いもパイン

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2/18/2025, 12:51:41 PM

手紙の行方
「近ごろは、まだ寒いですが、お元気ですか?お体には気をつけてください。たまには、連絡してね。さて、今回もお野菜を送ります。足の早いものから、食べてくださいね。」
段ボールに手紙を入れた。何とも言えぬ、穴の開いた気持ちを胸に。

12/31/2024, 10:21:48 AM

良いお年を

今年は、何人に言われるのだろうか。
友よ、あと何回言ってくる?
勝手な解釈だが、「良い一年にしろよ」と言われている気がする。
人に自分の幸せを願われるというのは、気分がいい。
友よ、あと何回言ってくれる?

9/5/2024, 7:30:14 PM

貝殻
そのへんに落ちていて、目に留まることのない貝殻。
砂浜を歩いていると、稀に踏みつける。
ジャリジャリと音を立てているのは、砂か、貝殻か、捨てられたゴミクズか。答えなんて出せないけれど、いま一度地面を踏みつける。はっと、我に返ると、日差しの熱さに気づく。半袖を着る自分の腕は、仕方がなく焼かれていた。たまに吹く温められた風のせいで、髪は、悔しそうに絡まっていた。そんなこと気にも留めないで、海は、蒼く光っていた。
私は、なんとなく微笑んだ。いつしか、生きていた貝にならって。

7/31/2024, 4:29:33 PM

だから、一人でいたい。
彼に勝てた。いつも、尊敬していた、彼に。私は、彼を超えたんだ。
嬉しさが、心の底から、込み上げてくる。観客の楽しそうな顔には、沢山の感情が込めているように感じた。でも、ただ一人、彼の顔だけが、見られない。今になって、何だか申し訳なくなってしまった。そんな自分が、情けない。嬉しさを素直に面に出せず、微妙な顔をしていると、彼に、拳を突きつけられた。彼は、「喜べよ、俺に勝ったんだろうが。」と言い、涙を流しながら、不器用に笑っていた。彼の優しさか、強さか、何が私を感動させたのか、まだ私には分からなかったけれど、一生懸命に泣いた。彼は、私の手を取り、抱き寄せた。私の耳元で、彼は、「ありがとう。」と言った。
彼の背中は、まだ遠く、彼の力は計り知れない。私は、そう悟った。

7/31/2024, 3:24:34 AM

澄んだ瞳
都会から少し外れた街で、赤子が一人、泣いている。
誰も、彼を助けやしない。
飢えかけた彼は、必死に泣く。
ポツポツと、雨が降ってきた。
たとえ、橋の下の河川敷で雨宿りしたとしても、
体は冷える。
だが、しだいに、彼は泣き止む。
真っ直ぐな優しい眼差しを向けられ、
人の温もりを知って。

二人の瞳は、甚く澄んでいた。

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