とある恋人たちの日常。

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8/2/2025, 1:22:43 PM

 
 想いを寄せてしまった彼女を、さり気なーく誘ってバイクで海に来ていた。
 
 普段通りにしたつもりだったけれど、大丈夫だったかな。
 自分としてはぎこちなさを隠しきれたか危ういとは思っているけれど、彼女の笑顔は変わらない。
 
 ま、まあ。
 彼女は分かっても分からないフリをしてくれる気遣い屋さんだから大丈夫だと思う。
 
 日差しも眩しく、湿度も高くて、潮の香りも強い。
 人もまあまあいるから、ふたりで来るにはチョイスは良くなかったかも。変に誤解されたら彼女に迷惑がかかってしまう。
 
 胸がチクリとする。
 
 俺の周りにはこの手の話が大好きで、勝手な思い込みで盛り上げたり茶化して来たりする。
 
 なんというか。
 彼女とはそんなふうになりたくなかった。
 
 彼女は波打ち際に軽く走って向かった。
 サンダルを履いていた彼女はそのまま足を水につける。
 
「あは、あったかい」
 
 コロコロと笑う彼女が可愛くて、胸を締め付けた。
 
「温暖化の影響ですかね?」
「そうかもね」
 
 ゆっくりと彼女の方に歩いて近づいていくと、軽く俺に水を弾いてかけてくる。
 
「反撃しちゃうぞ」
「あはは」
 
 そう笑い、彼女は再び波打ち際で砂と海の水でパシャパシャ弾いて遊んでいる。
 楽しそうにしている姿は俺の視線を捉えて離さない。
 水が光に反射して、いつも以上にキラキラしているように思えた。
 
 やっぱり、可愛いな。
 
 俺は屈んで砂にふと思った気持ちを短い文字で描いた。
 いつか伝えたい思ってしまった単純な言葉を。
 
「なにを書いてるんですかー?」
 
 俺の書いた文字を覗き込もうと近づく。
 その文字を彼女に見られるのは恥ずかしくて、消そうと思ったけれど、彼女が水遊びしながら歩いてきたことでその文字は波にさらわれてしまった。
 
「あー!!」
「残念!」
 
 そう笑って返したけれど、見られなくてよかったと心の底では安心していた。
 
 だって、こんな言葉を彼女に伝えたら困らせてしまう。
 
 お客さんの中に本気で狙っているらしいという噂も聞くんだ。絶対に迷惑をかけちゃう。
 
 言えないよ、〝好き〟だなんて。
 
 
 
おわり
 
 
 
四四三、波にさらわれた手紙

8/1/2025, 2:32:03 PM

 
 俺がこの都市に来て、もうどれくらい経つのかな。
 誕生日の日に合わせて、ここに来た。
 
 そうして俺は、俺の心を離さない特別な女性に出会ったんだ。
 
 いつでも笑ってくれて、一緒にいて気持ちが落ち着いて、心が楽になる彼女。
 守りたい人だったのに、いつの間にか隣に居たいと思ってしまった人。
 
 八月。
 もうすぐ俺の誕生日。
 ここに来て、君と出会って心が変化した時。
 
 ねえ。
 俺、どうしようもないほど君に会いたいよ。
 
 
 
おわり
 
 
 
四四二、八月、君に会いたい

7/31/2025, 4:13:00 PM

 
 大好きな大好きな彼。
 お医者さんだから誰にでも気遣いができて、優しいところがある。
 でも誰にでも優し過ぎる人だから、他の人にも好意を持たれていたんじゃないかなって思った。
 だから私の想いは心の奥にしまっておくことにしたの。
 
 でも、彼は私を選んでくれた。
 
 強ばった表情で想いを告げてくれて、とても嬉しかった。
 私も――と、返した時に見せてくれた笑顔がとても眩しくて。
 
「あのね」
「うん」
「だいすき」
 
 戸惑いから変わる彼の表情を見て改めて思ったの。
 優しさや気遣いとは別に、私がどうしようもないほど惹かれた〝太陽のような笑顔〟が、そこにあった。
 
 だいすき。
 
 
 
おわり
 
 
 
四四一、眩しくて

7/30/2025, 1:58:00 PM

 
 救急隊の仕事は常に緊張感を持っていなければならない。 
 救助のプロとしてはそうかもしれない。
 でも、本当は普段通りにリラックスした方がいいんだよね。
 
 定期的に訓練もして、その訓練通りに進める。
 でも、訓練通りに進むことなんてほとんど無いんだよね。予想外のことにも対応するための知識や訓練も行う。
 
 日々の訓練を思い出しながら待機していると、出動を告げる音が鳴り響く。
 
 緊張が走り心が熱くなる。
 
 すぐに立ち上がって、出動するための支度を始めた。緊張を解すように軽く身体を動かしてから、振り返る。
 
 さあ、行こう。
 
 どんな人も助けてみせる。
 
 
 
おわり
 
 
 
四四〇、熱い鼓動

7/29/2025, 2:00:18 PM

 
 ちょっと恋人に聞きたいことが出来たけど、どうしようかな。
 
 と、いうのも彼の仕事は救急隊員という、この時期的にも忙しい人だから邪魔をしたくないんだよね。
 私はスマホを覗いてから、視線を逸らして天を仰ぐ。
 
 どうしようかな……。
 
 一応、メッセージとして下書きを書き終えて保存している。あとはそれを送るだけなんだけれど。
  
 邪魔になったら困るよね。
 気を使う人だから、声掛けてくれるの迷惑になりそうだなと思ったらメッセージを送れなくてモンモンとしていた。
 
 ぐるぐるしつつも、やっぱり送らなきゃダメだと思ってメッセージの下書き欄から送信ボタンを押す。
 
 緊張が走って背中に冷や汗が落ちるけれど、送信したからもう引き返せないので肩の力が抜けた。
 
 ブルルッとスマホが震える。
 
 突然だから驚いてしまったけれど、画面を見たら彼だった。
 
「もしもし?」
『ナイスタイミングだよー!!』
「え?」
『ちょうど休憩に入ったところでさ。俺も話したかったから嬉しかったー』
 
 いつもよりどこか嬉しそうなのかもと感じるくらいに言葉が弾んでいる。
 
「うふふ。私も声聞きたかったから嬉しいです」
『俺も!』
 
 いっぱい考えて、モヤモヤもしていたけれど、メッセージのタイミングが合ってたみたいで本当に良かった。
 
 ――
 
 俺の彼女は本当にタイミングが良い。
 連絡したい時に連絡をくれる。
 
 ちょうどメッセージを入れようかなと思ったタイミングでメッセージが来たから、思わず電話してしまった。
 
 
 
おわり
 
 
 
四三九、タイミング

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