松毬

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9/22/2022, 12:47:00 PM

あぁ、声が聞こえる。
いるはずのないアイツの声が。
幻聴なのはわかっている。
だけど、だけど今だけはその声に浸ってもいいだろうか。
その声に沈んでいてもいいだろうか。




『声が聞こえる』

9/21/2022, 1:54:58 PM

彼は秋になると柑橘系の香水から金木犀の香水に変える。それは秋限定で、彼の匂いの変化で秋の訪れを感じる。今年ももう少しで金木犀の香りに包まれるであろう彼に俺はずっと恋をしている。







『秋恋』

9/21/2022, 5:39:34 AM

「僕と、付き合ってくれませんか。」
その言葉を聞いたとき、俺は


逃げてしまった。

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「はぁ…」
「どうしたんだよ、今日ずっとため息ついてるぞ」
「あぁごめん、ちょっと色々あって」
「相談しろよ?俺とお前の仲だろ」
「……これは俺の友達の話なんだけど、」
「お前友達あんまいねぇじゃん」
「今それはいいのよ、話聞いてよ」
「わかったわかった、それで?その友達がどうしたの?」
「告白されたらしくて…同性になんだけど。あ、ソイツはそんなことに偏見とかはなくて、だけど自分がその立場になってびっくりしたっていうか。」
「あぁそういう事ね。で、お前はその告白相手になんて言おうか迷ってるわけだ。」
「…ッ!?なんで俺ってわかったの。」
「お前、自分が思っている以上にわかりやすいぞ?好きなら付き合えばいいじゃん。同性愛とか偏見ないんだろ?」
「でも、今までそんなこと考えたこともなかったし、しかも俺逃げちゃったんだよ?あんなに失礼なことしたのに今更返事なんて出来るわけない。」
「…はぁ。お前はあいつのことどう思ってんだよ?それをそのままぶつけてこい!まぁ慰める相手にはなってやるからさ」
「分かっ、た。行ってくる。」


それから俺はあいつの元へ向かった。俺の気持ちを伝えるために、あいつの気持ちに応えるために。

「ゆうき!」
「…?要?どうしたの、こんな急いで。困ったことでもあった?」
「この前はごめん!ゆうきのこと傷つけて。」
「あぁ、そんなのきにしてないよ。俺の方こそごめんね。同性に告られたら困るもんな。だから謝んないでよ。俺は気持ち伝えたかっただけだし。大丈夫。」
「ねぇ、ゆうき。泣かないで。俺の気持ち聞いてくれる?」
「俺、ゆうきのこと好きだよ」
「嘘つかないでよ、同情で付き合えても嬉しくないよ。」
「嘘じゃないよ、ゆうきのこと大事にしたいし、一生離したくない。」
「ほんとに?俺の事好きなの?」
「うん、だから僕と付き合ってください。」
「ありがとう。ずっと一緒にいようね」


俺らは付き合うことになった。今まで大事にしたい相手なんていなかったがゆうきと付き合って色々変わった。これからもゆうきと一緒に辛いことも乗り越えていこう。俺らなら出来る。大事に思いあっている2人なら。




『大事にしたい』

9/20/2022, 12:48:01 AM

時間よ止まれ、何度そう願ったことか。まぁそんなことしても止まるわけではないのだが。でも、そう願って本当に時が止まるのであれば、彼は僕の横から消えてしまうことはなかったのだろう。こんなことになるなら僕も時間と共に消えていきたかった。彼は許してくれないだろうけど。

『時間よ止まれ』

9/18/2022, 10:58:14 PM

俺が住んでた街はすんげぇ田舎で、人通りも街灯もめっちゃ少なかったの。そのおかげと言って良いかはわかんないけど星はめっちゃくちゃ綺麗だった。だから俺は星が大好きになったんだよ。一晩中家の外にいて星を眺めてる日もあったくらい。そんくらい星が好きだった。でもある日都会に引っ越すことになって、全然星を見ることが出来なくなって。…いや、都会の夜景も綺麗だよ?ビルとか車とかの光でキラキラしてて。だけど幼かった俺はこの光が大好きな星を奪ってるっ!て思って夜景が嫌いだったんだよ。だけどアイツと見る夜景は好きだった。アイツはどこの誰よりも夜景が似合ってた。そんなアイツが死ぬほど好きで。でもアイツはもう居ないんだ。だからまた夜景が嫌いになっちゃった。

『夜景』

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