俺が住んでた街はすんげぇ田舎で、人通りも街灯もめっちゃ少なかったの。そのおかげと言って良いかはわかんないけど星はめっちゃくちゃ綺麗だった。だから俺は星が大好きになったんだよ。一晩中家の外にいて星を眺めてる日もあったくらい。そんくらい星が好きだった。でもある日都会に引っ越すことになって、全然星を見ることが出来なくなって。…いや、都会の夜景も綺麗だよ?ビルとか車とかの光でキラキラしてて。だけど幼かった俺はこの光が大好きな星を奪ってるっ!て思って夜景が嫌いだったんだよ。だけどアイツと見る夜景は好きだった。アイツはどこの誰よりも夜景が似合ってた。そんなアイツが死ぬほど好きで。でもアイツはもう居ないんだ。だからまた夜景が嫌いになっちゃった。
『夜景』
9/18/2022, 10:58:14 PM