何気ないふり
前の席に座る君。
男の子らしい大きくてガッチリした背中、綺麗なうなじが見える短髪。
私はそんな君の男らしい後ろ姿に密かにときめいていた。
プリントを回収するときに、私はよそ見していて君が手を伸ばしているのに気づかなかった。
不意に前を見ると背を向けたまま君が私の方へ手を伸ばしていて、何を勘違いしたのか反射的にその大きくてゴツゴツした手をギュッと掴んでしまった。
「えっ!」君が驚いて振り向いたから私も思わず「わっ!」と叫んで急いで手を引っ込めた。
「えっと…プリント。回収するから。」
「あ、あ、ごめんね。なんかぼーっとしてて。あプリント!はい、お願いします。」
恥ずかしすぎてまともに顔を見られなかった。
「ん。ども。」
君はなんともなかったみたいにプリントを受け取るとすぐに前を向いてしまった。
でも、その時。
よく見ると君の両耳が真っ赤に染まっていて、私はなんだか少し嬉しくなった。
3/30/2026, 11:01:26 AM