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11/3/2024, 4:09:46 PM

 痛くて、辛くて、怖くて、惨めで、酷くて、卑しくて、厭らしくて、浅ましくて、愚かしくて、壊したくて、壊れてしまいたくて、それでも壊れられなくて。

 だけども鏡の中の自分は笑っているのだから、私は今日も、上手に仮面をつけて生きているのだろう。

10/21/2024, 1:20:37 PM

 声が枯れるまで歌い続けてでも、伝えたい気持ちがあったはずなんだ。

 直接言葉にするのは恥ずかしいから、想いを載せた歌を歌ったはずだった。
 互いに励まし合って笑い合って、夢に向かって歌い続けたはずだった。

 でも結局、私の声が貴方の心に響くことは無かったね。
 貴方の心を捕えたのは、隣に立っていた私の歌じゃ無かった。
 こんなことなら最初から想いを言葉にすれば良かった、なんて。

 嗄れた喉の掠れた声じゃ、もう何も伝えられないけど。

10/21/2024, 10:35:54 AM

 始まりがあると言うことは、終わりもあると言うことで。
 人との新しい関係を始める時にはいつも、それが終わる時のことも考えてしまうのだ。

 自分から近付くことは無い。始まりはいつだって手を差し伸べてくれる相手任せだ。
 そんな優しい君に出逢わなければ、きっとこの終わりを考えることも無かっただろう。
 まぁ、自業自得ではあるのだけど。

 もう動かなくなった君を想いながら、また次の誰かとの始まりに想いを馳せてしまうのは、
 輝かしい灯火が消える様に魅入られた、自分の罪深さ故なのだろうか。

10/14/2024, 8:14:58 PM

 高く、高く。
 ふわふわと、プカプカと、まるで天に昇る風船みたいに。

 何処までも浮いてしまいそうなほど、地に足をつけている感覚が無い。
 私を地上に引き留めてくれる命綱が、何処にも存在していない。
 手を伸ばしても、誰も私の手を掴んではくれない。
 ずっと、自らの足で地を踏み締める人たちと同じようには歩けないの。


 高く、高く。浮いて、浮いて。
 いつか惨めに地に墜つその時まで、私は独り昇り続けるのだろう。

10/12/2024, 7:03:45 PM

 夕陽が照らす二人分の影が、付かず離れずなことが我ながらもどかしかった。

 家が近くて付き合いが長かったから。ただそれだけの理由でいつも同じ道を並んで帰った。
 次第に遠くなる運動部の掛け声や吹奏楽部の楽器の音が、夜を迎える街に溢れゆく喧騒が、他愛も無い日々の会話の後ろに流れていたことを覚えている。

 放課後、家に着くまでのほんの十数分の距離。
 実際に触れ合ってなんていないのに、少し大きく腕を振れば影同士は触れ合うみたいに重なって。
 視線を交わし合わずとも。影だけは、確かに互いを見つめていた。

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