置いて、ベランダに出た。
悔いは無い、できることはした。これで楽になれる。

「憎いんだろ?」虚空からおぞましい声が聞こえる。見渡す限り暗闇で人の気配はしない。
ソレはいつの間にか僕の背後に立っていた。
「!?」
「お!もしかして、お前、俺が見えるのか?」
見える。はっきりは見えないが真っ黒な人型の何か。ソレが話しかけてくる。
「憎いんだろ?俺の力があれば奴らを死ぬほど苦しめてやれるぞ?どうせ死ぬなら奴らに仕返ししてから死んだ方がいいだろ?な?」
「あいつらに…復讐ができる?」
「もちろん。」ソレがおぞましく笑っているのを感じて僕も思わず口角が上がる。
「どうすればいい?」
「簡単さ、お前の望みを叶える。それが終わった時に、お前の心臓を俺が貰う。願いを叶える代償はお前の心臓だ。いいな?」
そうして僕は、悪魔と契約を結んだ。

3/26/2026, 11:06:54 AM

ないものねだり

人はどうしたって自分に無いものを他人にねだるものだ。
「いいな。」「ちょうだい。」「欲しい。」といくら言ったって手に入ることなんてないのに。
本当に愚かだ。
けれど、そんな自分も例に漏れず、ないものねだりするから滑稽だ。

「あ、いいなーあなたの人生、すごく楽しそう。わたしにちょうだい。」

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