午前0時の訪問者。
彼女の声は、聞いてはいけません。
【午前0時。】
こんな真夜中に、ノックが3度。
過ちは、繰り返してはいけない。
【午前0時。】
こんな■■■に、ノックが3度。
過ちは、繰り返しては■■■■。
【午前0時。】
こんな■■■に、■■■が3度。
過ちは、繰り返しては■■■■。
【午前0時。】
こんな■■■に■■■■が3度■
過ちは■繰り返しては■■■■。
【午前0時。】
こんな■■■に■■■■が■■■
過ちは■繰り返しては■■■■。
【午前0時。】
こんな■■■に■■■■が■■■
過ちは■■■■■■ては■■■■。
【午前0時。】
こん■■■■に■■■■が■■■
■ちは■■■■■■ては■■■■。
【午前0時。】
こん■■■■に■■■■■■■■
■ちは■■■■■■■■■■■■。
【午前0時。】
こんにちは。
(お題⇨「ミッドナイト」)
「おい、あまり走るな。転ぶぞ。」
「アマミヤくん。人間でも幽霊でもない "何か" がそう簡単に転ぶわけないでしょう?」
「俺には、お前が転ぶ予感しかしないが。」
俺のかけた言葉に、ふふふと笑いながら目の前のガキらしきものは森の中をるんるんとかけていった。
人間でも幽霊でもない "何か" 。
俺もつい昨日、その仲間入りを果たしたところである。
呪いから救われまた新たな呪いにかかる、悪循環。
まあそんなこと知ったことではない。
あの悪夢から抜け出せたのならそれでいい。
少なくとも、再度あの呪いにかかる予感はしないのだ。
これでいい。
そんなことを考えていたら、俺は何もない坂でつまずいた。
「アマミヤくん。考えすぎるのは良くないよ。転んじゃう。」
「お前よりも用心深い俺がそう簡単に転ぶわけないだろ。」
「私には転ぶ予感がするの。」
ガキらしきものの言葉に苛立ちを覚え、はあとため息をつきながら再び足を動かした。
人間でも幽霊でもないくせして、他人を煽るのは得意なのか。
いや、そもそも俺は人では___
そんな悪循環に陥るのを止めたのは、俺の意思でも目の前のガキらしきものでもなく、目の前にぽつんと立った廃学校であった。
「アマミヤくん、ここ。来てみたかったの。」
見覚えのある、廃れた高校。
既に隣から消え去った妻と。
初めて出会った場所。
もう一度ため息をつく。
前言撤回だ。『あの悪夢から抜け出せたのならそれでいい。』なんて。そんなわけがない。
そもそも悪循環なんて存在せず、
これは悪夢の延長線上の "何か" 。
これから先のことが思いやられる。
嫌な予感がした。
⦅2025/10/22 予感⦆
「誰かいるのか?」
返事は_ない。
がちゃり、と扉を開ける。
冷房もついていないのに、やけに冷えた密室。
数年前に旅立った、あの時の妻の体温を思い起こさせるこの部屋の景色とその冷たさに。勿論のこと、いい印象など抱くはずもなく心の奥底に深い傷をまた一つ、増やすだけだった。
妻を無くしてから、何度冬を越したことか。
今年もまた、孤独な冬を越すことになるだろう。
そういえば、俺の息子は元気にしているのだろうか。
聞きたくても、もう聞けるはずもない。
俺は既にこんな体になってしまったから。
囚われてしまったのだから。
嗚呼、孤独は辛いな。
悪夢の中に1人きり。
年老いても行かないこの身体は、きっと呪われているのだろう。
開けても開けても前に進めぬ扉の向こうに、外はあるのだろうか。
こんこんこん。
3度のノックが鳴り響く。
無限に続く、妻が最期を迎えた部屋から出るために。
お願いだから、"誰か"いてくれ。
そして俺は息を吸う。
それは絶望と少しの期待をかき混ぜた___
⦅2025/10/03 誰か⦆
「こりゃなんだよ…」
「昨晩はひどい台風だったからね」
午前7時。玄関から一歩出て、廃墟に等しいものを眼に収める。
昨晩は言葉の通りひどい台風だった。
風が扉を叩く音、壁越しに聞こえる数々の口笛。
勿論、この家の住人は誰1人眠れることなく朝を迎えた。
予報通り。大きく暴れて、大きな爪痕を残す。
単純で分かりやすいプログラミング。
___羨ましい。
私の追ってる事件は、予報もなければ爪痕もない。
そもそも、人間の手によって起こった事件なのかも分からない。
まあ、いいや。
気を紛らわせるために、湿った空気を吸い込んだ。
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あの時の私は、本当に馬鹿なことをしたと思う。
目の前に真相があるのにも関わらず、家に引き返すなんて。
そう___
風が扉を叩く音、壁越しに聞こえる数々の口笛の。
主も知らずに。
⦅2025/09/13 台風が過ぎ去って⦆
【内容をより分かりやすくするため、
大幅な修正を予定しています。】2025/09/14
⦅2025/10/05 大幅修正⦆
「ただいま。」
返事は、ない。
それもそのはずだ、私は一人暮らしなのだから。
それでも___芽衣。
私の妹。彼女は小学生の頃、突然…帰らぬ人となった。
霊も悪いものではないと思うの。
会いたい人に会えるのならば、
相手がどんな姿になっていたとしても、会いたいものでしょう?
霊でなくてもいい、たとえ得体の知れない "何か" でも。
私は芽衣にもう一度会いたい。
ひとりきり。
もうこの言葉にはうんざりよ。
⦅2025/09/12 ひとりきり⦆